見出し画像

慶應義塾大学2020商学部 数学 大問2 確率

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

今日は過去問解説にチャレンジします。慶應義塾大学商学部の数学です。問題本体は載せませんので、ご自分で用意してください。

なるべく「与えられた問題文をどう読むか、読んで何を考えるか」と言う点を重点的に解説していきたいと思います。あと、「いかに簡単に、楽して解くか」も重視します。数式を試行錯誤してぐちゃぐちゃやって解けた、と言う話はあまり参考にならないと思いますし。載せているのは考え方だけです。私が普段やっている指導では、これを小出しにしながら誘導していくスタイルを取っています。

多分、クソ真面目に全部やりがちで遅くて間に合わねえ!もっと時間かけたい問題に時間かけられねえじゃねえか!という人にはうってつけの解説かと思います。

大問2:状況把握

難関大学で出てくる確率の問題では「状態遷移」を考えるとうまくいくことが多いです。この問題でも、2つの動点の「距離」だけに注目すると、何が起これば目標の現象に到達するのかが見やすくなります。

動点は必ず動くので、2つの動点の距離は「2つ分縮む」「変わらない」「2つ分離れる」の3種類の遷移のみをします。そして、一度「一致」してしまった動点はその後離れることはありません

そして、3つの動点はお互いに「偶数個分」の距離しか離れていませんし、最大でも4個分しか離れません。

問題文では角度π/4で示されていますが、面倒なので「○個」で表現します。

なので、距離は4、2、ゼロの3通りで、コインの裏表によりこの状態を移動したりしなかったりします。この状態遷移を図示するとこうなります。

スライド31


2つの動点に関係するコインだけが、移動に関わってくるので、それ以外のコインは何が出ようが関係ありません。で、移動に関わるコインは動点の位置で決まるので、場合の数などを考える上で、どのコインの裏表を吟味する必要があるか、考察しなくて良いです。

なので、移動に関わってくるのは、2枚のコイン、その2つの裏表だけを考えれば良いのです。

2つの動点の動きを示すコインが、「両方表」や「両方裏」なら同じ方向に移動するので、距離は「変わらない」です。

距離4or距離2で距離が変わらない:両方表or両方裏、1/2

距離4→距離2の移動:表裏が異なれば移動するので、1/2

距離2→距離4の移動:裏表が異なるうちのどちらか一方なので、1/4

距離2→距離ゼロの移動:表裏が異なるうちのどちらか一方なので、1/4

以上を図に書き込むとこうなります。

スライド31

はい、ここまで状況把握が終われば、あとは計算するだけになります。

大問2:(ⅰ)試行Tを2回行う

AとBが一致:

AとBは初期状態で距離2なので、
1回目で一致:1/4
2回目で一致:距離2→距離2→距離ゼロの移動なので、(1/2)*(1/4) =1/8
2つの確率は同時に起こらないので、これを足して3/8

AとCが一致:

AとCは初期状態で距離4なので、
1回目で一致:ありえない
2回目で一致:距離4→距離2→距離ゼロの移動なので、(1/2)*(1/4)=1/8
よって、1/8

AとBとCが一致:

AとCが距離4→距離2→距離ゼロと詰めていく間に必ずBはAまたはCのどちらかと一致する。1回目だけは動点が3つあるので状態遷移ではなく、それぞれの動点がどのように移動するかが、制限が強いので直接考える。

BがAと一致する場合、BがCと一致する場合、
どちらでも2回目は、動点が2つしかないので、距離2→距離ゼロで1/4。
BがAと一致する場合の1回目:A左、B右、C右、なので1/8
BがCと一致する場合の1回目:A左、B左、C右、なので1/8
よって、(1/8 + 1/8)*1/4 = 1/16

大問2:(ⅱ)試行Tを2回行う+条件付き確率

AとBの座標が一致している、という条件でのCの座標がAとBの座標と一致している確率。(ⅰ)からスルッと導ける。

分母:3/8(AとBが一致)
分子:1/16(AとBとCが一致)
なので、1/6

大問2:(ⅲ)試行Tを4回行う

AとCが一致している:("距離"記載は省略)

2回目で初めて一致

→2→ゼロ:1/8

3回目で初めて一致

→4→2→ゼロ:1/16
→2→2→ゼロ:1/16

4回目で初めて一致

→2→2→2→ゼロ:1/32
→2→4→2→ゼロ:1/64 ←これ忘れがち
→4→2→2→ゼロ:1/32
→4→4→2→ゼロ:1/32

以上を足して、(8+8+7)/64 = 23/64

大問2:(ⅳ)試行Tを5回行う

5回目で初めて一致する場合だけ考えて(ⅲ)の答えに足せば良い。

→4→…1回目で距離が変わらない場合は、
残り4回で初めて一致すれば良いので、(1/2)*(7/64)
→2→4→…残り3回で初めて一致、(1/8)*(1/8)=1/64
→2→2→4→…残り2回で初めて一致、(1/16)*(1/8)
→2→2→2→2→0 1/64

以上より、5回目で初めて一致する確率は、(7+2+1+2)/128 = 6/64
ちなみにどうせ足すとわかっているんだから分母は64で止めとくと無駄な計算せずに済見ます。

足して、29/64

本日は以上です。

難関大志望者の中で勝ち残る学習法を公式ウェブサイトで公開中!
LINEやSkypeによる無料相談も受付中!


サポートをいただいたら、大学受験用の参考書・問題集の購入に使います。解説してほしい問題などありましたらリクエストしてください。