見出し画像

③勾留1日目 東京地方検察庁

11/4(金) 拘留1日目 検察調

目覚めた時に周りの景色で「あ、逮捕されて今留置場なんだ」の感覚が切ない。

夜、目が覚めても時計がないので外につながる窓の明暗で時間を推測するしかないのです。(わかりません。笑)

留置所は自殺防止の観点から、就寝時も全消灯はしません。
浅野の入っていた独居はトイレと入り口手前の明かりがまぶしい。
スウェット等を顔に被せていると、これまた自殺防止の観点から注意されて没収されるので人力で対応するしかない。
就寝中、腕でずっと目を覆っていたら重さで朝、首が痛くなった。切ない。
うまく適応していかないとな。

今日は検察調べ。
検察官が警察官からの訴状にもとづいて取り調べをし、勾留請求をするか判断する。今回、警察・検察からするとここから調べて起訴に至る証拠を探したり固めていきたい流れなので勾留請求される流れは不可避。

今日、釈放されることはまずあり得ないが、
今回の逮捕内容についてのこちらの主張も伝えて、捜査の主導権を大きく握る検事の意図や温度感を把握したい。そんなイメージでした。

朝の起床の点呼の後、洗面、朝食。8時前位には当日、検察、地裁に護送車で行く容疑者メンバー3人が集められ手錠と縄で固定される。

戸塚署は地検のある霞が関までそこそこ距離があるので途中複数の警察署を経由して、中継多く検察庁まで1時間位はかかります。

護送車内でひたすら同じルール説明を繰り返す担当さん達に無我の境地。
車内で足を組まない、話さない、他の人に迷惑をかけない。
迷惑かけると連帯責任で、護送を後回しにしますという内容。

護送車から地検に到着。
検察庁や裁判所、刑務所は警視庁管轄ではなく法務省管轄。
担当の刑務官も普段から容疑者ではなく罪の確定している受刑者を主に対応しているので、留置所の比ではなく厳しいです。

地検の待機は、留置所生活の中でもおそらく一番過酷です。
そのうちコラムでも書こうかな。

到着するとボディチェックをされて、大きなフロアの中に多数ある檻のような待機室にそれぞれ指示されて移動。
この日は6人x2の向かい合った腰掛ける幅のすごくすごく狭い硬い木のイスで待機。
6人全員座ると隣や前の人の足が当たるくらいの距離感。

容疑者みんなピリピリしてるし、狭いし、トイレも仕切りなく丸見えな構造。ここで検察調べ以外の全ての時間(7~9時間位)待機する。
トイレ大の時は片手錠。それ以外は常に手錠できつめに締められます。

容疑者によっては共犯もいるので「他の待機室は見るな」「下を見ろ」「ここは留置所と違い常備薬はなく基本的に医療は出来ない」等のアナウンス繰り返しをされる。

看守長的な人がひたすら怒鳴る。
大体、最初に見せしめの意図もあって何人か怒鳴られます。
重ねて他の看守が「注意することによって全員の帰る時間が遅れるので協力して下さい」的なバランスの取り方をする。
経験則でそうしているんだろうけど、連帯責任という考え方は儒教の価値観や文化圏では支配力が相当強いなって感じました。

午前中はただひたすら待機。

お昼も衝撃的でした。両手錠の状態でコッペパンとカフェオレが配られる。人間としての尊厳はゴリゴリ削られていきます。両手錠

外国人の容疑者も2割位いるのですが日本語わからない人もいます。
アナウンスは完全に日本語。英語で質問してもその内容を踏まえない形で返答が帰ってきます。

昼食時に部屋にいる容疑者全員に担当さんが「白湯(お水)いらない人?」って聞いて手を上げていている人以外にお水を配っていたのですが、隣で待機していた言葉の意味が理解できない外国人がお水を取ってしまい足りなくなってしまいました。それで担当さんがマジギレしてたのが理不尽すぎたけれど、きっとそれが日常。日本語でキレられるのでその外国人は目をパチパチしながら無言で聞いていたのが印象的でした。

検察調べで呼ばれる順番等は教えてもらえないので、ただひたすら待つ。

今回は昼過ぎに呼び出し。待ち時間で検事さんと話すシミュレーションはしっかりめに準備完了。

この日は取り調べというより、勾留請求の手続きがメインでそれ自体は覆せないので、検事が事件や浅野をどう捉えているのか把握することと、刑事調べの理不尽さを具体的に訴える予定でシュミレーション。

検事さんからは警察とほぼ同じ内容を説明される。
前回のスカウト会社摘発の後、担当のU検事の説明に基づいて廃業しているので法解釈が違うのであれば先に一度U検事とコンタクトを取ってもらって説明内容や録音記録を確認してほしい。

取り調べ中に警察が供述聴取に書いてほしいことを記載してくれない。
その上で聴取時に頼んでも録音をしてくれないし、恫喝されると伝える。
この時点では検事さんはそんなこと私に言われても知りませんくらいの薄い対応でした。

19時位に全ての容疑者の手続きが完了し逆走開始(留置所に戻る容疑者達を護送車で送る専門用語)。

9時間ぶっとおしで、両手錠、悪環境にひたすら待機。体の後ろ側がガチガチ。お尻は痛くなってくるレベル。護送車もトラクターに乗ってるくらいの直撃系の振動がお尻にガンガン来るので、通勤するのも修行です。

数日前から使われてるコードネーム戸塚6番にも慣れてきて、逆走点呼時の「第6系統(護送車の番号)、戸塚6番!」「ハイッ」みたいなのは一周まわって笑えてきた。

夜に弁護士接見。今回弁護をしてくれるグラディアトル法律事務所の弁護士先生3人のチームが面会に来てくれる。ありがたい。

そしたらまさかの、こういうの良くないと思うって事件があって。笑

面会中に留置の担当さんがやってきて、
いきなり6番釈放ですって言われる。

全員、唖然。

えっ、どういうことですか。
ちょっと意味が分からないですね。

しばし沈黙が続く。

若林先生「浅野さん、このまま高田馬場のキャバクラでもいきますか!笑」
(戸塚署は高田馬場が最寄りの繁華街)
このノリワロタ。スキ。笑

5分後に、6番本当に申し訳なかった人違いだったとか言われるのですが、これはマジで良くないドッキリだろって。やりすぎだよ。笑

普段なら切り替えるのに少し時間が必要なレベルのドッキリですが、接見時間は限られてるので、心を無にして、考えても仕方ないことは考えないって自分に言い聞かせてその場で切り替えました。

その後、
若林先生「悪いニュース聞きます?」からの
「今回の件、地上波のニュースになってしまいました。」と告知を受ける。

顔出しで実名報道されていることを知る。
パーカーかぶっておけばよかった。
それ聞いてもう名前変えよっかなと思った。(やり方わからないけど)

長く強烈な一日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?