秋ドラマ 若草物語 3話感想 ※辛口めです
『若草物語−恋する姉妹と恋せぬ私−』
第3話目にして、ついに回想での出番も失ってしまった三女が不憫ですが、涼の幼馴染が出張り始めたせいか、長女と末っ子も大分尺を奪われた感がある第3話。やっぱり四姉妹、多いですよ。三姉妹くらいが限界な気がします。
今回は全体的に涼のキャラがブレ始めた感じがしました。仕事に困っているとはいえ、自分を曲げてまで、太鼓持ちまで始めるとは思いませんでした。
脚本家の助手に採用を喜んだのも束の間、涼の脚本を認められた訳でもなければ、文章仕事をさせてもらえる訳でもない、年齢だけを買われての仮採用という哀しい展開となりました。
相変わらずの昭和脚本家、生瀬さんへは、ちょっとした意地悪を言われたとはいえ、拒否感すごいのに、恋愛脚本家には太鼓持ちしちゃうんですね。ここでちょっと引っかかりました。
そして、後にマッチングアプリで出会った男性を前にした態度で腑に落ちました。
渋い顔をしている男性を前に「理由はどうあれ女性達によって男性が散々な目に合う映画」の話をさも楽しそうにするんですよ!ここでわかったのが、涼は生き方のポリシーとしての結婚や恋愛拒否ではなく、男性が嫌いという意思表示をしだしたように思えます。
女性脚本家の無茶な要求には応えるし、男性と擬似デートまでしちゃう。仕事欲しさがあったとしても、雇い主の執筆した恋愛ドラマを見てますと嘘までついたり、お世辞をいったり、アプリで次々と男性と会ったり、今回は本当に涼らしくありません。
友達の結婚式でブーケを拒否した頑な涼はどこへ行ったのやら。
でも相変わらずピントのズレている涼、マッチングアプリまでしたのに、雇い主の役に立てません。女性脚本家の話もきかず、自分がして来た体験を語る語る。この独りよがりなところは涼らしいです。
そして場面は少し戻りますが、またしても都合のいい幼馴染、涼の新たな雇い主である女性脚本家のところに仕事で登場します。しまいには勝手に涼の気持ちを推測して熱弁をふるい始めてしまう困ったちゃんです。そんなんだから20年も片思いなんだよ!
そこで、素のままの涼が好きというより、結婚を拒否している涼が好きという何とも歪んだ恋心を表に出してしまいます、少し怖くなってきました。涼に20年も片恋するだけあって一筋縄ではいかない変人っぷりです。
終盤近くになると、仕事を若手に回されたショックで動揺したのか、女性脚本家が実は恋愛経験が殆ど無く、書きたくも無い恋愛ドラマを求められるまま書いてきたと、本心をぶちまけて、涼に惨めな様を見せつけます。
実は似た者同士なのか、涼の将来を暗示しているみたいで、普通なら引くところです。これってもう、このドラマの脚本家の歪みや苦しみを生々しく見せつけられたような感があり、しんどいです。
その後はもう本当に設定ブレブレ、経験なしに恋愛モノ書いた女性脚本家の本の面白さに感動しちゃうわ、恋愛モノ脚本のアイディアを提案するわ。最後には、涼の助言が功を奏して、本採用となり、次のプロットまで任されて、恋愛モノの脚本に対する拒否感は微塵もなく、ノリノリです。
姉妹の物語だった筈が、今回はすっかり涼がヒロインの業界モノみたいです。でも涼の脚本家道がイージーモードすぎて、すごくちゃちい業界ドラマとなってしまいました。
末っ子の芽ちゃんが沼男のアパート、深田の部屋で子供に会ったり、ライトな謎を残したまま次回へ。
今回一番響いたのが、女性脚本家のファンである脇役マッチングアプリ女性の言葉でした。
一週間に一度のドラマ、その一時間を楽しみにしているという、そこはもう私は初めてこのドラマに共感しました。そうなんですよ、本当に!
ただ、心底残念な事に、この『若草物語』が私にとってそういう楽しみなドラマにならなかった。脚本家さん、頑張ってほしかった!私、実に無念です