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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【11月1日㈬~11月7日㈫】

先週の当通信で予告しました“VIVA VARDA !展”ポストカードセットプレゼントの当選者発表を、昨日行いました。コチラをチェックしてみて下さい!

いよいよ明日11月10日㈮から、ヒューマントラストシネマ有楽町YEBISU GARDEN CINEMAアップリンク吉祥寺kino cinema横浜みなとみらい伏見ミリオン座シネ・リーブル梅田シネ・リーブル神戸京都シネマ、以上全国8館で、『蟻の王』の上映がスタートします。今週は、いつものことながら初日が気になって気になって、落ち着かない日々を過ごしております。あぁ、この世から“初日”がなくなればいいのに…とさえ思います(笑)。が、ここまで来たら腹を括って、その日を迎えたいと思います。どうぞ皆様ご覧頂き、ご感想をお聞かせ下さい!

エットレ役、レオナルド・マルテーゼさんとは、引き続きオンライン登壇の直接交渉を行っております。やはり撮影が忙しいみたいで、なかなか日時をフィックス出来ない状態が続いているのですが、何とか形にしたいです。

パンフレットも完成しました。詩人・作家の小池昌代さんの「蟻と天気雨」と題したエッセイ、東京大学文学部准教授の土肥秀行さんによる「ブライバンティとパゾリーニ」と題した考察、日芸教授の古賀太さんによる「ジャンニ・アメリオ監督の世界」、映画文筆家・児玉美月さんの「はぐれてしまわぬように群れをなす」と題したレビュー、映画への理解が格段と深まること間違いなしの、読み応えあるものばかり。5月のイタリア映画祭来日時に行ったルイジ・ロ・カーショさんへのインタビュー、Fan's voice試写の際に行った レオナルド・マルテーゼさんのオンラインQ&Aの一部抜粋も収録しています。どうぞ劇場でお手に取ってご覧下さい!

A5サイズ 全カラー38ページ 上映劇場で880円(税込)で販売します。

ところで。X(旧ツイッター)に配給作のタイトルを入力して検索、どれだけ話題になってるかをリサーチするのは、どこの宣伝担当の方もやっていると思いますが、今回『蟻の王』を検索すると、極道チックな画ヅラのコミックの情報がたくさん出てきます。月刊少年チャンピオンで連載している、伊藤龍さん作画、塚脇永久さん原作の漫画に同名タイトルの「蟻の王」というのがあるのです。

映画『蟻の王』は、ほぼ原題の(厳密に言えば、英題名「Load of the Ants」の)直訳ですが、邦題を決めるにあたり、イタリア映画祭でご覧下さった一般のお客様にアンケートを取った際、【邦題は「蟻の王」で良いと思うか?】という質問を設けました。過半数の方が【良いと思う】と答えて下さったので、そのまま『蟻の王』を採用したのですが、その過程で同名題の漫画の存在を知りました。なので全く躊躇がなかったワケではなかったのですが、“ターゲットがまったく違うので、混乱することは無いだろう…”という判断の下、邦題を『蟻の王』と決めた次第です。が、昨日11月8日、よりによって映画の公開日の2日前に「蟻の王」コミック17巻が発売になるとは、その当時知る由もありませんでした。現在、X(旧ツイッター)にタイトルを入力して検索すると、8割方はコミックの感想です(笑)。

ちなみに、コミックのほうの内容は、というと、“日本有数の財閥の総帥が亡くなり、彼の忘れ形見である不良少年が、その運命に巻き込まれていく物語”だそう(マンガペディアより)。“権力に逆らい、自らの道を行く人間達を「蟻」と表現し、その蟻の王を目指す男達の生き様を描く”らしいので、実は映画『蟻の王』のテーマと重なる部分もあるのでは?と思ったりしています。これは読んでみる必要がありそうです。が、先ずは今週末からは『蟻の王』と検索すると、映画の感想がどんどん出てくるようになってくれないと困ります!

もうひとつ、Xでサーチしていて見つけたサイトをご紹介します。フリーライター・編集者の大橋由香子さんという方が、『蟻の王』をご紹介下さっていたのですが、そこに【光文社古典新訳文庫】というサイトで大橋さんが連載している「字幕マジックの女たち 映像×多言語×翻訳」という字幕翻訳家の方へのインタビュー記事がリンクされていました。その回のゲストは『蟻の王』の字幕翻訳もして下さっているイタリア映画字幕のベテラン・吉岡芳子さん。これが滅法面白いインタビューで一気に読んでしまいました。

2020年の記事なので『蟻の王』に関する言及があるワケではないのですが、吉岡さんの字幕翻訳に対する想いが分かります。劇中でたびたび登場する主人公アルドと恋人のエットレが交わす詩をどのように訳されたのか、その“こだわり”の一端を垣間見る気がしました。フランス映画社の柴田社長、川喜多和子副社長や、フランス映画字幕翻訳の寺尾次郎さんとのエピソードなど、貴重なお話がいっぱい。ユーモアもたっぷりで「カトーさん・スワさん・どーぞ」というネタ(としか言いようがない。笑)は爆笑です。この連載は中国語字幕の樋口裕子さん、ドイツ語の吉川美奈子さん、ヒンディー語の松岡環さん…、すでに6回を数えている人気連載のようです。他の方の回を読むのも楽しみ!

texte de daisuke SHIMURA


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