「移りゆくファッション」「移り行かないファッション」VOL.3
*「変わりゆく美」 と 「変わり行かない価値」
長くなってしまいましたが、前回からの続きです。
お付き合い有難うございます。
近年の消費傾向の変化から見てとれる
モノ作り人が意識するべき方向のお話です。
VOL.2 / VOL.3 と続いてしまったので
ここまでのお話を簡単に復習しますね。
世界が巻き込まれたCORONAの影響で
約3年ほど不安定な環境にあったマーケットの深層マインドの変化。
人々の心持ちは
「不安定な中で求める、安心、安全、安定」に移行し
消費マインドは
「生活を守りながら楽しむ、知恵の消費」を受け入れました。
具体的な消費の傾向変化
・必要 > 素敵 = 購入
・必要 < 素敵 = 我慢
・必要 + 素敵 = 購入
・必要でない + 素敵でない = 淘汰
↓
・「質より量」から「量より質」を意識
・「経年変化」を理解し「経年劣化」を嫌う
・「1シーズン」を好まず「ずっと」を好む
・「ファスト」から「スロウ」への趣向変化
このようなマーケット変遷は「無意識」に行われ
とても自然な流れで時代にチューニングした結果と言えるでしょう。
マーケットという生き物の生命力とも言えますね。
この流れの中で浮上してきたものが
「世界のスタンダード」なアイテムが見直されてきたという事でしょう。
*世界のスタンダードアイテム。。。
変わらぬ良さを提供し続けているブランド
同じモノを作り続けているブランドのアイコン的商品が
あらためて見直されている時代です。
同じものを作り続けることができる強みとも言えます。
実はこの傾向はコロナ以前から少しずつ始まりだし、
コロナ禍で顕在化したとも言えます。
彼らの商品は時代の進化とともに、
少しずつ確実に進化しているのです。
Saint james : 仏国
ボーダーTシャツ/ボーダーニット/ Pコート
Petit bateau : 仏国
Tシャツ
agnis.b : 仏国
スナップカーデガン
Burberry : 英国
トレンチコート
Barbour : 英国
オイルドジャケット
John smedley : 英国
ニット
Inver Allan : スコットランド
アランニット
Sierra Designes : 米国
マウンテンパーカー
adidas : 米国
スタンスミス:スニーカー
superga : 伊国
キャンバススニーカー
spring court : 仏国
キャンバススニーカー
crown : 英国
バレーシューズスニーカー
上記例はほんの一部であり
伝統的なスタンダードアイテムは世界にはたくさんありますね。
現在のもの作りの大切なヒントになると思われます。
「変わりゆく美の追求」と「変わり行かない価値の追求」
その両方が必要です。
むしろ、変わらぬ価値の追求が急務と感じます。
*あのブランドに行けば「あれ」がある
「あれ」の追求です。
ブランドの顔です。
ブランドの信頼です。
ブランドの自信です。
エルメスには変わらぬ「スカーフ」があります。
ヴイトンには「モノグラムシリーズ」があります。
いつショップに行っても必ずあるのです。
移りゆくファッションの美という新鮮さと
移り行かないファッションの価値を合わせ持つブランドの
業績は
揺らいでいませんね。
「あれ」を磨く時代です。