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伸び悩みは誰のもの?

またまた久しぶりの投稿になってしまいました。

さて先日、息子君の合宿に帯同したお話を書きました。

 で今回は、その合宿絡みでの久々の「こどもキャプテン記」です。

合宿初日の朝、集合場所にて、出発前の挨拶の中で、合宿担当の保護者より下記のようなアナウンスがありました。

この合宿はサッカーの上達はもちろんですが、人としての成長も大きな目的の1つです。

仲間を支え合い、思いやりある行動し、また、コーチ陣や大会関係者、旅館の方、そして保護者への感謝の気持ちを持って合宿に取り組むように。

 合宿を通してそれらを実現し、一番成長した選手に対しては後日、思いやりMVPとして、賞品を授与します。

合宿担当の保護者親分より

 おぉ~!パチパチパチ。
では出発しましょう♪

で始まった合宿でした。

その思いやりMVPが先日の練習後に発表となりました。
結果的に3名が選出され、そのうちの2名が優秀賞で、1名が本当のMVP(最優秀賞)として発表されたのです。

帯同保護者である僕もその選出の際に一票を投じる権利が生じまして、僕が選んだ子がMVPになりましたので、「せやな、やっぱり」と自分に見る目があることにニヤリとしたのでした。

まぁそれは良いとして、ここから本題です。

優秀賞の2名にうちの息子君が選出されたのです。
事前に聞かされた時は驚きました。

まぁ真面目な性格ではありますが、そこまで目立った行動をとるタイプではないので。黙々とやるべきことをやり、ふざけたり間違ったりしている子を注意するくらいのことは普段からしておりますが。

で、練習後に合宿参加者が全員集合し、コーチから発表されるにあたり、表彰状まで用意いただいており、その文面が1人1人違ったのです。

例えばもう一人の優秀賞の子は、

プレーで仲間を引っ張り、また言葉でもチームメイトを励まし、鼓舞し、これまで課題であったチームのための行動ができるようになりました。

みたいな。
最優秀賞の子は、

宿舎で困っている子がいれば助け、手伝うべきことがあれば率先して手伝い、また試合においても、負けていても最後まで諦めずチームを引っ張る行動ができていました。

みたいな。
それぞれ良いお話でした。
僕も納得の選考理由であり、よく頑張ったね、と褒める気持ちで一杯です。

で、片や息子君の賞状の文面ね。

まず前半部分、

「キャプテンとしてチームを引っ張り」

という冒頭のくだりは、それはそうやろう、キャプテンとしては合宿関係なく当たり前だし、という気持ちで聞き、

後半部分、

「四年生になってプレーが伸びず悩んでいましたが、この合宿で完全復活し、みんなをまとめようと頑張ってくれました。」

というくだりで「ん?」となりました。

 息子君、「伸び悩んでたの?」ってww

しかも四年生になってから?もう4~5か月も前から?ってww
家に帰ってからすぐに息子君にも聞きました。
「なぁなぁ、伸び悩んでたん?」って。

「いや、別に、分からん。」

って言うてましたw

面白いもんやなぁと思いました。
確かにね、四年生になってから、コーチ陣が求めるサッカーの内容が代わりました。

これまではボールが来たら前に蹴って、追いかけて、ゴールを目指す、というのに近かったのに対して、四年生からは後ろから(DFから)しっかりパスをつなぎ、主導権をもって前に運び、ゴールを目指す、という内容にね。

なので、今、センターバックという守備のポジションをしている息子君もビルドアップといって、後方からしっかりとパスを繋いでいく最初のポジションのため、なかなか難しく悪戦苦闘している様子は見て取れていました。

まさに自軍のゴール前でパスを繋ごうとするので、ミスをすれば即失点の場面が何度もありましたし、簡単にクリアしたらいけないと思っているから、中途半端なパスとなってそれを奪われてピンチを迎える、なんてこともしょっちゅうです。

でも、これは新しいことを、また難しいことに取り組んでいるから当然のミスであり、葛藤であり、困惑であるのです。

本人的には別に“伸び悩んで”はいなかったのですね(笑)
思うようには伸びていなかっただけで・・・。

伸び悩むってなかなか奥深い言葉だなぁと思った次第です。

そらコーチ陣からしたらね、
「あいつ、なかなか思った通りのプレーをしてくれへんなぁ」=「伸び悩んでいる」
なんでしょうけれども。。。

これは勝手にコーチ陣がすくすくと伸びてくれることを期待しちゃってるから生じるジレンマというか。
本人はミスしたり、怒られたりすれば、そりゃしょんぼりするけれども、決して悩んでいるわけではなかったのですね。

この事象を見て、僕も気を付けようと思いました。
つまり、会社という組織でも起こり得る事象といえます。

先輩社員が、後輩たちを見て、なかなかいい結果を出せないことに対して、勝手に「あいつ伸び悩んでるなぁ。」と思い込み、あれやこれやと手ほどきを加えようとしてウザがられるようなことが・・・。

よくありそうですよね(笑)。

あくまで、「伸び悩む」は本人にとって自覚あるかどうかが重要なのだと思いました。

伸びていない自覚があり、それに対して思い悩んでいるのであれば、それは“伸び悩んでいる”のです。であれば誰かに相談するかもしれませんし、途方に暮れて右往左往することになるかもしれません。

でも伸びていないことは自覚しつつも、今度こうしてみよう、もっとこうしたらいけるんじゃないか、と自分の意思で試行錯誤しているとしたらどうでしょう?
これは“伸び悩んではいない”のです。

“伸びてはいない状態であるが、伸びようと努力している途中“なのです。

この状態の人に対して、外から見ている人が“伸び悩んでいる”と評価を下すのは間違っているのです。

やはり「伸び悩んでいる」という言葉にはネガティブな意味合いが込められていると感じます。

でも、“伸びてはいない状態であるが、伸びようと努力している途中“は全然ネガティブじゃないのです。
むしろポジティブです。真逆です。この差は大きい!

さらに語らせて貰うと、
人間というのは、誰かが伸び悩んでいる状態から脱却するという場面が好きなのだと思います。
そして、その脱却するお手伝いをするのが大好きな生き物なのだと思います。

俺のアドバイスのお陰で!お前は!成功を!手にすることが出来たのだよ!!だから俺に感謝せーよ!!!
ということですよね(笑)。

完全な感謝の押し付けの構図ですね。
いや、コーチ陣がそうだと言いたいわけではないです。全く。

単純にそういう事象が面白かっただけです、はい。

いずれにしても、合宿をとおして何かしらコーチ陣には息子君の成長を感じて貰ったようなのでそれはそれで良しとして。

僕も今回の事象で一つ学びを得ましたし。息子君に感謝です。

今後も、伸び悩まず、伸びようと努力し続ける息子君をそっとサポートしていこうと改めて思いました、とさ。

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