奥岩手縦走、最後にご褒美として待っていたお宿
1日目、後ろ髪を引かれながらも後生掛温泉から、小雨の奥岩手縦走路をひたすら先へと歩を進める。
雨に震え、熊に震えこの日会ったのは2パーティだけ。。。
2日目はたった一人の避難小屋で漆黒の闇と一人ぼっちの寂しさに耐える。
けれど、不思議と怖さは感じない。怖さよりも山登りの疲れでいつとはなしに眠りについた。
3日目も雨だった。。。
三ツ石山荘で最後の決断を迫られる。岩手山に突っ込むか、明日大松倉山を経て犬倉山分岐より網張温泉に下るか。。。
地元の人が、大松倉山は吹きさらしで、明日は更に台風25号の余波による天候悪化が見込まれるので、今日中の下山を勧められる。この方は親切にも網張温泉まで下山口から送ってくれた。
こうしてなし崩し的に私の奥岩手縦走は終わった。
1日早かったけれど、網張温泉は空いていたので宿を取ることができた。
翌朝はご褒美の雲海と青空が部屋から望めた。
1.アクセス
通常はJR盛岡駅から無料の送迎バスが出ています。
乗車時間は約1時間なので、これは結構ありがたいですね。
2.部屋
森林側と展望側に客室は分かれていて、展望側の洋室の部屋が取れた。
秋田駒ヶ岳や早池峰の展望が開けるようでしたが、みごとな雲海が広がります。よほどの高山にでも出向かないと、ここまでの雲海は中々お目にかかることができないと思われ、3日間雨だったことのご褒美のようだった。
部屋もこざっぱりしていて気持ちがよかった。
3.風呂
泉質は単純温泉(硫化水素型)で、その歴史は古く飛鳥時代で、魑魅魍魎から網を張って結界のようなものを作ったとか、諸説あるようです。
源泉は犬倉山の爆裂火口跡で、高温の為沢水と混ぜて引湯管で引いてきているそうです。
硫化水素のイオン分解反応によって白濁するお湯や硫黄臭は、いかにも温泉に来たというパンチがあって、これはいつまでも匂いが取れなさそう。
硫黄泉は苦手な人もいるみたいですが、私はこの香りは嫌いじゃないな。
火山からの贈り物ですね。
縦走してきたお山からの贈り物と思えば、そのありがたさも、更に倍増です。残念ながら途中で下ってしまったけれど。。。
内湯は”白泉の湯”と露天もついている”大釈の湯”の2か所にあります。
男女別の大風呂が2か所あるというのはかなり太っ腹な方の温泉で、湯めぐりが趣味なら相当楽しみなはず。
もう一つは宿から徒歩で沢沿いの散歩道を7分程歩くと混浴露天風呂の”仙女の湯”があります。
早朝に散歩して撮影したものですが、あやしく青みの掛かったお湯は美しく湯加減もいいです。構造からいってもかけ流しの様です。
森と渓谷に守られた神秘の湯という風情ですが、ちょっと勇気がいります。
男女別の脱衣所があり、湯あみ着のレンタルもあるので、勇気を出して入ればよかったと後悔です。
4.夕食
私が行ったときはバイキングだけだったような気がするのですが、今は懐石料理かバイキングかはセレクトできるみたいです。
岩手の地の物を使った郷土料理や、40種類のバイキングは食材の良さがいきていて中々いいと思います。
5.朝食
そりゃ小岩井農場が近いですし、岩泉ヨーグルトとか、新鮮卵や新鮮野菜、館内のパン工房での出来立てパンなど、洋食はレベル高いです。
おかゆも種類があるみたいです。
6.まとめ
国民宿舎ですから料金は抑え目で、一人一部屋でも料金が割高にならないのはうれしいです。単独登山者には穴場だと思います。
以前はバスが網張温泉まできていたような気がするのですが、今は公共のバスは小岩井農場までみたいです。
アクセスは良いとは言えませんが、宿までは専用の無料バスがあるので、そちらを利用になります。
私は送迎バスで小岩井農場で降ろしてもらったのですが、そのあたりは宿に確認してみてください。
部屋:★★★★★ 清潔で展望抜群、コスパいいです
風呂:★★★★ 硫黄泉好きにはたまりません
食事:★★★★ 地産地消、朝食がよかった
接客:★★★★ 直前の変更にも対応していただきました