適切なキャリアとは一体何・・・?
今回のお話
2020年も残りわずかであります。(投稿時2020/12/29)
1年を振り返るなんて際に思うことの一つに「キャリア」があります。
仕事は人生の大半を占めることであり、自分の人生におけるインパクトが大きいことでもあります。そんな仕事をキャリアという「長い道」としてとらえた際に「適切なキャリア」というのは存在するのでしょうか。
また仮に存在したとしてそれは一体どういうものなのでしょうか。
今回は、以下の本を読んで思ったことをまとめていこうかなと思います。
「幸福な仕事選び」への5つのステップとは
著者はキャリア選び(≒会社や職種選択)は、視野狭窄に陥り正しい選択が中々できていないケースが多いと述べています。
確かに、利用可能性ヒューリスティック(手軽な情報だけで選択してしまうなど)や現状維持バイアス(今のままでも十分だよねなど)、インパクトバイアス(憧れはいつまでも憧れではないなど)のように「適切に」情報を処理して選択することが難しいのが、性質としてあります。
そのような性質が人間にはある中で「適職」というのを以下のように定義しています。
個人の幸福が最大化される仕事
幸福を目的関数として最大化問題とみるというのは、一見すると経済学で扱うような捉え方に近しいですね。確かに仕事をしていてどの変数が一番自分自身の幸福(それ自体の定義は個々人で変化するとして)を最大化するのかということはきっちり考えたことは少ないのかもしれませんね。
そのような流れから著者は以下のような5つのステップを通じて選んでいくことが大切だと述べています。
①幻想から覚める(Access the truth)
②未来を広げる(Widen your future)
③悪を取り除く(Avoid evil)
④歪みに気づく(Keep human bias out)
⑤やりがいを再構築する(Engage in your work)
この5つのステップを通してキャリア選択の精度を上げて「正しい」仕事を選び、それを通して人生の幸福を上げることが最大の目的と述べています。
詳細は本書を読んでいただければと思います。
好きなことや給料で選ぶのってOK?
本書によると答えは「No」。様々な研究結果からそれらを批判するものが出ているそうです。こちらも詳細は本書に譲るとして個人の見解を述べていこうかなと思います。
「今の仕事って好きですか?今の職場って好きですか?今の給料に満足していますか?」
と問われたときどう考えるでしょうか。YesもあればNoの場合もあることでしょう。かく言う私自身もYesでありNoである項目があります。
(出展:「満足度・生活の質に関する調査」に関する第4次報告書)
内閣府の調査によると5000万円までは年収増と満足度は上がるみたいなので年収を5000万円まで伸びるまで年収を目標にキャリア選びするのも一つの選択肢なのかもしれません。
ただ一つ目安として考えられるのは、年収が100万上がって満足度が2倍上がるというような比率では上がらないのでそこだけの観点で見ると判断を誤ってしまうケースもあるのかなと思います。
また本書では伸びている業界や強みを活かせる仕事や直感などでキャリア選択するのもよくないと述べています。
では一体何を基準にキャリア選択するのが良いのでしょうか。
それについてもとっかかりとなる項目を挙げてくれています。
仕事の幸福度を決める7つの項目
①仕事に裁量権があるか
②前進している感覚があるか
③モチベーションタイプにあっているか
④なすべきこと、ビジョン、評価軸がはっきりしているか
⑤作業内容にバリエーションはあるか
⑥組織内に助けてくれる友人はいるか
⑦世の中に役立つか
確かにどれも重要な項目ですよね。裁量権というと「自由度」とも言い換えることができますが、自分の仕事のプロセスにどれだけ自由度があるでしょうか。
仕事や職場によっては資料の一字一句チェックされるなんてケースもあるでしょうし、単純にアウトカムだけで評価されるケースもあるでしょう。
裁量権を考えた際に自分のスタイルに合うかどうかという観点で①労働時間②仕事のプロセスの2点がどうなっているのかというのは一つの判断基準になるのかもしれません。
と裁量権について書いてみましたが、個人的にはこの7つの項目に個々人でグラデーションがあるのかなと思っています。
グラデーションというのは、7つの項目で自分が大事だと思う度合いがそれぞれで異なるという意味合いです。裁量が1番大事だと思う人もいれば、社会性が1番大事だと言う人もいることでしょう。
従ってこれらの7つの項目において自分がどこに重要度を持つのかこそが自分なりの適職の選び方なのかもしれません。
最後に
今の職場や仕事で悩んでいたりこのままでいいのかと漠然に思う人は多いかなと思います。そんな中で何もせずに日々を過ごしてしまうともったいないので本書にもあるような7つの項目を基準として様々な選択肢を比較してみるのはいかがでしょうか。
そうすると現職で頑張ることの方向性ややりたいことが決まったり、はたまた新しい職場を求めて転職活動を始めたり、あるいはプライベートの趣味に没頭するのが良いのかもしれません。
年末ということもあり、年末年始のゆっくりとした時間の中で今一度キャリアについて思いを馳せるのもよいのかもしれませんね。
それでは、また。