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双頭の悪魔 ネタバレ・感想

こんにちは、zawatoです。

最近また流行りだしたコロナに罹患してしまいおとなしく療養生活をしています。
あまり外出するタイプの人間ではないのですが、身内もコロナだったので貰ってしまったんだな~という感じです。喉が痛いというよりもムカムカして今まで経験した風邪やインフルエンザとは病状が違い初めての経験だったので最初の方は結構ビビってました(笑)。

小説くらいなら読むことができるくらい回復してきたので、ベットで本を黙々と読んでいます(それしかすることない)。
ではさっそく、読んだ本の感想を書いていきたいと思います。

*感想だけでなくあらすじや内容にも踏み込んでいるのでネタバレ注意です。



はじめに

今回読んだ本は、有栖川有栖さんの「双頭の悪魔」
発行元は創元推理文庫です。

双頭の悪魔 創元推理文庫

有栖川有栖さんの代表作「学生アリス」シリーズの3作目です。

1作目の「月光ゲーム Yの悲劇'88」2作目の「孤島パズル」は読破済みで感想の方もnoteにあるので気になった方はご覧ください。

「双頭の悪魔」のあらすじを読むと2つの村が分断され、江神とマリアが木更村、アリスと望月と織田が夏森村で起きた殺人事件を捜査すると書いてあって面白そう~!となりましたが、探偵がいない夏森村大丈夫かな…。と思ったりマリアがまた事件に遭遇していて心配になりながら読んでました。

では、あらすじ、内容、感想について述べていきたいと思います。

あらすじ

前作『孤島パズル』の事件での傷心により家出して高知県の山奥にある木更村に滞在している有馬麻里亜(マリア)を連れ帰って欲しいと、父親から依頼された英都大学推理小説研究会(EMC)のメンバーたち(江神二郎・望月周平・織田光次郎・有栖川有栖(アリス))は木更村に向かう。しかし、村の住人との間で誤解が生じマリアとの面会を拒絶されたため、嵐と闇夜に乗じて村への潜入を決行する。アリスたちは潜入に失敗し隣の夏森村に追い返されるが、運良く潜入に成功した江神はマリアとの再会を果たし、木更村の住人たちとの間の誤解も解け和解する。

ところが翌朝、江神からの電話を受けたアリスたちが木更村に向かったところ、鉄砲水により木更村と夏森村をつなぐ橋が落ち、互いの村が分断されてしまう。さらに夏森村も土砂崩れにより外界との交通が遮断されてしまう。しかも、電話もつながらず互いの状況を把握できない中、木更村と夏森村でそれぞれ殺人事件が発生する。こうして木更村では江神とマリアが、夏森村ではアリスと望月、織田が、それぞれ事件の真相を解明しようと推理を試みる。

双頭の悪魔 Wikipediaより引用


感想(ネタバレ注意)


〇 個人的に良かった所・驚いた所

● 2つの村で事件が発生する
舞台設定が超良かったですね。2つの村で事件が起きて片方は探偵不在。
探偵がいない中で主人公のアリスが知恵を振り絞って頑張っていてよかったです。アリスたちが事件の推理に苦戦しているのを見て江神さんの凄さを改めて実感しました。

● 交換殺人
最初は全然わからなかったんですけど作中でやたらと江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」が出てくるんですよね。2つの村それぞれ「パノラマ島奇談」に憧れている人物がいることに気づいてそこからもしかして…?と交換殺人の線を疑うようになりました。

● 登場人物の設定が良かった
舞台が2つの村なので登場人物は多かったんですが、キャラクター性がはっきりしている人物が多かったので読むのに困りませんでした。
むしろ読んでいて楽しかったです。今までのシリーズの中で一番「人間」の内面が上手く描写されている作品だと思いました。
特に志度晶、お前だけ西尾維新ワールドから来ただろ。


〇 個人的にう~んとなった所

● Xの動機が弱い
今作では交換殺人が扱われているんですけど、実行犯2人をうまく誘導し仲介していたのが真犯人Xです。
実行犯2人の動機はよかったのですが、このXが結局どんな動機で殺害計画を立てたのかは深堀されていなくて物足りなかったです。

● 犯人が前作も今作も自殺で幕を下ろす
ネタバレすぎるネタバレなんですけど前作の「孤島パズル」も最後犯人が自殺するんですよね。今作も犯人が自殺で最後〆られていたのでオチが弱いな~と思うところはありました。


「読者への挑戦」

今作、読者への挑戦状3つありました(笑)
最初に目次見たときびっくりしました。
はじめはわからなかったんですが、2つ目の事件あたりで交換殺人では?と気づいたので犯人あてには成功しました!やったー。


作中に登場した他者の作品

今作は、小説よりも音楽作品が出てくることが多かったです。
恥ずかしながら音楽に精通していないので、曲名が出てきても全然誰の期作品かわからん!となっていました。

「さようなら、ギャングたち」「ガラスの動物園」「モルグ街の殺人」「パノラマ島奇談」「詩人と狂人たち」

総評

実は感想をまとめてないだけで「学生アリスシリーズ」全作読み終わったんですよね。
その中でも長編シリーズの中だったらこの「双頭の悪魔」が個人的に1番面白かったです。
2つの村で殺人事件が起こりますが、村同士をつなぐ唯一の橋が壊れてそれぞれの村にいる人間で事件の推理をするんですが、アリスがいる村には探偵の江神がいないのでアリス、織田、望月の3人で知恵を出し合って事件を考察しているのが面白かったです。新鮮でした。
全作には織田と望月は登場しなかったので今作でたくさん活躍していたのがうれしかったです。
あと、推理小説研究会意外と好戦的でびっくりしました。文化系サークルって月光ゲームで言ってたじゃん…。すぐ殴り込みに行こうとする。


おわりに

学生アリスシリーズ、次は「女王国の城」ですね。上下巻あって多分今作よりもページ数多いです、大丈夫かな。

マリアが帰って来たと思ったら次は江神がいなくなるんかい。

「女王国の城」上下巻、短編集の「江神二郎の洞察」で現在発表されている「学生アリス」シリーズは制覇なので最後まで頑張りたいと思います!

有栖川有栖著 双頭の悪魔 ネタバレ・感想だいぶ長文になってしまいました。
ここまで読んでくださった方ありがとうございます。

また次回のnoteもよろしくお願いします。

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