見出し画像

②48時間勾留後編

遅ればせながら明けましておめでとうございます。
浅野は、年末コロナ感染してしまい一人寂しい年末年始を過ごしました。
ここまでくると2023年はきっといいこと沢山あるよねって、そう確信しています。笑

少し時間が空いて気付きましたが、留置所日記書くのはエネルギーが必要で。でも、あの時の気持ちは大切にしたほうがいいんだろうな。
マイペースに連載続けていくので今年もよろしくお願いします。

3年前の運営していたスカウト会社の摘発

さて、留置所に戻りましょう。
前回の投稿で少し触れた、3年前に一度浅野が運営していたスカウト会社が摘発された話が取り調べ内容に関わってくるので少し説明させていただきます。

浅野は10年前にデリヘルの代表になる前はスカウトの会社の運営がメインの仕事でした。元々は大学生の時に雇われでスカウトを始めて、雇われ代表になり、独立した流れです。その後、直接女の子をスカウトしてお店に紹介する形は法的なリスクが高いと判断して、それまで摘発例のなかったお店と契約をしてスカウトマンから依頼があれば面接の予約と報酬の集金をする仲介業務を主に運営していました。

デリヘルの運営を始めてからは部下に業務を引き継いで任せる形を取っていたのですが、グレーなことはやっちゃダメですね。3年前に全国初の仲介会社の職業安定法違反で摘発を受けました。その際、会社への罰金や部下の逮捕という処罰を受けて廃業しました。

浅野も複数回、警察と検察の聴取を受けました。
担当のU検事にスカウト会社を廃業するにあたって、今までのクライアントとのトラブルを避けるため集金と仲介業務を引き継ぐ必要がある。その際、職業安定法違反等の違法行為を避けたいのだがどういったことが違法行為になるのか、法解釈を教えてくださいと質問しました。

U検事からは、女の子がお店に入店するにあたって、直接担当したスカウトマンはもちろん女の子の面接~入店にあたって女の子と面識がなくても面接の予約を取ったり、その仲介に関わった代理店は職業安定法違反になる。
金銭授受や引継ぎの際にお店と連絡を取ること自体は職業安定法違反にならないという旨の説明を受けました。この内容は浅野も部下も録音環境下でそう説明されました。

今回の逮捕で争点のひとつになったのが、業務を引き継いだ人が少し仕事のレスや対応が遅くクレームが入った為、お金の受け渡しを部下が引き継いだ人に頼まれた時に代行していたケースがあったこと。

ただこちらとしてはU検事にそう説明されていて、利益を得ているわけでもなく部下が右から左に渡しているからそれを違法行為と言われることは納得できないものでした。担当した検事さんに全国初の判例で、こういう法解釈になりますと説明されたらそりゃそう認識するよねと。今回担当された別の検事さんに録音やU検事の証言を確認してほしいと取り調べ中に伝えるも相当渋られました。

実はその件で、2022年の夏にその対応をしていた部下が逮捕されていて事情を説明して不起訴になったという流れがありました。これは結構ひどい話だなと浅野は感じていたのですが担当した検察官によって法解釈が違っていて、担当された検事は女の子の紹介や金銭授受も含めた全体のスキームに関わっていれば職業安定法違反になるという考え方の方でした。

言ってる意味は分かるけれど、全国初の判例でU検事に説明されたことを正しい事として認識するのは普通だと思うし、浅野や部下の録音確認とU検事にどう話したか確認してほしいと弁護士経由で意見書を出し続けたら、最終的に不起訴にするからその意見書は出さないでほしいというニュアンスの対応をされて、翌日部下は釈放になりました。

浅野の逮捕についての弁護士の意見書も、釈放された後に取り下げてほしいと連絡が来たので思うところはあったのですが取り下げました。

警察、検察は異常なまでに無謬性、自分達にミスがない形にこだわるんだなと感じました。

家族もいるのに部下は40日勾留されました。逮捕する前に前回の摘発について調べたり、担当だったU検事にも確認を取っていれば起訴することが難しい案件だって分かるのに風俗業界に所属していたり、元スカウトマン=悪 の決めつけがすごいなって。

きっと悪だから、とりあえず逮捕して叩けば起訴できるだろう。もし違っていたとしても、そこで生じた被害なんて知らない。あの人たちは悪だからどうでもいい。そう感じる扱いを受けました。

こういった絶望、虚無感は緊急事態宣言くらいからしみじみと痛感していました。

給付金についてコロナ禍の風俗店には休業しても給付金は払いません。
なぜならあなたたちは反社と繋がっている可能性がるからです。行政にはっきりとそう表明されました。

働く人が胸を張って働けるデリヘルを作りたい。
そんな気持ちでお店を運営していたのですが、日本のスタンダードは露骨な職業差別。そんなこと言うなら、せめて本当に繋がっているか調査しようよって心の底から思い。そして正直とても傷つきました。

税金も払っていて、国に届け出も出している。
でも、風俗店の運営をしているのであれば、一般の方にある権利の一部は与えません。調べはしないけど、あなたたちは悪だから。
自分の中での誇りや熱い気持ちが全否定されたように感じました。

そんな流れの中での今回の逮捕でした。

48時間勾留後編

11/3(木曜日)
前日もう頭が回らない位疲れていたので、朝から眠い。
今日は警察の取り調べがないと昨日言われたので丸一日、留置所で過ごすことが確定。

とにかくコンディションを整えたいので睡眠を取らないとなって。
無為な時間は過ごしたかったので留置所の貸本を読みながら寝る。
貸本は元勾留された人が置いていった本で、年季が入ってる渋い本が多い。謝罪の手紙の書き方とか、留置所っぽくて笑えました。

その日借りて
ビートタケシの「孤独・オンナ論」
フリーランスの仕事術的な本。
フリーランスの仕事を受ける基準は3つの内つは必要。(・お金・スキなことか?・成長できるか)すごく参考になった。

ふとした時に、逮捕されて娘の学校行事の音楽発表会に行けなくなったことなんかを考えて悲しくなる。ここから失うものが増えていくんだろうなと。

夜にまた弁護士接見、東京に事業独立したお店の元店長の田島さんが来てくれてお店に入ってくれていることを知る。衣服や本の差入れもたくさん。
自分のお店もあるだろうに緊急時にすぐに動いてくれたことが、すごく嬉しかった。

スカウトの職業安定法違反は当たり前のように40日位は勾留されるイメージです。最低20日、再逮捕で40日位は覚悟が必要。明日は新検(※通称 逮捕後初めての検事調べ)検事が捜査の指揮官なので、意図を聞いたり、自分の主張をしっかり伝えないといけない大事な日。

きっとこの逮捕で失うものは大きいだろうなと、失う覚悟を決める。
この日は睡眠薬を飲んで深い眠りにつきました。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?