見出し画像

Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【2月19日㈬~2月25日㈫】

ベルリン8泊、寄り道2泊、10泊12日の旅から、24日㈪に無事戻って参りました。只今時差ボケの真っ最中。夕方になると眠くて眠くて仕事になりません。定時に上がって、家に帰って早めに床に就いても、1時間か2時間でパッキリ目が覚めてしまい、睡眠時間は帰国当夜でトータル4時間、翌日5時間、昨日は6時間。段階的に増えているので今日は7時間眠れる予定。これで完全復活!となれば良いのですが…。

先週の当通信の最後に、『ハイパーボリア人』の主演俳優、ベルリン在住のアント―ニア・ギーセンさんとは結局会えなかった、と追記しましたが、さらに悲しいことに、ホテルのフロントに預けて後でご本人がピックアップする手はずだったポスターは、フロントに預かってもらえず(「滞在客の荷物しか預かれない」とのこと。まあ当然と言えば当然だけど、そんな固いこと言わないでよ~、という感じです)。で、代替案を考えようにも、チェックアウトして空港に向かうタイミングだったため、なす術もなく…。筒に入れて東京から持ってきた B2ポスターは、東京に持って帰る羽目になったのでありました。ガックシ。

さて。ベルリン国際映画祭。22日には受賞結果が発表になりました。トッド・ヘインズ監督率いる今年の審査員団が最高賞 金熊に選んだのは、ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の『Sex』、『Love』に続く3部作の最終章『Dreams (Sex Love) (英題)』。これは既に日本には売れていたので(3部作全作をビターズエンドさんが配給)未見。前2作も観ていないので、公開が楽しみです。

銀熊の各賞、審査員グランプリはブラジル/チリ/メキシコ/オランダの『The Blue Trail(英題)』、審査員賞はアルジェリア/スペイン/ウルグアイの『The Message(英題)』、監督賞は中国の 『Living the Land(英題)』にそれぞれ贈られました。日本のバイヤーの多くの方ももちろん現地でご覧になっていて、それぞれ良い評判が流れていたので、いずれ日本語字幕付きで観られる日が来るかもしれません(他人事っぽい物言い…)。

私が観た作品の中で、ぜひ日本語字幕付きで観たいと思ったのは、パノラマ部門に出ていたオーストラリアのアニメーション『Lesbian Space Princess 』。テディ賞 (最優秀クィア長編映画賞)を受賞しました。内気なヒロインが、異星人(?)に連れ去られた元恋人を奪還しようとする話なのですが、観客は終始ノリノリでドッカンドッカン受けていて、隣の席のあんちゃんは椅子から転げ落ちそうなぐらいの勢いで笑っていました。でも私の貧しい英語力では半分以上のセリフを理解出来ず。誰か買ってくれないだろうか(ふたたび他人事っぽい物言い…)。

ところでザジは何も買わないのか?というと、先週「東京のスタッフに意見を聞いている最中」とお伝えした作品、実は2本あって、権利元からリンクをもらい、宣伝の2人にオンライン試写してもらったのですが、1本は「難しい」との判断が下されて諦め、今は2人も気に入ってくれたもう1本のほうを前向きに検討している最中です。が、私たちが前向きでも、権利元と条件が折り合うとは限りません。はてさて、どうなることやら…。

パディントン駅から、ブリストルへ日帰り小旅行!

ベルリン映画祭での1週間の仕事を終えて、21日㈮ロンドンに移動しました。このまま帰国しても日本は3連休なので、寄り道2泊。ウエストエンドで舞台を1本観るのと(今回は未見だった「The Book of Mormon」)、友人と合流してご飯を食べるぐらいしか予定はなかったので、滞在2日目は急遽小旅行に出かけることを思い立ち、パディントン駅から特急で1時間半あまりのブリストルに行ってみることにしました。何の予習もしていなかったので、現地に向かう車内でネット検索。ふむふむ。バンクシーの生まれた土地なのだな。そういえばNHKのドキュメンタリーで見たことがあったな…。

ということで、ブリストルに着いて街に点在するバンクシー作品を見てまわることにしました。完全に“にわか”ファン(笑)。一番有名と思われる「イヤードラムをつけた少女」と言われる作品(コロナ禍の最中、マスクをかけられて話題になったアレです)を見つけるのに難儀して、5キロは余計に歩いてしまいクタクタになりましたが、なかなか楽しいバンクシー探索でした。

あまりにも何気ない路地の壁なので、通り過ぎてしまいました。

そして、街を歩き回って偶然見つけたロゴ。ブリストルは、「ウォレス&グルミット」や「ひつじのショーン」で有名なアードマン・アニメーションの本拠地でもあったのでした。土曜日だったのでスタジオはひと気がありませんでしたが、しっかり入口で記念撮影して来ました。

帰国してFacebookに、「ブリストルに行ってきました」と書いたら、アニメーションを中心に映画配給をなさっている某社の社長が「Watershedの映画館には行かれましたか?」とコメントを下さったのですが、調べたら80年代にイギリス映画協会等の共同出資で設立された文化施設がウォーターシェッドで、中にはクリエイティブスタジオ、イベントスペース、個性的な映画館などが入っているそう。ランチにどうかな?とチェックしてた店を探してウロウロしている時に、「こんなところに映画館がある」と目の前を通ったことは通ったのですが、ノーチェックでした。教えて下さった配給会社の方には、「仕事じゃなかったんで」と強がってみましたが、ホント、せっかく行ったのに事前に調べてないから、こういうことになる(笑)。

スタジオの入口だけでは、何の有難みもありませんがとりあえず。

ということで、無知を炸裂させてしまったブリストル訪問。次に未知の街を訪ねる時は、レストラン情報ばかり調べてないで、ちゃんとその街の文化的背景を調べてから行くようにしなくては、と思った次第です。

texte de daisuke SHIMURA



いいなと思ったら応援しよう!