IFRSとは?
今回は、IFRSについて解説します。
IFRSとは?
IFRSとは、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards)の略称で、国際的に統一された企業の財務諸表の作成基準を示すものです。
IFRSは国際会計基準審議会(IASB)によって策定され、現在は世界中で多くの企業が採用しています。
IFRSの特徴
IFRSの特徴として、以下のような点が挙げられます。
国際的な標準化が進んでいる
IFRSは、世界中の企業が採用することを前提に、国際的に統一された基準が策定されています。これにより、企業の財務諸表の作成が容易になり、国際間での比較が可能になります。
計算基準が明確である
IFRSでは、財務諸表の各項目の計算基準が明確に定義されています。これにより、企業が財務諸表を作成する際には、明確な基準に従って計算を行うことができます。
情報開示が強化されている
IFRSでは、企業が情報開示を行う範囲が拡大されています。例えば、リース契約や金融商品などの情報も開示されるため、企業の業績や財務状況に関する情報がより詳細に明らかになります。
連結財務諸表を作成する
IFRSでは、グループ企業がある場合には、連結財務諸表の作成が必要です。これにより、グループ全体の財務状況が把握できます。
適用範囲が広い
IFRSは、多くの国や地域で採用されています。そのため、国際的に活動する企業にとってはIFRSの適用が必要になります。
IFRSと日本基準の違い
IFRS(国際財務報告基準)と日本基準(日本会計基準)の違いは、以下のような点が挙げられます。
規制の違い
IFRSは国際会計基準審議会(IASB)が制定しており、世界中で広く使われています。一方、日本基準は、日本の金融商品取引法に基づく日本公認会計士協会が制定しています。
記述方法の違い
IFRSは、原則として、「原価・適正価格法」を採用します。日本基準は、「原価法」が基本ですが、「別途評価法」や「一括評価法」も認められています。
規模の違い
IFRSは、大企業向けに作られた報告基準であり、日本基準は、日本国内の企業を対象としています。
有価証券報告書の記載事項の違い
IFRSは、財務諸表の記載内容が多く、細かく規定されています。一方、日本基準は、財務諸表の記載内容が簡略化されているため、IFRSに比べて見やすく、理解しやすいという特徴があります。
開示要件の違い
IFRSは、投資家にとって必要な情報を最大限開示することを求められます。一方、日本基準は、公正性の確保や経営者の秘密保持を考慮し、開示内容が制限されています。
おわりに
IFRSの導入には、企業が適切なソフトウェアやシステムを導入する必要があります。また、IFRSに従った財務諸表の作成には、専門的な知識や技術が必要です。企業がIFRSを採用する場合には、専門家の助言を受けることが望ましいでしょう。
また、IFRSと日本基準には様々な違いがあります。企業がどちらを採用するかは、企業の規模や国際的な活動の有無などによって異なる場合があります。