ビットコインが法定通貨として正式に可決。
2021年6月8日エルサルバドルの議会でビットコインを法定通貨とする法案が通りました。
以前の記事では中米エルサルバドル大統領がビットコインを法定通貨とする法案を議会に提出するという記事を書きましたが、とうとう正式に決定したとのことです。
世界初。–仮想通貨が国としての正式な通貨に。
国内での取引は、ビットコインで商品・サービスの支払いや納税など、ごく当たり前に経済活動ができるようになります。まぁ簡単に言ってしまうと、お客さんがビットコインで支払いたいと言ってきたら拒否してはダメ。その仕組みを準備しておいてね。という事。
引続きドルも使用していきますが、ドルとのビットコインの交換比率は金融市場で決まるという事です。
問題だった高い海外送金率
ビットコインを法定通貨としていこうと決める理由になったのは、国のGDPの20%が海外からの送金(出稼ぎ労働者からの国内への送金)という事実が大きいようで、10%くらい送金手数料を銀行に取られてしまっている現状を考えると送金が早くて、手数料が安く、しかも自国で普通に使えるお金という事で使わない手は無いでしょう。
しかし、どうしてもビットコインはドルに対して値動きが激しい(ボラティリティが大きい)という側面があります。送金はビットコインでした方が断然良いですが、ドル⇄ビットコインの変換は普通に仮想通貨トレードと同じように、ビットコインが下がったらドルから変換しておく。というように管理の仕方で個人資産が大きく変わってしまう問題があるように感じます。
コーヒーが安くなる?
輸出入に関しても他の取引国がビットコインで取引してくれると、ボラティリティの大きさを利用して輸出入も活性化しそうです。日本との貿易を見てみると、エルサルバドルから日本へはコーヒーや繊維が、日本からエルサルバドルへは、自転車や鉄鉱品のやり取りがあります。もし、日本の企業がビットコインを保有するようになり、ビットコインで取引を行うようになれば、コーヒーが安く入ってくるようになります。
やっぱり不安?
2年程前から、数カ所の村でビットコイン経済圏を作り、うまく動かし実績もあるので、国内に仕組みを広げるのはそう難しくないと思います。
海外とのやりとりは、まだ仮想通貨に抵抗あるので現状だとドルでの取引が続き、あまり変わらないかな?と思います。
一番、みんなが思っていることは、実態のない仮想通貨を国のお金として大丈夫?という事。例えば、ビットコインにセキュリティーホールが発見され、信用がなくなれば価値はゼロ。目も当てられません。
90日後から運用という事なので世界中が注目しているエルサルバドルの経済。どのように動くのか楽しみです。