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⑤拘留3~4日目 誕生日@留置所

11/6(日)拘留3日目
ここ二日間の地裁、地検の疲労がたまっていたのか睡眠薬のおかげでよく眠れ、朝、気付いたら起床の点呼。 こんな状況でよく寝れるなと自分に安心する。起きた瞬間、留置所のパターンにも慣れてきた。

留置所の深夜、早朝は寒いです。
ルールは受け入れるしかないがお風呂は基本5日に一度、悲しい事にかゆいし、くさい。逮捕当日が入浴の日だったので、次の入浴まで浅野は6日間お風呂に入れません。

お風呂にずっと入れないことは、人としての尊厳を奪われる気もするが学生の時に途上国でバックパッカーしてた時はもっと衛生的には過酷だったよなとか思い出して、自分の中のお風呂の感覚を留置所モードに適応させていく。

朝夜の洗面時に、髪を洗えず頭が痒いのでので洗面と見せかけておでこの上まで石鹸つけまくって広めに頭皮の前方まで洗う。普通に頭洗おうとした隣の人が担当さんに怒られていたので学習して適応。笑
(こんなテクニックネタでしかないけれど本人は必死です)

洗面っぽくやっている分には注意されない。洗面の時間も常識の範囲なら怒られることもないので、のんびり毎度二回は洗面と歯磨きするようにしてました。

この時点では自覚はなかったんだけど、留置所生活に適応することを自分の中でゲームに変換して楽しめるようになってきた。ふてぶてしいな。笑

逮捕されて48時間勾留後の地検、地裁での勾留請求手続きを除くと土・日・祝日は基本的に地検での取り調べはなく、警察の取り調べもないのでほぼ待機時間になります。

土・日・祝日は朝の運動の時間がなかったり、差し入れも受け取りはストップ、有料で追加購入できる自弁(有料のちょっと美味しいお弁当やジュース)もなし。

留置所においては、週末は取り調べも進まないし、少ない権利がさらに制約されるのであまりいいものではありません。


今日は日曜日で調べもおそらくないので読書。
2040年未来予測プレジデント、39才からのシン教養を読む。
ビジネス書の差し入れたくさんしてもらえて嬉しい。

不安になっているであろう職場の後輩たち向けに日報を書く。
仕事柄ヘビーな状況を受け入れることには慣れているし、前を向いて今やるべきことに取り組んでいるから君たちも頑張れよってメッセージになればいいなって意図。
いつ弁護士接見があってもいいように弁護士経由で伝えてもらう仕事の指示も先に時間を取ってしっかり考えて書き留めておく。

今の状況を呪うではなく、勉強することも含めてベストな時間の使い方をしたい。

めげてる時間は無駄。そこに生産性はない。
10代の頃から苦しい時に自分に言い聞かせているフレーズ(負けず嫌いだなぁ。笑)
心の中で何度もその言葉を反芻する。

意地でも今出来ることにベストを尽くす。
留置所モードに心が整ってきた。

昨日までの地検・地裁への護送や待機の過酷さを思えば今はとてもハッピー。読書とまとめに勤しむ。

この日ふと、留置所を出たら留置場生活のノートでも作ろうかなって思う。報道含めて事実と違うことは直接否定したいし、なにより自分の中の戦おうっていうエネルギーが高まっている。

11/7(月) 拘留4日目 誕生日

21時就寝、夜一度目覚める。午前3時、普段6時間通しで寝ることもないので、まだ寝れるんだと。もう一度寝て、 朝起きたら富士登山出来そうな位元気で笑えた。

いつ出れるか、起訴されたらどうなるか。
ふとした時に考えてしまう。

今日は警察の調べ。
今考えても仕方がないことは考えない。
時間もあったのでシュミレーションは充分。

不起訴で早く収束させるために供述調書をどう書いてもらうかに注力する。

実はこの日は浅野の誕生日。
39歳の誕生日を留置所で迎えることなので
誕生会してもらう予定だったのにな。申し訳ないとか思いつつ。

昔大学の友人がクリスマスもテレビみて寝てたら 普通の日と変わらんよと言ってたのを思い出して自分の中で普通の日としてスルーすることにする。

本を読むこと、知識を得ることが加速度的に楽しくなってきた。

この日は浅野的には待望の6日ぶりのお風呂。
20分の入浴時間は煽られることなく比較的のんびりと使わせてくれました。
ステンレスの4人入ればキツキツのお風呂、8人分位の洗い場があってコロナ禍だからかそれを広々と最大4人入れ替わりで使用する。
とにかく体を洗いたかったので、制限時間20分目一杯使って頭と体を2回ずつ洗い新しい服に着替えました。

差し入れしてもらったスウェットに着替えたのですがパンツのヒモ穴が縫って閉じられていて(自殺防止目的の留置所の差し入れルール)
その縫い方ががまたヘタクソで、気持ちこもってるなって笑っちゃいました。

差入れてくれた人達の気持ちに感謝。この恩はちゃんと返さないとなって。
(後日穴を縫ってくれたのは差し入れしてくれたドライバーさんの90歳のお母さんだったと知りました。ありがとうございます。泣)

さて、この日のメインの警察取り調べは前回の摘発されるまでの日本海プランニングの実態(浅野が運営していたスカウト会社)について。

今回の件の本筋ではないが、なにがなんでも浅野を現役のスカウト会社の経営者にするためにそういったイメージを文脈の調書を作りたいんだろうなと。このペースの取り調べだと勾留日数長くなりそうだなと覚悟を決める。

午前・午後5時間位かけて調書は完成せず。
しばらくは取り調べ担当の刑事に威圧したり、刑事主導で調書を作ると取り調べが成立しなくなる面倒な人だと思われたいので細かく指摘し続ける。

この日くらいから取り調べ担当の刑事さんが自分のスタイルではなく浅野に合わせて取り調べをしてくれるようになってきた。

真っ直ぐで気持ちのいい若手の刑事さん。
口癖は「普通は…」「普通」「普通はさ…」

前回勝手に調書の浅野の所属会社をH2O(デリヘル運営の会社)→日本海(以前のスカウト会社)に書き直していたから「不信がある」って途中強めに言ったら「ワザとじゃない」ってツラそうに返してくれたので、 「そんなフツウありますか?」と丁寧にエグり直しておきました。

刑事さんの仕事内容や立場もある程度は理解しているし、リスペクトは持っています。大人なのでごねることが目的ではないのです。

不起訴で早く出ることが目的なので、そのために必要な取り調べ環境を整える。

それ以降は、取り調べ中に調書も都度確認してくれるようになり、取り調べ環境は少し整いました。

午前の取り調べ終わりに担当の刑事さんに「これだけは言っておいたほうがいいかなって、お誕生日おめでとう」って言われて、殺意という感情を久しぶりに覚えました。でも、全く悪意のない表情だったんだよね。

その瞬間は、逮捕しておいて留置所でおめでとうってバカにしているのかなって思ったんだけど。居室に戻って、多分あの刑事さんは誕生日の友達全員におめでとうってLINEを送るタイプ(浅野の妄想ですが多分当り。笑)で悪意は一切ないんだろうなって、素直に受け止めることにしました。


この日に年齢も誕生日も全く同じの友人の編集者から本の差入れがあったと聞いて誕生日に浅野なんかのためにーってすごく嬉しくなりました。 本の差し入れは平日3冊ずつしか受け取れないので未消化が溜まっていて中身はまだわからないけどすごく楽しみ。

逮捕されたことを周りに自分からは伝えてないし、弁護士以外の接見禁止がついている中で、おそらくニュースで知ったであろう友人の気遣いに救われました。

ハッピーバースデイ!

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