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日本商業教育学会九州部会
2025年1月11日、熊本学園大学で開催された「日本商業教育学会九州部会研究会」にて、初めての県外学会発表を行う機会をいただきました。大学教員や高校教員の先生方約40名にご参加いただき、貴重なご意見とご助言を賜ることができました。
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表題
「高等学校等就学支援金に関する一考察 ―地域インパクトを基にした制度の評価と課題―」
研究内容のポイント
高等学校等就学支援金(以下「就学支援金」)の施行後、各都道府県での影響を調査したところ、興味深い発見がありました。
(1)私立高校の進学率が大きく増加した地域
(2)公立・私立の在籍割合にほとんど変化がない地域
この2つの地域グループを比較分析することで、教育資源の配分に特徴的な違いが見られました。
就学支援金は教育機会の均等を目的としていますが、地域によって効果に大きな差が生じており、教育の質(効率性)への影響も都道府県ごとに異なることが示唆されています。
今後の研究課題
現在、高校進学率は98.8%(2020年時点:通信制含む)に達し、高校教育は事実上の義務教育化しています。高校無償化は社会的に支持されている政策ですが、単に「教育機会の均等」を追求するだけでなく、「教育の質」とのバランスを考慮することが重要です。
今後も引き続き、就学支援金が教育現場に与える影響の構造を解明し、より適切な高校教育への財政支出のあり方を研究していきたいと考えています
今回の発表を通じて、多くの先生方からフィードバックをいただけたことは、今後の研究にとって大きな励みとなりました。
注:本研究は継続中であり、より詳細な分析と考察を重ねていく予定です。