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新感染から学ぶ父性
今回のお話
新感染という映画を見られたでしょうか?
新幹線と感染者=ゾンビをかけた上手いタイトルですね。
原題は「釜山行き」です。
タイトル換えではいい例かなと思います。
今回は新感染について話していきます。
父性と人間性
舞台は韓国。
投資会社役員の主人公が娘と釜山に向かう新幹線。
韓国全土がゾンビパンデミックとなり、新幹線にもゾンビは乗ってきて、果たして彼らの命運はというような話です。
ドーンオブザデッドばりにかなり動きが速いタイプのゾンビです。
暗闇だと見えない系のゾンビです。
ただ、この映画は単なるゾンビ怖いね系の映画ではなく考えさせられ、感動できるよくストーリーが練り込まれた映画になっています。
父性=家族を率いる父親としての役割という意味ですが、ここでは守るべきものを持った強い人という意味で使います。
ネタバレにはなってしまいますが、この映画では父性を持った人がどんどん死んでいきます。
そして、身勝手な人ほど生き残ります。
人間性とは極限の状況で現れるといいますが、この映画でもさまざまな人の人間性が描かれています。
自分のことのみを考える人、他人を助ける人などなど。
単に映画の中の表現と捉えずに、現代社会と照らし合わせると高い次元でのメタファーになっていると感じます。
社会で生きているとあまり強く感じることはないかもしれませんが、学歴や収入、大企業に勤めていることなどそれらがあたかも人間の格と捉えられるようになっており、そこに対して突き進むだけになってしまうようになっています。
本当に大切なものがあったとしても忘れがちです。
その本当に大切なものを認識しておくことが大切だと感じました。
最後に
人の怖さ、ゾンビの怖さなどゾンビ映画としてもよく出来ています。
また演出装置として新幹線を密室として使用していることも面白いです。
ミステリーなどで新幹線を密室として使用するケースはあったりしますが、ゾンビ映画でそれを持ってきたのが面白いポイントです。
また釜山に向かうという目的設定を観客に意識させることでどう目的達成するのかという視点を埋め込むことでハラハラドキドキな要素も上手く設定されています。
今までのゾンビ映画にはない設定やメタファー、ストーリー展開でゾンビ映画とカテゴライズしても良いのかというくらい良い作品でした。
人によっては社会風刺とも、父娘の父性の話とも受け取れる多様性もあります。
アカデミー賞でも韓国映画が評価されるようになってきました。
それの一つは恐らく撮影技術かなと感じます。
ハリウッド映画ばりのカットシーンや構図があり、ハリウッド映画好きならスッと観れるものになっています。
休みの日にぜひみてはどうでしょうか。
それでは、また。
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