【90年代心霊遺産】集団失踪事件で有名なあの宗教団体の施設が廃墟化。中は今でもオカルトパワーみなぎってた…【ホラー/宗教団体/山奥/夏休み/肝試し/生配信】
こんばんわ、ヤマムキです。今夜も皆さんの分まで凸していきます!
今夜は某県の山中に来てます。ここはですね、昔、集団失踪事件を起こした曰く付きの宗教団体の施設だったんですよ。今は色々あって権利関係が宙に浮いちゃって、不法侵入にはなりません。
さて、入ってきますね。集団失踪ってことにはなってますが、当時の噂だと、教祖様が信徒を皆殺しにしたとか色々言われてました。これでもね、大昔の週刊誌とか調べてるんですよ俺。あ、スパチャありがとうございます。
ライト暗くないですか?…大丈夫?はい、これが受付です。なんか、90年代っぽいイラストが飾ってます。大予言とかハルマゲドンの頃でしたもんね。あ、若い人知ってます?これ、アナログ電話です。こう、受話器を取って、もしもしと
「どうしてアタシを捨てたの?」
女の声が聞こえた途端にコメントが爆発的に増え、スパチャが乱れ飛んだ。ちょろいもんだ。女の声は昼間に施設へ潜入して仕込んだ録音で、今夜の一の矢。後の細工も流々、今夜の生放送を伝説に押し上げてくれる。
コメ欄が落ち着いた後、俺は受付をじっくり撮影してから次へと進み始めた。
「…うん?」
受付を左に曲がった通路に、赤い扉がある。仕込みの時には気付かなかったが…まあいい、今は用が無い。
「さ、三万、スパチャありがとうございます。ええっと、なんて読めばいいんでしょうか?」
弱ったな。三万は無視できないが、扉の先には当然仕込みは無い。
まずい、流れができ始めた。
俺は意を決して扉の前に立つ。
よく見ると赤色は錆ではなく、濃い赤の塗料が塗られている。
ノブに手をかけ、回し、押す。
扉は軋みもせずに開いた。目前には、暗い階段が下へ続いている。
(続く)
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