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プログラミング作品のアイデアの出し方

ZAWAWORKSアドベントカレンダー10日目の記事です。

僕は「妄想実現家 ZAWA WORKS」として約3年間プログラミングで妄想を叶える装置を発明してきました。

発明品は100作以上あり、2021年には週に3作品の制作を約半年間継続していました。主にTikTokで発信しておりフォロワー4.4万人、総再生回数220万を達成しています(2022年12月10日現在)。

今回は、そんな僕がクリエイター活動をしている中で見つけた「アイデアを出すコツ」があるので、ご紹介したいと思います。

アイデアが出ない人の特徴

インプットが少ない

そもそもなぜアイデアが出ないのでしょうか。根本的な原因は「インプットの少なさ」だと思います。

僕に「アイデアが出ない」と相談してくる人たちは共通してインプットが少ないです。これまで多くの人に「ZAWAさんのようにアイデアを出せる人になりたいんですけど、どうすればいいですか?」と聞かれましたが、「最近どれだけプログラミング作品を見てきました?」と聞き返すと全員が黙ってしまいました。

インプットが少ないと何を制作できるのかわからない

そもそもインプットがなければどういった制作ができるのか想像できません。たとえば「にんじん、玉ねぎ、じゃがいも、豚肉」を使って何か料理を作ってくださいと言われたとします。料理の知識がある人はカレーや肉じゃが、豚汁など多種多様な料理を考えられると思います。一方で、料理の知識がない人はその材料を見ても、それらから何が作れるか想像できないです。

プログラミングも同じで、学校やプログラミングスクール、Webサイトからプログラミング言語や技術を学んでも「この言語を使って何が作れるの?」、「この技術を学んだけど何に役立つの?」と疑問に思った方は多いのではないでしょうか。

コンテストやSNSからたくさんインプットする

まずはプログラミングでどんな作品が制作できるのかを知るべきです。プログラミングのコンテストの過去作を見たり、SNSに投稿されている作品を見たりしましょう。

自分の知ってる限りのプログラミング作品をまとめているサイトを以下に添付します。もしこれらのサイト以外にも役立つサイトがありましたら、ぜひコメントください。

アイデアのフォーマットを作ろう

インプットからアウトプットへ

インプットが大事と述べましたが、具体的に何をインプットしたらいいのでしょうか。そして、インプットをアウトプットに役立てるにはどうすればいいのでしょうか。それらに役立つのが以下のようなフォーマットです。

こちらは「美少女にされたいこと」をテーマにプログラミングまたは電子工作を用いた作品をアイデア出しするためのフォーマットです。

4つの「カテゴリー」(テーマ、プログラミング、電子工作、工作)があり、それぞれのカテゴリーに3つずつ「要素」が入っています。

フォーマットを使った例

実際にフォーマットを用いてどんな作品を作ったのかをまとめます。

セルフでお姉さんになでなでされる装置

ラブレターを大量生産する下駄箱


このようにカテゴリーの数や種類は作りたいものによって異なりますし、要素の数も多いに越したことはないです。

大事なのは、自分の作りたいものをアイデア出ししたいときにどういったカテゴリーが必要なのか考え、そのカテゴリーごとに要素を集めることです。

フォーマットは何をインプットすればいいのかを明確にする

フォーマットを作ったあとはカテゴリーごとに要素を収集する方法を考えます。たとえば「美少女にされたいこと」というカテゴリーの要素を集めるためには何をすればいいのか。僕は色々試した結果、ラブコメ漫画やラブコメアニメ、そしてラブコメを題材としてお笑いコントが適していると結論付けました。現在でもアイデアが枯渇したときは「美少女にされたいことはどこにあるんだ!?」と意識しながら、漫画を読んだりアニメを見たりしています。

他にも役立つ技術をブログやSNSから探したり、工作に使える道具を探しに100均の中を歩き回ったり、日々カテゴリーごとに要素を集めています。どれが適しているのかはわかりませんし、今でも新しい方法はないか探しながらアップデートしています。

このようにフォーマットがあることで、「何を」「どうやって」インプットすればいいのか明確になります。

余談ですが、面白いことに慣れてくると意識せずとも、なんとなく漫画を読んでいたときでも「このシーンでプログラミング作品作れるんじゃないか?」とアイデアが降ってくるようになりました。

アイデアは量とセンス

質より量

アイデアは質より量というのは耳が痛くなるほど聞いてきたのではないでしょうか。

理由としてあげられるのは「質」というものは制作者ではなくユーザが評価するものであるということです。それにも関わらず、制作者が自分の中にある基準だけで決めるのは非常に危険です。

そもそもこの記事のターゲットのような「アイデア出しが苦手な人」が持つ良し悪しの判断基準ほど信用できるものはありません。

量を出してから、その良し悪しを判断しましょう。最初は良し悪しの判断は、身近な人に話してみて反応を伺うのが良いと思います。ただ難しいことに、他人の意見ばかり気にしていたら、自分の軸がなくなりどんなものを作っていいのかわからなくなります。他人の意見も大事ですが、アイデアの良し悪しを判断するためのセンスも鍛える必要があります。

センスは鍛えられる

「センス」という言葉を聞くと、生まれ持った才能と思ってしまうかもしれません。僕も最初はそう思っていました。

センスが才能ではなく努力で身につくことを教えてくれたのは、Takram代表・田川欣哉さんの著書「イノベーション・スキルセット~世界が求めるBTC型人材とその手引き」でした。

こちらの著書では「センスはジャッジ」だと語っています。より詳細に説明すると、センスというのは目の前の事象について「良いか、悪いか」を判断する力なのです。これは田川さんが水野学さん・遠山さんと一緒にパネルディスカッションをしていた際に、お二人が持論として語っていたことらしいです。確認は取れていませんが、こちらのパネルディスカッションのことだと思われます。

センスのトレーニング方法

「イノベーション・スキルセット」ではセンスを鍛える方法を紹介していました。本の中ではデザインの写真集と付箋を用いた方法を紹介していましたが、今回はアレンジしてプログラミング作品とノートアプリ(Scrapboxやnotionなど)を使った方法を紹介します。

1. 良い、悪い、わからないの3つの項目を作る
2. プログラミング作品をまとめたWebサイトやSNSを開く
3. 目に入った作品を3つのうちのどれかに分類する

センスがある人はすぐに「良い、悪い」のどれかに分類できます。一方、センスのない人は「わからない」に分類しがちです。「わからない」が多い人は、「良い、悪い」に分類するように心がけてみましょう。そうすれば自分の好みの傾向がわかります。

さらに上記のトレーニングに慣れてきたら「なんで良い(悪い)と思ったのか?」をきちんと言葉で説明できるようになりましょう。この良いかどうかをすぐに判断して、その理由を説明できる力。それこそがセンスなのです。

センスと他人の評価の共通項を見出す

センスも鍛えて、他人の評価(身近な人の意見、コンテストの結果、SNSのいいね数など)を知るようになると「この作品は個人的には好きだけど、このコンテストでは受賞されないだろうな」、「この作品は好きじゃないけど、Twitterだとバズりそう」みたいなことがわかってきます。

それがわかってくると「自分の好み」かつ「ウケる」作品というのが制作できるようになります。そうすれば「この作品好きじゃないから作りたくないな……」、「作ってるけど本当にウケるのかな……」といった悩みが消え、制作のモチベーションを保つことができます。

アイデア出しの参考になる本

最後にアイデア出しに役立つ本を紹介します。

創造性はどこからくるか

人間のアイデア力についての認知科学の研究をまとめた本です。この本を読むとどういった環境・道具を利用すればアイデアが出やすいのかわかります。

妄想する頭 思考する手

ARの父と呼ばれ、東京大学教授・HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)研究者である暦本純一の著書です。HCIとは、コンピュータによってどうやって人々の体験や生活を変えるのかを研究する分野です。中にはVRやゲームに関する研究もあります。そんなHCI研究のために、どうやってアイデアを出せばいいのか、どう実行するのかの経験則がまとまっています。

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