温泉押しの旅館
秋も深まった11月の3連休、
そろそろ山間の紅葉は終わりを告げ冬支度の頃、前日雪を頂いていた谷川岳は翌日の暖かさで、ラウンジから望む雪はすっかり融けていました。
この谷川連峰の懐にいだかれた温泉が今回の宿泊地です。
温泉の質、量、手入れ、鮮度、どれをとっても一流の温泉、そんな温泉を楽しみに期待も膨らみます。
1.アクセス
水上ICや水上駅からのアクセスもよく、水上駅からは送迎バスもあるようです。前日に赤谷湖近くでキャンプをしたので、県道270から水上に入りました。谷川温泉は谷川本谷に沿って遡った道の終点にあります。
子供の頃から、行き止まりの道というのにすごく興味があって、この先にはきっと人じゃない物たちの世界なんじゃないかと想像したものですが、こちらからは中ゴー尾根という険しい登山道があって本峰に登りつめます。
2.部屋
車で玄関前まで到着すると、スタッフさんがさっとやってきて、後はスタッフさんにお任せで車をお願いします。
ラウンジに案内されると、そちらはすばらしい谷川岳の展望が開けて、ちょっとデコラティブなしつらえにも負けていません。
混みあうこともなくお茶を頂きながら説明を受けてお部屋に案内されます。
全部で19室だったかな、その位の規模のお宿が混みあわず丁度いいですね。
部屋は3階で、4階のフロントからエレベーターで下りました。
3階は大浴場のある階なので、移動も少なくラッキーです。
部屋は8畳間と3畳のこたつのある広縁で、この堀こたつが何とも寛げます。
通路部分などは若干古さを感じますが、部屋は掃除も行き届いていて清潔です。窓も汚れもなく谷川岳も望めます。
アメニティもそろっており、トイレも広め。
湯沸しポットと冷水のポット、日本茶のセットがあります。
日本茶はティーパックではないのでおいしかった。
3.温泉
まず、こちらの温泉は3本の自家源泉をブレンドして、温泉の温度を適温にして使用しています。
季節、天気に合わせての細かい調整がされているようで、加温、加水なく源泉をもれなく最上の状態で使うことができます。
温泉は毎日湯船から抜かれて、清掃されるようで、かけ流しでこの作業はすばらしいです。
泉質はアルカリ性単純泉で、癖もなく飲泉ができます。
際立った特徴はないかわりに、お湯が肌にようく馴染んで、いつまでも飽きないお湯です。
女湯は、古代檜と岩風呂の内湯と岩風呂の露天が2つあります。
ほぼ独り占めな感じで、体を洗ってまずは古代檜風呂から。
湯温は適温で41℃あたりでしょうか。
私はこの木のお風呂が大好きで、木を通してお湯が更に柔らかくなるように感じます。実際木肌が体に触れた感触もいいですし、お湯を表面張力一杯にためて、淵から溢れ出る様もとても優美です。
露天風呂は、2つありました
狭めですが、上段は谷川岳や谷川本谷の風景が見渡せて気持ちがいいです。
下段は竹垣で覆われて展望はないですが、打たせ湯があって、これがまた気持ちがいいんです。
露天風呂の方は下段の方が若干ぬるめでした。
そして、この岩風呂はこちらの旅館の売りの様で、じっくり風景を楽しみながら座れる椅子になっているんです。
角度といい深さといいよく考えられています。
さてこの4つの湯船を無限ループで回ってます。ああ、気持ちいい。。。
相方も6回も入ってました。
4.夕食
温泉もですが、食事も旅館での最大の楽しみですね。
食事処は椅子席の葉月亭と座敷の四季亭に分かれていて、私たちは葉月亭に通されます。隣の席とは衝立で仕切られていました。
お品書きがあったのですが、置いてきてしまって思い出しながらですが、
前菜は5種、季節の彩が食欲をそそります。
梅酒の食前酒がありました。
海のもの(マグロと鰆の炙りのようにも見えますがどうだったかな)のお造り
山の物のお造りはサーモン
お酒は水芭蕉の純米吟醸のスパークリング
ほのかに甘さも感じて、ぐいぐいいけちゃう。こちらでは1合瓶から日本酒を頼めます。
相方はプレモルの生ビールを。
鮎の塩焼きをさらに蒸し焼きで頂きます。う~ん、焼きたてをバリバリかじる方が私は好きかな。
鴨肉とカブの茶わん蒸し風、おいしい。
白身魚に里芋のすり流し、美味。
2本目は谷川岳の純米大吟醸です。しっかりとしてさわやかという感じ
牛肉のトマト鍋です、味噌仕立てに生トマトの風味が効いてます。
ここでまた鰹のたたきを木の芽?の酢味噌で頂きます、美味
栗ご飯は塩味と、けんちん汁、漬物です。ご飯はテーブルで焚き上げるもので、丁度いい焚き上がりです。時々焚きすぎな所のもあるんですよね。
デザート
パンナコッタかなベリー系のソース付き、さっぱりしてました。
品数は多めでかなりお腹いっぱいです。味にメリハリがあってどれも美味しくいただきました。
5.朝食
朝からかなりボリューミーです。
有名なお肉屋さんのウインナーとハムらしい、おいしかった。
右下のお豆腐が丁度いいかたさで、鮭の塩分もほどよく、卵焼きもおいしい。それと手作りのサウザンアイランドドレッシング がとてもよかった。
食事後、ラウンジで引き立てのコーヒーを頂きます。
朝方、谷川岳の方角には虹が出ていて(トップ画像)それは、食事中もずっと長い間、弧を描いていました。コーヒータイムでそろそろ消え入る所です。
6.まとめ
谷川本谷を望む好立地にあり、部屋から、大浴場から、食事処からと、どこにいても、雄大な展望が望めるということ。
これは、どこの旅館でもかなえられることではなく、この大自然の中の立地である、ということだけで大きくポイントをのばしている要素です。
自然の中にあれば、虫を始めいろいろと侵入者もあるのでしょうが、
それは季節を選べば、かなりの確率で阻止することはできます。
実際、この季節に虫に悩まされることはありませんでした。
次に自家源泉である、ということも大きなポイントで、それだけでまじりっけなしな生まれたての温泉に出会えます。
温泉三昧な非日常を送るのに、こんなすてきな旅館はないなと感じます。
食事に関しては、季節の素材、手作りの料理であれば私は満足なので、
そんなに大きな希望はないのです。
各旅行サイトの口コミのおかげで、どちらの旅館も精一杯の気遣いで営業されていることはお気の毒でもあり、また、旅館内で気づかない気づきもあるわけで、堅苦しく気づまりでもあるでしょうが、できる範囲で頑張って行って欲しいなと思います。
*部屋:★★★★★ 清潔で展望抜群です
*温泉:★★★★★ 肌になじむ癒しな温泉です
*食事:★★★★★ 品数が多く目でも味でも楽しめます
*接客:★★★★★ 気遣いを感じます
*画像の一部は旅館のHPよりお借りしました。