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映画『ハッピー・オールド・イヤー』公開記念 リアル引っ越しドキュメント⑭「迷うな。人の気持ちなど考えるな」

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前回の記事はこちら☞ 連載⑬「親の世代が作ったものはもう機能していない。老人はなぜ変化を嫌がるの?」
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映画『ハッピー・オールド・イヤー』劇中で表示される、断捨離指南のステップのご紹介も、いよいよステップ4。そろそろ、本作をご覧になる前の皆さんも気づかれているかもしれませんが、このステップ1,2,3はほとんどアイロニカル、というか反語的。物語は真逆の様相を呈していきます。主人公ジーンは、ステップに従おうとすればするほど、ドツボにハマり、「想い出に浸り」、「感情に溺れて」、「迷いまくり」です。

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※背中に「迷い」が出まくりの、主人公ジーン。

この「迷うな」は、当然〝捨て方”についての指南ですが、広義な意味では「(物事の判断に)迷うな」であり、「(人生の選択に)迷うな」であるのは、お察しのとおりです。で、当引っ越しブログ。ザジフィルムズの引っ越し作業に合わせて、これまですでにこの連載で「何を捨てて、何を取っておくべきか?」については散々書いてきたので、今回は広義な意味での「迷うな」のお話です。

ザジフィルムズの歴史を綴った連載“Histoire De Zazie Films”17回で、今までのコラボについて詳しく書いたのですが、今回『ハッピー・オールド・イヤー』を共同で提供・配給しているマクザムさんとは長いお付き合い。元々レンタルビデオ作品のライセンスの仕事でお付き合いしていたのですが、2009年に配給した台湾映画『海角七号 君想う、国境の南』で初めて劇場配給作をご一緒させて頂いて、それ以降『あの頃、君を追いかけた』('11) ,『共犯』('14)と台湾映画を続けて共同配給。そして一昨年の9月に公開し、サプライズヒットとなったタイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』に繋がったのでした。

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』を初めて観た時の衝撃は今も忘れられません。マクザムの担当Sさんに、「ザジで劇場配給してもらえませんか?」と誘って頂きDVDで試写したのですが、モニターの小さな画面で観ても、あのスピード感、カッコ良さは充分に伝わってきて、ハラハラし通し。タイ映画を手掛けるのも初めてだし、作品自体うちの会社ではやったことのないタイプの映画ではありましたが、とにかく「面白い!」の一点突破。観終わって「配給させてください!」と即答でした。

幸運なことに『バッド~』はお客様にも、その「面白い!」が伝わり、目出度くヒット。公開前には監督の来日プロモーション、公開後は“ヒット御礼”ということで、主人公リン役のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンさんも来日を果たして下さいました(私は出張中で会えなかった…。悔し過ぎる…)。

バッド コピー

※チュティモンの魅力炸裂『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

そして、あれから1年3ヶ月。マクザムさんとの5本目のコラボ、韓国映画『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』を挟み、6本目が『ハッピー・オールド・イヤー』です。最初にお話を頂いたのは、年明け早々だったでしょうか。「リンちゃんが主演してる面白い映画がある」とSさんが再び声をかけてくれました。その時点で、もう私は前向き。やる気満々だったのですが、3月開催の大阪アジアン映画祭で字幕付きで観られる、ということで、新型コロナウィルスが流行し始めている中、大阪に向かいました。

観終わって即答、「やりましょう!!」。ここで今回の表題。私は「(配給することを)迷わなかった」と言いたくて、ここまで長々と書いてきたのでした(笑)。監督が違うので、作品のテイストもまったく異なるのですが、私も含め、配給宣伝スタッフ一同、作品に魅了されてしまいました。「迷うな」は、映画の買付けにおいても真理。迷ったら止めたほうがいいのだと、私は思っています。

ただ「迷うな」に続く、「人の気持ちなど考えるな」は、まったく逆。我々宣伝スタッフは、日々、人の気持ち考えまくりで、どうすれば一人でも多くのお客様に観てもらえるかを、無い頭を使って考えているのでした。公開まであと3週間とちょっと。どうか多くの方にご覧頂けますように…。

◆映画『ハッピー・オールド・イヤー』
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12/11(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開! 

次回の記事はこちら☞ 連載⑮「返したいものってこれ?私のだっけ?」








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