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ダブルワーク

 大崎は掃除をよくする。しかし、それは必ずしも彼がきれい好きというわけではない。掃除なんて、やらなくてよいのならばやらない方がいいのだ。ライターとしての彼の実力なら、その時間でビジネス誌のインタビュー記事くらいは書けるだろう。彼が掃除を進んでするのは、細かな血痕を拭い取るためである。

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