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あたし立つ出雲
前回の記事で、私がよく分からないと言っていたキャラクター、コメントで教えていただいた!『はじめ人間ギャートルズ』という漫画らしく、作者の園山俊二先生が松江市の出身らしいです。なるほど!ありがとうございます!謎がとけた。実はあの道を歩いているとき、外に椅子とかテーブルの置いてある庭みたいなエリアの横を通ったのだけど、実はその場所はギャートルズ広場なるものだったみたい。夜で暗くて気づかんだった。せっかくなら見たかったよう。
22時半には布団に入ったものの、結局頭痛で寝たり起きたりを繰り返した。お酒を飲んでもお水まで飲む自分への気遣いがいつまでもできんでおる。こんなんじゃいかん!と思って5時くらいから大量に水を飲んだ。島根旅行2日目の幕開けです。1日目はこちら↓
この日は朝から運転せんといかんかったのでどうにかこの最悪な具合から本調子に持っていきたい。こんなこともあろうかと、私はオリヂンPという劇薬を持ってきていた。次の日まで見据えてしっかり2本。
オリヂンPをご存知だろうか。九州を中心に展開するコスモス薬品でしか販売していない、用量は少ないくせに1本1500円くらいとまあ高価なドリンク剤なんだけど、飲むと瞬く間に体が元気になる。正直高いなんて思ったことないくらいの効果。ほぼ注射。効能はざっくりいうと、ほぼ全ての体の不調に効くといったところ。風の噂で聞いたんだけど、あの叶姉妹も毎日美容のために飲んでいるらしい。やはりプラセンタってすごい。その分トンデモまずいので、吐き気がある時に飲むと嗅いだだけで吐きそうになる。私はこいつに幾度となく救われてきたので、今となってはあの匂いを嗅いだだけで元気になったんじゃないかと錯覚しちゃうくらいだね。買う価値ありなので、見かけたら買ってみてけろ。這ってでも行かなきゃいかん予定があるとき、必ず味方になってくれる。
オリヂンPの話やりすぎ。とにかく水で体内のアルコールを流し、仕上げにオリヂンPを飲んで気合いが入った。やはりこいつはすごい。みるみる正気に戻ってくる。シャワーを済ませてスキンケアしてたら、もう朝食を食べる時間の7時になってしまった。早くいかねば。朝食会場へ移動。
私は一番乗りだったらしく、とても静かだった。スタッフの方がお出迎えしてくださり、席まで案内される。客室ごとにテーブルが半個室ぽくなってるんだけど、なんと数少ない窓側だった。外はまだ薄暗いがいい雰囲気で、私ひとりなのにいいのか!?とそわそわしていた。贅沢時間すぎる。
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ご飯もものすっごく美味しくて、白ご飯もばくばく食べてしまった。しじみ汁、最高に沁みる。沁み渡る。目の前の道路を車が通りチャリが通り、川を船が通っていく。こんな朝、これからの人生でもそうないかも。早起きは三文どころの徳ではない。食べ終わる頃にはもう日が出ていたようで、街が明るくなってきていた。いかんいかん、そろそろいかねば。
身支度を済ませて宿を出る。この日は松江駅から出雲市駅までやくもに乗り、そこで車を借りる。出雲大社あたりを散策して、松江フォーゲルパークに寄り、松江駅あたりで車を返すという段取り。
セブンでカフェラテを買って、ホームへ。朝のラッシュの時間だと思ってたけど、予想以上に人は少なかった。出雲市駅に着くと、レンタカーの予約時間まで時間があったので、ここらで職場にお土産買っていくか、とウロウロ。しじみせんべいを買いました。
来るときに買ったカフェオレも飲み切ってしまったしセブンでまた飲みもの買おーと寄ったら、なんと特急やくものグッズがたくさん並んでいるではないか。私の心を真っ先に射抜いたのは、やくものロゴがついたエコバッグ。考える間もなく手に取っていた。天才だろ。「やくものエコバッグを作りませんか?」と提案してくれた人、そして製作に関わった全ての人と握手させてください。ちょーお気に入りになった。コースターも可愛くて購入。忘れるとこだったけど飲み物も買った。レンタカーを借りていざ行かん。
知らない土地を運転するのはほぼ初めてだったけど、終始かなり運転しやすい道だった。市街地を抜けると車が前後にいることなんてほとんどないし、道路も凍ってなさそうだったので、慣れたもんだ。地元の田舎町を運転している感覚に近い。
出雲大社に行く前に、古代出雲歴史博物館に向かう。着いてから知ったけど春から大幅改修のために一年以上の休館に入るらしい。グッドタイミングじゃーん。それにしてもでかい建物だな。山が近く、景色がよかった。さむうと呟きながら建物に入る。
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窓口でチケットを買って入館。JAF会員なので割引料金で買えた。忘れた頃にやってくる、JAF会員の恩恵。アザス。
書物とかの歴史資料がたくさんあり、私が夢中になったのは各学者さんたちの推測に基づいた昔の出雲大社の本殿の再現模型が並べてあるとこ。こんだけ技術が進んでる世の中なのに、まだまだ謎が多いとこ、ロマンがあるねえ。
展示の最後の方には駅の改札を再現しているところや、製鉄に使われていた天秤ふいごの実物大(多分)模型があった。ふいごの説明書きを一生懸命読んでたら、スタッフの方が「これ乗れるのでやってみますか?」と声をかけてくれた。え!?乗れちゃうんですか!?とびっくりしつつノリノリで体験させてもらった。
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この真ん中の屋根の下に立って、両側のペダルに足を乗せ、左右に体重移動させる要領で交互に踏む。踏むなんて表現じゃ足りんほどめちゃくちゃ力のいる作業。順番制で次の人に代わるまで、これを一時間は続けんといかんらしい。ちなみに、このふいごの作業をする人たちのことを「番子(ばんこ)」といい、順番に代わるがわる作業していたことから「代わりばんこ」という言葉が生まれたらしい。どうだ、この記事でこんな豆知識が増えるなんて、思っとらんかったやろう。
展示を見終わり、館内をぶらぶらしているともう11時を過ぎていた。神社に行く前に、目星をつけているお蕎麦屋さんで出雲そばをを食べたい。今から向かえば並ばずに座れそう。車に戻り、カーナビ弾いて、おそば屋さんへ。
場所は割と近く、10分もしないうちに出雲大社を横目に見た。住宅街っぽいところに入ると、目当てのお蕎麦屋さんが。駐車場ギリ空いてた。よかったー。
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蕎麦は一昨年の夏に突然マイブームが来て、地元でいろんなところを回ってみたけど、なかでも出雲そばは格別に美味いと思った。それ以来の、出雲そばを本場で食べたいという願いがついに叶うのだ。わくわく止まらん。止まるわけねえっつーの。
店は開店から30分も経っていないはずだったけど、すでにほぼ満席状態だった。幸いすぐに席に通してもらえたので、メニューを見る。ここのお店も、お社周りのお店もそうだったけど、値段の「円」が「縁」の表記になってた。めちゃかわいくないですか。きゅん。
割子そばを注文した。レンタカー返却までの時間配分を計算しているとついにやってきた。悲願の出雲そば。
島根えげつない。ここのお蕎麦、美味しすぎた。いつも通り一段目は薬味を入れたけど、薬味いらないかもと思うほどお蕎麦の味というか、風味というか、香ばしさがたまらん。そこからはほぼおつゆだけでいただきました。心を打ち抜かれてた。蕎麦湯もすんごく美味しかった。お会計のときにすごくおいしかったと伝えたけど、あれだけじゃきっと私の気持ち伝わっとらん。一言じゃ伝えきれんほどの感動。
店を出ようとすると、ざっと5組は並んでいた。早めに来て正解だった。いよいよ、出雲大社に行く。
紅葉の時期の京都くらい混んでると思ってたけど、全然そんなことなかった。拍子抜けしてしまうほど。車を降りたら寒すぎた。なるほど。こんな寒い時期に山陰に来る人がそもそも多くないですよね。そうでした。
何も聞かされずに入ったら、ただの大きい神社だなーくらいにしか思わんのだろうけど、ここに神様が集まって会議をするのである。どきどきするねえ。何箇所か参拝する場所があって結局計3回くらいはした気がする。出雲大社は他の神社とは違い、「二礼四拍手一礼」なんだけど、私はそのことを完全に忘れていて、最初の参拝場所では思いっきし二拍手にしてしまった。周りの音を聞いて、それに気づいたけど、一生懸命祈っていたのには変わりないので、神様が腹を立てていないことを祈る。故意じゃないので。許してください。
授与所が見えてきた。絵馬を書こうと決めいたので即入手。実は、この春から転職することが決まってるので、転職先でもいい人間関係を築けるように、いい人たちと出会えるようにと手を合わせるときには願っていた。恋愛の縁というより仕事の縁を、お願いしにきたのだ。もちろん、今必死になって取り組んでる大仕事が上手くいくようにも願っているので、絵馬にはそれを書いた。頑張るので、見守っていてください!
絵馬をかけ終えて、再び授与所に戻りおみくじを引いた。出雲大社のおみくじは大吉とかが特に書いてない。しかし、私が引いたのはほぼ大吉と言っていいくらいよかった。本当に全部がいいらしい。先祖を敬いなさいというアドバイスがあったので、これからも心がける次第。春から一人暮らしのために引っ越すので、「移転」の項目も心配していたけど、引越し先に決めている方角ドンピシャでよかったっぽい。ひぇー、ありがたいです。
境内をぐるぐる回って、また蕎麦食うかと思って駐車場に戻っていると猫がいた。この記事の見出しになっている猫。デブ猫でとってもかわいかった。人間からいいもんもらっとるんだね。神社の近くで猫を見かけると、実は姿を変えた神様なんじゃないかと思ってしまう。
神社を出てすぐ近くの八雲そばというお店に入った。ちゃんと見なかった私が悪いんだけど、出雲そばだと思って入っちゃったよ。おいしかったけど、出雲そばを勝手に期待しちゃったよ。気をつけます。
悔しいので今度は出雲そばをもう一軒食べようかと思ったけど、お腹いっぱいだったので、諦めた。よし、松江フォーゲルパークに向かおう。
お社に行く前に見かけた近くのスタバで飲み物を買い、再び長い運転。車が前後に来ることなんてまずなく、車を見かけたら、あ、車きたと思うくらい。宍道湖を右手に見ながら、ほとんど信号もなくただ突っ走るだけの道路。しかし相変わらずの曇り空だ。晴れてたらもっと景色もよかったろう。曇り空と湖の白い景色は思い出すだけで寒さを感じる。
突然現れた松江フォーゲルパークの看板を見逃すことなく無事到着。平日らしく駐車場も空いている。
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チケットを買って入るとすぐフクロウやミミズクたちがお出迎え。かわいすぎる。あれだけ綺麗な瞳で、綺麗な羽で、あの全てを悟っているかのような落ち着き。惹かれないわけないのであーる。
そこからさらにゲートを通ると、お花がたくさんある温室になっていて、お土産やさんや軽食処もここに入っている。
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ここに来た一番の理由はなんといってもハシビロコウ。鳥の中でも独特な、仙人のような雰囲気を纏っているハシビロコウ。ここのフドウくんは写真集まで出しているほどの人気者で、「不動のイケメン」というコピーまでついていいる。もはや謁見というべきイベント。
フドウくん目当てにずんずん順路を進んでいく。屋外にあった、段差はないけどめちゃ長いエスカレーター、ほんとに寒過ぎた。あの場所のためだけでも厚着をしていくべき。
温室がいくつかあって、順路は温室を入っては出てを繰り返して進むようになっている。3つ目あたりの温室に行く道中で、ハシビロコウが近いという表示が。足取りも軽くなる。
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フドウくんは外のスペースにいるときと、なかのスペースに入っているときとあるらしく、この日は外にはいなかったので中に入る。この気温じゃ外にいられん。
温室に入るとすぐにフドウくんが目についた。動画を回しても全く動いてくれん。
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ちょうどいいところにスマホを置いて撮影できるように机が置いてあったので、セルフタイマーをセットしてツーショットをゲット。3回くらい撮ったが撮れば撮るほどそっぽを向き、最後には後頭部しか見えていないフドウくん。イケメンでツンデレか。助かります。
それからも順路通り進んでいき、あっという間に初めのお花でいっぱいの温室に戻ってきた。来たときは見えんかったがフクロウたちがいて、さらにここではフクロウの手乗せ体験もできるという!
ビニールハウスのような空間に、フクロウたちが囲いもなしにそれぞれの場所に座っていて、手に乗せたいフクロウやミミズクを選んでいいと言われた。最高か。一目惚れしたメガネフクロウのココロくんを指名。
乗ってくれた瞬間はフクロウらしく大人しくしてくれていた。写真撮ってもいいですよと言われたので自撮りでツーショ。めちゃくちゃ慣れていて、カメラ目線くれた。きゃ。
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ココロくんが途中から落ち着きがなくなって鳴きだしたのにビビっていたら、「これが終わったらおやつもらえることわかってるんで、おやつくれーって言ってるんですよー」とスタッフの方が私をなだめてくれた。人間の扱いまで知ってるんですか。
5分くらい乗せていたら緊張のせいもあってか腕が疲れてきたので終了。美味しそうにおやつを食らうココロくん。
そろそろフォーゲルパークを出るかと思ったが、まだ14時半。車を返す時間まで持て余す。松江駅周りでもうひとつくらい回りたい。八重垣神社はどうだろう。
次の日に行く予定だった八重垣神社。松江駅から10分ほどで着くらしいのでこの日の最後の目的地に決定。
今度島根行くんですよーおすすめないですかーといろんな人に聞いて職場の先輩から教えてもらった、こちらも主に縁結びにご利益があるといわれている神社。まあまあ有名らしい。多分ここの占い目当てで人が集まるのだ。
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教えてくれた先輩は以前実際にこの占いをやって、結果の通りにことが進み、神社に行ったあとあたりに彼氏ができた。そしてそれから何年経った今でも順調らしい。行くっきゃないっしょ。
駐車場に着くと小雨が降り始めた。いやいやながら、車を降りて境内へ。割とこじんまりしていた。参拝して、占い用紙を買い、鏡の池へ。
境内を出て、すぐそばの林へ入ると、奥の方に池がある。先に小さい子供連れの家族が1組いた。
10円玉を財布から取り出し、紙を池に浮かせ、そーっと10円玉をのせる。
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なにも考えずに一連の動作を終わらせてしまったが、願いを唱えなければと思いだし、転職先での縁を思った。
結果、紙はほとんどこの場所を動かず、5分もしないうちにゆっくり沈んでいった。
かなりいいのでは!??めちゃくちゃいいよね!??すげえ!!と興奮していたら先に来ていたご家族より先に沈んでしまった。なんか気まずい。
もうちょっとこの神秘的な空間に浸っていたかったけど、あまりの気まずさにそそくさとその場を後にした。
車を返して松江駅に戻り、お土産に出雲そばやインスタントのしじみ汁を購入。荷物も増えて、宿まで歩く体力がなく、ちょっとの距離なのにタクシーに乗った。旅行のときはタクシーとかスタバにお金を使っていいと決めている。だって旅行だもーん。
宿に戻って部屋に入ると、机や布団が昨日来たときのようにきれいにされていた。ありがてえ。この日も夜飲みに行こうと決めていたので、お茶淹れて、ゴロゴロしてひとやすみ。
18時過ぎになりやっと身支度を始めて外に繰り出す。前日のように近辺の狙っていたご飯屋さんへ。
お店の前まで来ると、あれ?こんな高そうなとこだったっけ、入りにくい、中の様子も見えんし、どうしよう。でも事前にしっかりメニューも見たし値段も見たし、敷居が高そうなオーラがすごいが思いきって入った。
わあああ絶対一人でくるとこじゃねえ、、、!!!日本料理屋だってほぼ!!
カウンターに通されたがもう先に2組いて、それもお店のお姉さんと同伴してる殿方だし、もう1組も会社の上司と後輩みたいな感じだし。お店の方も忙しそうで話し相手になってくれる雰囲気でもない。完全にアウェーであった。
しかしメニューは美味しそうだし、思っていたほど高くなかったのでよかったあ。ていうか、ジャックダニエルがあるのに気づいた時点で気分は右肩上がりに。こんな和風なとこで飲めちゃうのか。
ここでもサラダとお造りを注文。やっぱりお刺身おいっっっしすぎた。はんぱない。どうしてくれるよ。永住すればいいってこと??
追加で頼んだ椎茸のバターソテーもめちゃくちゃ美味しかった。ニンニクきいてておしゃけが進むのなんのって。
料理が最高でもやはりアウェーであることには変わりなく、落ち着かなくて19時半くらいにはお店を出た。早く寝よう、コンビニで水買って帰ろうと歩き出した。
道中で酒屋さんがやってるバーを見つけた。酒屋の入口のすぐ隣に、小さなバーのドア。バーの方は今のところ無人ぽい。酒屋さんのスペースではお店の方がお得意さんらしき人たちとお話しされていた。コンビニコンビニと、冷たい小雨を行く。
コンビニ行ったあと、なんとなくさっきのバーに寄り道した。お店の方しかおらず、話せそうだったので、2リットルボトルの水片手に「バーやってますか」と聞いてみると、はーいとお店を開けてくれた。カウンターだけのワインバー。2軒目でワイン、楽しすぎ。
と言ってもワインの種類はよく知らんので、ピノノワールが好きなことを伝えると、じゃあチリのが合うと思うと言われ、チリの赤ワインを出していただいた。おいしくって一瞬で虜なったので、しっかりボトルの写真を撮った。
店主の方が私一人相手にずっと付き合っていただいたが、21時になる前にはさすがに帰るかと思い、2杯で会計。それでも部屋でいっぱいくらい飲みたかったので、酒屋さんの方で島根のクラフトビールを買って部屋に戻った。
まだお風呂に入る元気があったのでお湯を張っている間にクラフトビールをグビグビ。これも美味しかった。クラフトビールもっといろいろ飲むべきだった。
お風呂に入り、次の日も運転だったので、この日は22時半には寝た。いやーにしても、長くなりすぎた。読んでくれた方、これは才能ですよ。念願の神社にお蕎麦、出雲ずくしの一日。最終日、3日目は島根旅行といいつつ鳥取県の境港市に足を伸ばします。ベタ踏み坂に大興奮。遭遇したことないぐらいアナログシステムな駐車場精算。カーナビつけてるくせに道がわからず松江城の周りをぐーるぐる。そんな3日目。