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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【9月21日㈬~9月27日㈫】

映画館探訪シリーズ第2弾、という感じで、先週の菊川 Strangerに続き、今年初めに下北沢にオープンした、シモキタ・エキマエ・シネマ『K2に出かけてきました。個人的には若い頃から下北沢という街にあまり縁がないので(友人に付き合って芝居を観に行くために訪れることが、年に一度あるかないかくらい)行きそびれていましたが、先週菊川まで遠征したのに、なぜ下北沢には行かないのか?と言われそうなので(被害妄想)、この三連休に行ってみようと思い立ちました。台風の影響で東京も悪天候ではありましたが、オープン9か月目にしてやっとの訪問です。下北沢、行ってみると渋谷から全然近い(と、毎回思います)。

劇場は小田急線の南西口の商業施設シモキタエキウエに直結の tefu loungeの2階。井の頭線の中央口からも3分の近さ。近日上映『ハーヴェイ・ミルク』のポスターが目に入ったので、「おっ、ここだな」とドアを開くと、なんとまあオシャレなカフェ空間が広がっているのでありました。

朝のオープン直後だったのでお客さんはいなかったけど、普段は日中どんな感じなのでしょう?

場内の様子はトップ画像の通り。座席数は71。ゆったり配置されているので混雑した時も窮屈な感じはしなさそう。シートは珍しくチェック柄。我が家に欲しい(笑)。

注意すべきは、現金の取り扱いが一切ないこと。私は前日ネットのクレジットカード決済で席を押えたので気づきませんでしたが、ホームページを読んでみると、当日のチケット購入はクレジットカード、QUICPay、iD、交通系ICカードに限られるそうで、これにはちょっとビックリ。知らない間にキャッシュレス化はどんどん進んでいるのですね。

ところで。その日観た映画は、アメリカ映画『セイント・フランシス』(アレックス・トンプソン監督)。タイミングが合わず未見だったのですが、見逃さないで良かった!とても気持ちの良い映画で、主要登場人物みんな愛おしくてたまらなくなりました(除く“ギターの先生”。笑)。

同業の立場から言わせて頂くと、メジャーな映画祭に出品されているワケでも、有名な映画賞を獲っているワケでも、監督やキャストに知名度があるワケでもなく、決して売り易いテーマではないアメリカのインディペンデントの作品で、配給するのにはそれなりに勇気が必要だったと思うのですが、その何重もの困難さをはねのけて日本に紹介して下さったハークさんにお礼を言いたいです。続映中の劇場、これから上映されるエリアもあるようなので、未見の方はぜひチェックしてみてください。

この作品、私は全くノーチェックだったのですが、海外セールスは優れたアメリカン・インディーズ作品を中心に扱うVisit Filmsというニューヨークを拠点にする会社が行っていました。この会社が扱っていて、過去に日本で公開された映画は、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の『アメリカン・スリープオーバー』『イット・フォローズ』、注目の新作『アフター・ヤン』が10月に日本でも公開される、ココナダ監督の前作『コロンバス』など。これだけでも、その“目利き”ぶりが分かるというものです。ザジでは、この会社と仕事したことがないのですが、ジョン・カサヴェテス・レトロスペクティブを開催した身でもあるのだから、いつか「これだ!」というインディペンデント・スピリットあふれるアメリカ映画を、この会社のLINE UPから見つけて配給してみたいです。

三連休、最終日は家に籠ってNetflix三昧。9月22日から全世界で一斉配信開始となったリミテッド・シリーズ「ケイブ・レスキュー: タイ洞窟決死の救出」6エピソードを一気見。いやぁ~、面白かった!2018年に実際に起こったこの事故については、当時日本でも報道されていましたが、こんなにも困難を極めたギリギリの救出作戦であったことは(その後公開されたドキュメンタリーも観ていなかったので)初めて知りました。なぜこの作品を観たかと言えば、弊社配給の『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』、今夏公開された宣伝作『プアン 友だちと呼ばせて』のバズ・プーンピリヤ監督が、製作総指揮の一人として参加し、1話目と4話目のエピソードを監督しているから。スタイリッシュな演出は、バズ監督ならでは、という感じです!

誰か、知った顔は出てないかな?と見始めたら、さっそく主要キャストの一人、県知事役に『バッド・ジーニアス~』で主人公リンの父親を演じていたタネート・ワラークンヌクロが登場。ほぼ出ずっぱりで出演しています。あと、水理学者ケリー役の女性、見たことあるなぁ、と思っててチェックしたら、ウッラサヤー・セパーバンという女優さん。『ハッピー・オールド・イヤー』のナワポン・タムロンラタナリット監督の新作『Fast & Feel Love』(残念ながら弊社で配給の予定はないのですが)のヒロイン役でした。

「ケイブ・レスキュー:~」は、世界各国のランキングで続々ベストテン入りしています。Netflixの回し者ではありませんが、ぜひご覧になってみてください。見始めると止まらなくなるので、週末鑑賞推奨!

一方のAmazon Primeでは、同じ事故を題材にしたロン・ハワード監督作品のオリジナル作品「13人の命」が配信されています。こちらはヴィゴ・モーテンセンやコリン・ファレル等、豪華スターが名を連ねていますが、今調べたら、遭難するコーチ役で『バッド・ジーニアス~』のパット役ティーラドン・スパパンピンヨーが出演しているのを発見。こちらも観なくちゃです!

texte de Daisuke SHIMURA








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