KLのディープスポットへ
前回:https://note.com/zeikin3/n/n7d0034f68544
※※※※今回は文字だけです※※※※
英語が話せないけどなんか出会いが欲しい、とマッチングアプリに手を出したわたあめ。
すると数十人(!)とマッチングしてしまう奇跡が起きてしまった。
帰国までにマッチングした人物のおおよその内訳はこうだ。
マレー系…5%
中国系…50%
タイ系…20%
シンガポール系…5%
出会い系勧誘業者…15%
オカマ…5%
中国人が圧倒的に多い。特にTANTANというアプリではほぼ中国人としかマッチングしなかった。
大量のマッチングにテンション爆上げしながら一人ずつチェックしていく。
そこである感想を抱いた。
中国人、みんな同じ顔してる…。
みんなアプリで同じ方向性の加工してるので、同じ顔に見える。
中華ソシャゲの美女キャラみたいな顔。
実際に会ったらどんな感じなんだろう。
とりあえずメッセージ送ってみると「英語わからんのや、すまんな」と返ってくることが多かった。また大半のチャイナガールは中国人男性を期待してたようで、日本人アピールするとすぐメッセージが途絶えてしまった。
しかしなぜこんなに中国人が多いのか。
「わたあめは中国人にモテるタイプなんだろうな!」と一瞬錯覚したが、単純に中国人の母数が多いだけだろう。
話してみたところ、中国系マレー人よりも中国から労働に来た人が圧倒的に多い。
英語わかんねーのによく働きに来れるなと思ったもんだが、駐在中国人が多すぎて英語がなくともやっていける環境が出来上がってるんだろうか。
翻訳アプリを使い中国語でメッセージのやり取りして数時間、だんだん中国語が理解できるようになってきた。発音は知らんけど、相手の言いたいことが翻訳アプリなしでも読み取れるようになった。
「日本も漢字使ってるんだし中国語わからなくても字面で結構理解できるもんじゃね?」と思われるかもしれないが、実際に本場の中国語と対面してみるとほぼ読めないものだ。
たとえば「看不懂」という言葉。
こちらが英語で「Nice to meet you」と送った際に返された言葉なのだが
何を意味してるか考えてみてほしい。
正解は「なにいってんのかわからん」である。
「これしきの英語すらわからんのかよ」と「中国語想像以上にわかんねえ」の二つの思いがわきあがってくる。
このように中国語は日本人が直感で理解できるものではないのだ。
これからチャイナガールとお茶するイベントが発生したりすんのかなぁ、などと妄想していると、ある1人から
「今夜空いてるけどあんたは?」
と、お誘いが来た。
「マジで?いやまさかそんな、絶対なんかあるよこれ。犯罪に巻き込まれるかもしんねーぞ、やめとけ」
と制止する我が心の声と、
「相手は単純に暇な奴なんだろ。わたあめは知らんだろうけど、陽キャってのは下心とか無しに誰とでも飲みに行ったりするもんなのさ。お前も仲間入りしてこい」
と背中を押すもう一つの心の声がせめぎあいを始めた。
どう判断すればいいのだろうか。
わたあめはこのチャイナガールの誘いに乗った時の最悪の状況と最高の状況を想像してみた。
★最高の状況★
英語が苦手なチャイナガールをエスコートしカッコイイ男に見られる。そして朝帰り。
★最悪の状況★
気づけば数人の怖いあんちゃんに囲まれ、凶器で脅されながら有り金すべて奪われる。
そして裸でどっかに放置される。
わたあめのクレカは暗証番号ミスって金を引き出せなくなっている。
つまり最悪の状況に陥っても金銭的な損害を負うことはない。
裸で放置されてもそれは良い思い出になるだろう。
リスクは低いと思われる。これは夜のデートに繰り出すしかないだろう。
相手のプロフィールをもう一度チェックしてみた。
21歳。
写真は下手な加工がされているが、悪くなさそうだ。
日本のアニメが好きらしい。
名前はリンリン(うろ覚え)。
年齢的に留学生とかかな?
うーん、会わない選択肢はない。
19時に会おうと約束し、わたあめはシャワーを浴び股間を念入りに洗った。下心なんてないが、路上で急に求められる可能性が無いわけじゃないので、もしもの時に備えておく必要がある。
指定されたのはスリ・ペタリンというエリア。
マップによるとクアラルンプール最南部に位置するようだ。
なんだここは?怪しい…。
観光情報とか調べてて一度も見たことない地名だ。
観光客が近寄らないディープなエリア。不安半分、ワクワク半分。
ともかく、行ってみるしかない。