ニンジャスレイヤーで分かるWarframe~ニンジャなら無料~
我らがザ・ヴァーティゴ=サンの耳にも「ニンジャなら無料」という謳い文句が届いている宇宙ニンジャSFアクションゲームWarframeですが、今年で11年目になる長大なオンラインゲームであるため、無料と言われても、実際にどのようなストーリー展開があったのか、ついていけない方も多いかと思います。
そこで今回は、ニンジャヘッズ向けに、「ニンジャスレイヤーで例えると、Warframeはいったいどうなっているのか」を解説したいと思います。
当然、このテキストにはWarframeの核心的ネタバレが多数含まれますので、閲覧の際にはご注意ください。
・テンノ
プレイヤーが操ることになるのは、テンノ(Tenno)と呼ばれる人々です。彼らが戦闘に用いる戦闘用外骨格の名前がウォーフレーム(Warframe)で、各ウォーフレームは個別の特殊能力を持ち、それに応じた名前が付けられています。テンノはそのウォーフレームをミッションごとに選択し使用することになります。
つまり、火を操ったり、スリケンを瞬時に生成して投げたりするなど、ニンジャ的な特殊能力の大半はウォーフレームに由来するものだということです。
このウォーフレームの元になったと推測されているのが、Warframe開発元が以前に発売した『ダークセクター』(darkSector)というゲームに登場するプロトタイプの戦闘用スーツです。このゲームは2000年代の地球を舞台にしており、Warframe世界も現代の延長線上にあると推測されています。また、このゲームに登場する設定として重要なのが、テクノサイトウイルスと呼ばれる存在です。有機体・無機体関係なく感染し変異させるこのウイルスを利用して、戦闘用スーツは開発されました。
そして、『ダークセクター』の主人公であり、テクノサイトウイルスに適応し、戦闘用スーツを(ゲーム終盤に)装着し活躍した人物こそ、ヘイデン・テンノという人物であり、このテンノ=サンがWarframeのテンノ達の名前の由来となっていると見られています。(天皇?それは最初期の誤訳です)
テンノ達はオロキン時代をカラテで救った戦闘民族的存在とされています。オロキン(Orokin)は全太陽系を統治した古代文明で、タウ星系から侵攻したセンティエント(Sentient)という謎の存在と戦争状態になり、センティエントの持つ「受けた攻撃の属性に対応して耐性を得る」能力に苦戦しましたが、多彩な武器・能力を操り異なる種類の攻撃を連続して叩き込めるテンノの活躍により、戦争に勝利しました。
めでたしめでたし……と言いたいところですが、テンノは戦勝祝賀会の折に、オロキンに対して謎の反乱を起こし、古代文明は崩壊。テンノはハラキリ・リチュアルはしませんでしたが、冷凍睡眠によって長い眠りにつきました。
・諸勢力
オロキン崩壊から数百年後、太陽系に覇を唱えていたのはグリニア(Grineer)とコーパス(Corpus)でした。この二勢力のことを分かりやすく言うと、クローンヤクザエンパイアと暗黒メガコーポカルトです。
グリニアはオロキンの生き残りである双子の女帝の下、クローニングとサイバネ改造で戦力を確保し勢力を伸ばしました。もっとも、数百年の歳月の間に遺伝子株は劣化し、それを補うために激しいサイバネ改造が行われる悪循環になっています。
一方、コーパスは宇宙商人ギルドから始まり、企業として勢力を形成すると同時にオロキンを崇拝する、カネと古代文明を求心力の中心とする特異な勢力となりました。ニンジャスレイヤーなら論理聖教会に近い勢力と言えるかもしれません。
この二大勢力に加え、グリニアの科学者の実験で太陽系に復活した、テクノサイトウイルス由来の感染体が発生した頃、テンノは冷凍睡眠から覚め、帰還しました。
少数精鋭のテンノは数で押すグリニアの天敵というべき存在であり、また、古代文明を崇拝するコーパスからすると、テンノはその古代文明を崩壊させた張本人であり、また古代文明の技術の結晶ともいうべき獲物でもありました。そして、一部の知性を持つ上位手の感染体はウォーフレームが自らと起源を一つにする存在であることを察知し、自分達と一緒になるよう勧誘しました。
復活後、これらの勢力と時に戦い、時に共闘することになったテンノは、彼らとは一線を画す戦闘力を持つものの、最も少数であるが故に、太陽系を支配するようなことはできず、一種の勢力のバランサーとして機能していきました。グリニアが太陽系制圧用の巨大要塞を量産すればそれを破壊し、コーパスが太陽系の住民から大規模な搾取を行えば採集用機械兵器をハッキングし、感染体が大規模汚染を行えば惑星を浄化し……と八面六臂の大活躍でした。
こうして太陽系で再び活躍し始めた宇宙ニンジャのテンノ達でしたが、2015年に大きな転機が訪れます。それは「二番目の夢」と題された大型クエストで、このクエストで今まで謎だったテンノ達の正体が明らかになりました。
ここから先、Warframeの中核的なネタバレに入ります
・二番目の夢~テンノとは何なのか~
テンノ達にはストーカー(Stalker)という宿敵がいます。同じくWarframeの使用者でありながら、テンノ達がオロキンを裏切ったことを非難し、時々ミッションに襲撃をかけてくる謎の存在です。カラーが黒基調に赤が混ざるので、テンノスレイヤー=サン呼ばわりされることもあります。
ストーカー=サンが太陽系に潜伏していたセンティエントの一体Hunhowと結託し、テンノの息の根を止めるため、ルア(古代の戦争中に破壊された地球の月)に向かいます。
ルアはVoidと呼ばれるオヒガンのような異空間に移相していたのですが、現実世界に引きずり出されました。
当然、ウォーフレームも阻止のためStalkerの後を追うのですが、ルア最深部で彼らが目撃したのは、謎の装置に接続された少年でした。
そう、この少年(オペレーター)こそテンノであり、ウォーフレームとはすなわち、テンノがカゲムシャ・ジツで操っていたジョルリだったのです。ウォーフレーム自体はオロキンが普通の人間をテクノサイトウイルス亜種に感染させ製造した人間で、センティエントとの戦争に投入される予定でしたが、制御困難という弱点を抱え、それを克服するために、オペレーターのジツによる操縦が編み出されたのです。
ここでもう一つの疑問が浮かびます。テンノがカゲムシャ・ジツを使用できる、いわば超能力人類だということは判明したのですが、彼らはどのようにして誕生したのでしょうか?
その答えは宇宙船Zariman Ten Zeroに隠されていました。
・テンノの誕生
時は飛んで2022年、宇宙船Zariman Ten Zeroが太陽系に帰還しました。
この宇宙船こそがテンノ発祥の地でした。この宇宙船はVoidを経由したワープ航法で太陽系外へ植民を行うのを目的とし、内部には多数の移民の乗客がいましたが、そのまま姿を消してしました。
オヒガン的な空間であるVoidから出られなくなった宇宙船はその力に蝕まれ、ほとんどの乗客は狂気と浸食の果てに命を失うか、あるいはもはや人間とは言えないものに変質してしまいましたが、一部の子供達はオヒガンの力に適応、その力を利用した超能力を習得しました。その後、彼らはオロキンに回収されましたが、制御しきれない超能力を危険視され、処分されることが検討されました。
しかし、処分に強固に反対する人物がいたことと、センティエントの襲来により、テンノは処分を免れ、現在のテンノ――ウォーフレーム態勢が完成しました。テンノはウォーフレームにカゲムシャ・ジツ(転移)をかけ、ウォーフレームを通してジツを行使することでジツを制御し、感染体由来の本能を持つウォーフレームはテンノの制御により安定した運用が可能になりました。
そろそろ片鱗が見えてきましたが、オロキンは理想的な文明というわけではなく、一種の貴族階級以外には高圧的な支配を行い、それ以外の層を家畜や物扱い、場合によっては反乱の鎮圧のために虐殺を行うなどする傲慢な一面を持っていました。テンノの反乱の直接的な理由はいまだ不明ですが、センティエントの脅威が無くなった後、テンノとオロキンが決裂するのは時間の問題だったでしょう。
・センティエントの帰還
オペレーターがルアから脱出し、テンノの個人宇宙船であるオービターに居を据えた後も、テンノには、グリニアの双子の女帝との直接対決やシンジケートと呼ばれる小勢力群との関係樹立、地球や金星のオープンフィールドの開拓など、数々の苦難が待ち受けていました。テンノもまた、ウォーフレームに頼らず自らの力を解放して立ち向かうなど、成長を見せていました。
そんな中、2018年にいよいよセンティエントにまつわるエピソードが動き始めました。
テンノにはミッション中に様々な指示を行うナンシー=サン的な人物であるロータス(Lotus)が付いていました。キャラクターとしては全く出てこなかったので、実在を疑われていましたが、先述の「二番目の夢」事件で遂に自ら生身でテンノの救援に姿を現しました。
その彼女が突然、謎のオロキン人と共に姿を消しました。
彼女の後を追ったテンノは、なんとLotusがセンティエントの指導者Natahであることを知ることになりました。Lotus=Natahはまた、オロキン人Margulisの人格を持っており、彼女はオロキン時代にテンノの処分に反対し、最終的に何らかの粛清をされた人物でした。
これは私的な推論ですが、オロキンは人格をAI化する技術(セファロン)を持っており、例えばオービターの管理AIのOrdisも元は人間でした。ニンジャスレイヤーのバイオチップ技術を更に進めたものと言えるでしょう。恐らく粛清されたMargulisもセファロン化され、センティエントが脅威であるテンノの対策としてNatahにMargulisのセファロンを取り込ませて誕生したのがLotusだと思われます。(先述の謎のオロキン人BallasはMargulisの恋人であり、彼女の粛清後、センティエントに内通していました。Margulisのセファロンの入手は彼が手引きしたとみてほぼ間違いないでしょう)
Margulisの人格が強すぎたのか、Lotusは主人格のNatahを圧し、テンノを自らの子とみなし、そのままセンティエントはテンノとオロキンに有効打がなく撤退。センティエントからの密命であったテンノの破壊命令も凍結され、オペレーターは秘匿されました。
ここにきて「センティエントとはなんだ?」という疑問が大きくなってきたかと思います。彼らはタウ星系から攻め寄せた機械生命体なのですが、宇宙人にしてはオロキンの武力に的確な対応をしたり、オロキン内部に内通者を作り出したり、妙に敵情に精通した動きを見せています。
彼らの正体と関係しているのは、テンノ発祥の地宇宙船Zariman Ten Zeroです。この宇宙船が植民先として選んでいたのが実はタウ星系で、当然のことながら、植民先として使用できるかどうか、探査ドローンがタウ星系に派遣されました。このドローンもVoidをワープしたと思われますが、その時にオヒガン的な力で何らかの変質をしたのか、自己進化して知性と自我を獲得し、機械生命体として確立しました。要するに、センティエントはオロキンが蒔いた火種です。
新たなる大戦と暗躍するオヒガン
2020年あたりから、センティエントの再襲来は始まりました。Natahとその弟Erraと内通者Ballasで色々主導権争いがあり、最終的に2021年末、主導権を握ったErraとBallasにより大規模ウキハシ・voidポータルが開かれ、センティエントの再侵攻が始まります。Ballasは当然、テンノを最大の脅威とみなしてテンノをオヒガンに放逐しました。グリニアやコーパスも最前線は奮戦したものの、テンノ抜きではセンティエントの猛攻に耐え切れず、太陽系は制圧され、新勢力ナルメルが誕生することになります。
一方、オヒガンに放逐されたテンノは、そこで自分と同じ姿をした謎のオヒガン存在の干渉を受けます。この存在、壁の中の男(The Man in the Wall)が現在のメインストーリーの核心となっています。
・オヒガンの呼び声
新たな大戦の少し前、惑星ダイモスが太陽系に姿を現しました。一面感染体に覆われたこの惑星には、感染体に侵されながらも自我を保つオロキン人のエントラティ家が居住していました。祖母・父・母・息子・娘の一家は、ここでオヒガンと現実のエネルギーポンプとなっているアーティファクトを守ってきたのですが、このオヒガンを利用する技術を開発した人物こそ、エントラティ家の祖父アルベルト・エントラティでした。
アルベルトはオロキン文明最初期の人間で、オヒガン空間の発見とそのエネルギーの活用を確立した人物で、オロキンが宇宙進出できたのも、テンノがオヒガンのエネルギーを引き出してカゲムシャ・ジツでウォーフレームを操ったり、ジツを行使したりできるのも、もとはアルベルトの研究によるものでした。
彼はオヒガンと現世を繋げるためにオヒガン存在の身体の一部を採取するという暴挙を行っており、それこそが壁の中の男だと推測されています。当然、アルベルトは壁の中の男に目を付けられ、家族を置いて逃亡を余儀なくされました。しかし、オヒガン空間に住まう存在にとって、太陽系どころか全宇宙どこにも逃げ場はありません。そこでアルベルトが選んだ逃げ場は過去でした。
彼は助手の助けを借りてタイムスリップを行い、1999年の地球に逃亡しました。しかし、それで何とかなるほどオヒガン存在は甘いものではなく……
そして今年2024年、warframeは新たなるイベントWARFRAME: 1999に突入する予定です。
テンノも時を超えるのか?最新イベントで垣間見せられた1999年の地下鉄とそこで戦うウォーフレームらしきスーツの男性は?壁の中の男と彼の操るササヤキ(Murmur)の次の手とは?ウォーフレームとオヒガンの真実が遂に明らかに?
と、今もなおWarframe世界は激動が続いています。
今回触れていない事項(例えばローカルコトダマ空間の冒険ことデュヴィリ・パラドックスなど)もニンジャ成分が多量に含まれていますので、興味を持った人は宇宙ニンジャになってください。
我がクラン、オムラ・インダストリ・コーポはいつでもオムラ魂を持つニンジャをドージョーで歓迎します。
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