Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【4月7日㈬~4月13日㈫】
昨年の6月6日から東京・岩波ホールを皮切りに全国順次公開を予定していた弊社配給のイタリア映画『わたしはダフネ』ですが、メインの上映館である岩波ホールさんと相談の結果、1年公開を延期することにしたのは、ちょうど去年の今頃でした。その後もコロナ禍は一向に収束の気配を見せませんが、そうこうしているうちに新たな公開日である7月3日がヒタヒタと近づいてきてしまいました。二度目の公開延期、なんて事態にならぬよう、早いところ感染者増のピークが来て、夏に向かって減少傾向になることを祈っている今日この頃です。
祈っているだけでは宣伝にならないので(笑)、7月に向けて新たにいろいろと仕掛け始めているところ。先ずは先日、ゴールデンウィークに渋谷ユーロライブでの開催が発表になったイタリア映画祭での上映が決定。コロナがなければ昨年春には来日して頂く予定で話を詰めていたフェデリコ・ボンディ監督、主演のカロリーナ・ラスパンティさんにも、オンラインで登壇して頂くべく、調整に入っています。オンライン上とは言え、カロリーナさんに会えるのが楽しみでなりません。
その前にも積極的に情報発信して行かなくては!ってことで、女優の石橋静河さん、作家の岸田奈美さんから頂いたコメントを紹介しつつ、ネット上で新たな公開日をアナウンスしました。石橋さんの「作品の持つ、圧倒的な明るさに救われた」という言葉は、コロナ禍で気持ちが沈みがちになる私たちを勇気づけてくれる映画であることを端的に伝えてくださっていて、「頑張って多くのお客さんに届けなくては!」と、我々スタッフをも鼓舞してくれました。
『わたしはダフネ』とは、一昨年のベルリン国際映画祭で出会いました。その前の年に公開した『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』と同じイタリアの会社がセールスしていて、その報告で寄ったブースでセールス用の予告を見せてもらったのがきっかけです。ここでは書けないのですが、私はそのほんの2分ほどの予告のラストの、主役ダフネのセリフにグッと来てしまい、「これは本編を観なくては!」と試写のスケジュールを速攻で調整したのでした。
運良くパノラマ部門の公式上映で観ることが出来、上映後は監督やカロリーナさんが登壇し、観客の拍手喝采を浴びていました。特にカロリーナさんはチャーミングでユーモアにあふれ、ひと言ふた言発するたびに、会場はドッカンドッカン受けまくり。その様子を見ながら、もうオファーすることを決めていた私でした。本編を観て、前述の“予告のラストのグッとくるセリフ”が、なんと映画のラストシーンであることが判明。予告でお聞かせしてしまうのは何とも勿体ないので、日本版予告では使っていません。ぜひ本編をご覧になって、その素敵なセリフをお確かめ頂ければ、と願っております。
宣伝の仕込み以外にも、来年前半の配給作に関していろいろ動きがありましたが、これは書けるタイミングが来ましたら、また追ってお知らせするとして、あとは週末の個人的な活動のご報告…(興味のある人がいるのか?)。
劇場鑑賞映画は金土で『JUNK HEAD』、『ゾッキ』、『砕け散るところを見せてあげる』、『ザ・スイッチ』の4本。『JUNK HEAD』は、毛色は違うとは思うけど、『9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~』というアメリカのアニメーションを思い起こさせました。アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた11分のアニメを長編化した作品。その11分のオリジナルを、2005年にスペインのシッチェス映画祭で観る機会があって、メチャクチャ感銘を受けた私は、帰国後公式パンフに記されていた監督の連絡先に「短編を劇場公開するのは方法を考えなくてはならないが、ぜひ日本に紹介させて欲しい」とラブコールを送ったのでした。当時、クレストインターナショナルさんが8分の短編アニメーション映画『岸辺のふたり』を劇場配給してロングランヒットさせていて、「こんな形の興行も可能なんだ!」と思ったことが頭にあったのだと思います。
数日後、監督から丁寧な返事が来ました。「興味を持ってくれてありがとう。しかしながら、とある監督と長編化の話し合いをしていて、この短編を売ることは出来なくなっています」とのこと。後から、その、とある監督というのがティム・バートンだと知りました。結局バジェットも大きくなって、うちの会社が扱えるような規模の作品ではなくなってしまったけど、シェーン・アッカー監督、当時ちょっと“発見”したつもりになっていた私でした。インターネットムービーデータベースで調べたら、2010年の短編以降新作がありません。どうしているのでしょうか。『JUNK HEAD』をきっかけにそんなことを思い出した週末でした。シッチェス映画祭に行ったのは、あれ一度きり。またいつか行ってみたいな~。
週末の個人的な活動をもう一つ。コロナ禍で延期になっていた親族の新年会を実家で行いました。そこで誕生日が近かった姉に、『ハッピー・オールド・イヤー』のオリジナルTシャツを誕生日プレゼントとして渡したのですが、後日こんな画像がLINEで送られてきました。我が姉ながら、なかなか気の利いたことをしてくれます。でも、残念ながらメインビジュアルとは向きが逆!惜しい!
texte de Daisuke SHIMURA