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10月のエンタメ月報

先日我が県の映画館で「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」を見て色々考えていたら文字数がエライことになったため、今月のエンタメ摂取コーナーだけ別にしました


GUCCI COSMOS(京都市京セラ美術館)

展示物の写真、
写真(↑下段の真ん中)一枚しか撮れてないや…

Xで気づいたのですが、展示物の写真オッケーだったんですね?(ちゃんと案内を見ておけという話)。入り口以外の写真撮ってた人いなかったんですよ…。でもその分目の前のスペクタクルに没頭できた気がします。
本当に「スペクタクル」という言葉がピッタリで、会場に入って初っぱなから驚きとワクワクでした。自分で歩いて会場をまわるのですが、何か遊園地のアトラクションに乗ってる感じなんです!
展示物の数々も圧巻、展示の仕方がセレブの巨大クローゼット部屋を歩きながら覗いているような感じで、引き出しを開けるとアートの様なスカーフがこんにちは👋
バンブーバッグのコーナーも美しかったです。伝統工芸とバンブーバッグのコラボも素敵。使い勝手重視派ですが、正統派ブランド×伝統工芸って個人的なツボです。
それにしてもトムフォード→フリーダ・ジャンニーニ→お馴染みミケーレの流れ、激動ですね🌊最終的にはマネキンやアイテムを見て「これはトムフォード🌹」「このカオスはミケーレ😼」的な感じで体感7割位当てられる様になりました(サバスさんは難しい)。

LOVEファッション―私を着がえるとき(京都国立近代美術館)

京セラ美術館の向かいにあるので
遠征民でも展示会のハシゴができて有難い

GUCCI COSMOSのついでにでしたが、想像以上に沢山の数と多様な展示物で見応えがハンパなかったです。 写真も一部を除いて撮り放題。

(左上)LOEWEのサイトで「おお~」となっていた
ローズ・ヒールを生で見られて感激🌹
(左下)これ油絵だそうです。メッセージ性が強い
(右)マメクロゴウチの繊細で可愛いドレス

↑写真右下の油絵は松川朋奈さんという方の「それでも私が母親であることに変わりない」という作品。ロココ時代からの歴史あるドレスからギャルソンなどのモード服などの展示物の中で異彩を放っていて凄く惹き付けられました。おそらくアラサー~アラフォー位の普通の女性が登場する作品の数々。単なるオシャレっぽい現代女性の絵というわけではなく、自分の中のモヤモヤに寄り添ってくれそうな感じというか。

同世代の女性にインタビューを重ね作品を制作されるそうで、リアリティはそこから来ているのかな。今後彼女の個展があったら是非行きたいです。

後はコム・デ・ギャルソンの展示も見応えがありました。私はモード服への理解や興味が薄いのですが、女性の解放をテーマにヴァージニア・ウルフの「オーランドー」をモチーフ?にしたマネキンは見ていてゾクゾクしました。オーランドーの原作は未読ですが読んでみたいです。

↓特別展に合わせた常設展示室の展示も面白かったです。雑誌「流行通信」の連載で好きだった都築響一「着倒れ方丈記」が「このブランド狂いの人、雑誌で見た~」という懐かしさがこみあげてきました。
当時のファッションフリークは、実家が太い人以外は朝昼晩菓子パンで命をかけてブランド買う💪みたいな感じの人が多かったと思うのですが(20代は関西に住んでいたのですが、当時私の周りの服好きさんは皆そうでした。私もファッショニスタには程遠いものの、ほしい服を買うためにチョコチップスティックパン(当時100円位)とかローズネットクッキー(こちらも100円位)とかで凌いでおりました💦)、今は数を減らしてインテリアや旅行、カフェなどの衣服以外の「住」「食」にも満遍なくおしゃれなのが良しとされている流れな気がします。
そういう私も自分の健康面や内面の変化もあって(どちらかと言えば)バランスの取れた後者側になりたいのですが、衣服全振りのパワーも凄いな、尊いなと思います。

(左上)アナスイ、(左下)コム・デ・ギャルソン
(右上)ヘルムートラング、(右下)エルメス
可愛い顔して鬼カロリー
(昔大変お世話になりました🙇)

GUCCI展のついでに位の軽い気持ちで立ち寄ったのですが、恐るべし京都国立近代美術館。めちゃくちゃ見応えがありました。

生誕100年記念 人間国宝 志村ふくみ展 色と言葉のつむぎおり(滋賀県立美術館)

自然たくさんの中にあって
浄化される様な素敵な場所でした

紬織の人間国宝である染織家、志村ふくみさんの生誕100年を記念して、故郷滋賀で開催中の展示会。
地元の図書館で作品集を見てからずっと志村さんの作品を生で見てみたいと思っていました。
私が思う志村さんの作品の魅力は、琵琶湖のある滋賀出身ならではの湖やそこに零れる太陽や月などの美しい自然の情景をイメージした、他にはない壮大で素朴な美しい色づかいです。
たくさんの作品を前に自然の美しい景色を眺めている様な気持ちになりました。

光線に見えるのは、紬の糸です
私が一番好きな紬織着物「光の湖」

映画「ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー」

レトロで手作り感のある古きよき映画館

マルジェラにもガリアーノさんにも明るくない私、「せっかく地元に来たんだから見ようかな」的な軽い気持ちで見たらズッシリきました。
ジョンガリアーノがファッション界でどんどん成功していく流れを、目が眩むようなゴージャス且つ非常にアヴァンギャルドでかぶいたコレクションにのせて回転寿司の様にこちらに迫ってくる前半(でもこの頃からオーバーワークやプレッシャーの凄さが分かる)。
後半は2011年に彼がやらかした人種差別的な発言による転落とそこからの再生の話になる。
原題の「HIGH&LOW」の通りのガリアーノの人生。発言を受けた被害者の方の「許せない、まだ傷ついている(要約)」という言葉があるのが良かった。言われた方からしたら相手が天才とか関係ないもんね。
昨今キャンセルカルチャーが身近&行き過ぎたものは問題になっていて、私の好きな界隈も昨年ある事件が発生してから問題視されています(某劇団です)。差別発言は受けた側からは決して許される話ではありませんが、それでも命はあり、ガリアーノ自身も自らの過ちと無知を認め真摯に向き合っている。こちらは命が失われているにも関わらず、正直令和の対応とは言い難い…(個人的雑感)。
ガリアーノは自分が間違っていたという声明を出してリハビリ施設に通い、贖罪を通してカムバックしましたが、自分が好きな界隈も上層部ではなく「当事者が(いじめやパワハラにはグラデーションがあるので、どこまでかが難しいのですが)」直接その事に触れて正していく姿勢を見せた方が長い目で見て、被害者も加害に関わったとされている当事者達の人生にとっても良かったと思うのですが。
映画に出ていた差別された側の民族の有識者が「ガリアーノは悪気はない、無知であまり深く考えなかったのだ」と言い、ガリアーノはそこから真摯に学び直したのですが、「なかったことにしない」「当事者意識を持って是正する」姿勢を消費者側に見せる事は被害者の方だけでなく関係者を守る意味でも大事だと思うんですよね。

ガリアーノに話を戻すと、彼が壊れた大きな原因は異常なハードワークによるプレッシャーだったと思うのですが、その後ファッション業界のそれは是正されたのかが調べ方が悪いのか分からなかったので気になるところです。
でもガリアーノは天才的なエンターテイナーだなと思いました。シネマインフェルノも見たかったです。

ポッドキャスト「Y2K新書」

小説家の柚木麻子(1981年生まれ)、振付師の竹中夏海(1984年生まれ)、DIVAのゆっきゅん(イマジナリー1989年生まれ[リアルは1995年生まれ])。「Y2K(2000年代)のカルチャーが大好き」という一点で繋がった3人が、みなさんの想像を超えるドライヴ感でY2K愛を語ります。

「Y2K新書」とは

好きな作家の柚木麻子さん。以前はTwitterもフォローし、「タイムライン見すぎてツイ廃になるからフォローは5人まで」と仰る柚木さんに倣って私も以前はフォローを5人にしていた位Twitterのファンでもあったのですが、柚木さんの推しである某俳優さんの不祥事をきっかけにTwitterを止められてしまい、とても寂しかったのですが、Spotifyの中で偶然こんな神番組を見つけてしまった…!
私は柚木さんと竹中さんの丁度間の年齢なので、まさにY2Kは青春真っ盛りでしたよ🌺
3人の語りが面白すぎて爆笑。昨年10回だけの期間限定の番組だった様ですが、不定期でいいから続けてほしい~😭

【悲報】近隣の県で柚木麻子さんの講演会が知らないうちに終わっていた

「Y2K新書」で柚木さんのトークに夢中になり、ぜひ生で講演会を見たい!と早速調べたところ、何とつい最近同じ北陸圏内の富山県で柚木麻子さんの講演&サイン会があったとな。
うわ~ん😭一生の不覚だ…
林真理子さんの講演会に行く事が叶った今、私の次なる願いの一つに「生・柚木麻子さんの講演会に行く」が加わりました。
(XやオフィシャルHPがなく不定期のインスタだけが供給源なのでなかなか最新の柚木さんを追えないのですが💦)

チープ・シック (カテリーナ・ミリネア+キャロル・トロイ、片岡義男訳)

おさるのジョージ並みに黄色い表紙が印象的

最近地元でとても良いカフェを見つけまして、そこの本棚で見つけて読んだらとても面白かった為、後から中古で購入しました。本自体は有名で昔からトラッド系の雑誌で良く名前を見た記憶があります。
チープシックと言っても高見えとか節約とかではなくて、クラシックな本物を見る目を持って自分のスタイルを作るという、自問自答にも通じるファッション哲学です。初版が1977年なので多少の古さは感じますが「まずは自分の体(健康)」とか「靴に一番お金を使う」など変わらない基本がおさえられていて、インタビューに答える人のファッションも皆カッコいいです。
「くだらない服をごちゃごちゃと持つのをやめにすると、生き方まですっきりとしてきます」が沁みました。

向田邦子さんのお洒落本

クラシックでお洒落

彼女の本は「父の詫び状」しか読んだことがなく、女優さんの様なおしゃれ美人というイメージが強いです。
色やシルエットに強い拘りがあってセンスが良い。当然ながら靴も良いものを履かれていました。クラシックで質が良いけれど、小説を書いたりロケ現場に行ったり旅をしたりする為機能性も重視されていて、ラフにならずに動きやすいおしゃれなファッションは今見ても素敵だなと思います。ワンピースやコート普通に売ってたら欲しいくらいのセンスです。
これも上記の「チープ・シック」を読んだカフェの本棚で見つけて良かったので後から中古本を探しました。この地方でナイスセンスなカフェだ(居心地も良い)。

最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法 (鈴木拓)

体重が過去最高を記録&8月に受けた健康診断の血液検査で異常値も記録&体重が家族にバレるのトリプルコンボで始めた30日ダイエット。
「原始時代の生活に近づけて現代病を改善する」がざっくりとしたテーマで
◎パレオダイエット(野菜や魚中心)
◎自然に触れる機会を増やす
◎人と触れ合う機会も増やす
◎良く歩く
これを出来る範囲で心がけます。本の様にストイックには全然出来ていませんが、無理のない範囲で。丁度無職のため始めやすかったです。
今のところ1ヶ月でマイナス1.5kg。体重はまだまだですが、体の調子が良いのでこのまま続けたいと思います。

エンタメ総括

◎10月半ばから子供が風邪をひきだすので(第三週目は丸々看病でした)、絶対外せないところは前半に。


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花筏(はないかだ)
読んでくださるだけでありがたいので、結構でございます…!