見出し画像

アミメニシキヘビとかくれんぼと小さな私と

かくれんぼが大好きだ。
40歳男性がnoteに書く書き出しとして
最高に頭がどうかしている書き出しだけど、
私はかくれんぼが大好きだ。

隠れている時のいつ見つかるのかというドキドキ感。
探している相手の何処にいったのかなと探しているドッキリ感が良い。

自分自身の気配を消して、自分自身がその空間の一部になって
隠れて同化している時が一番楽しい。

大人になって体が大きくなったし
もう子供が中学生になったので、流石にやらないけど(笑)
また小さいこどもの時に戻れるならかくれんぼを思いっきり楽しみたい。

押し入れの中、収納スペースの裏。
ふとんやコタツの中。
上級になってくるとこれらを組み合わせて
押し入れにしまっているふとんの中に隠れる。
収納スペースの大きめの段ボールの中もあった。

そう、私は特に『家で行うかくれんぼが大好きだ』

今日あるニュースをみつけて、その童心の時の想いを思い出した。


■アミメニシキヘビ16日ぶり捕獲 飼われていたアパートの屋根裏で

ニシキヘビ見つかって本当に良かったですね。

日頃から物とか動物の視点で何かを見たり考えたり
想像したりするのが大好きなので、このニュースを見た時にまっさきに思った。

小さいの時の私と同じだと。

今日の今日まで記憶の奥の奥に封印されて
忘れかけていた普段は開かない扉が開いた。


あれはたしか、、小学校の低学年ぐらいだったと思う。
家が自営業だったこともあり、仕事が終わって自分を探しに来る
シチュエーションからはじまったかもしれないが、親をビックリさせる為に
隠れている待っていることが多かった。

最初は、ただしゃがんでいたりとかだったのが、
扉の裏側の隠れていたり、お風呂の浴槽に隠れていたり
だんだんと過激にエスカレートしたような気がする。

ある時に私は思った。とことん見つからないように隠れてみよう。

自分の家とお隣さんの家には小さな隙間があって、
その隙間は柔らかい土でできていて、掘っていると家の下あたりに
体を滑り込ませることができた。
服は完全に土に接地しているので完全に汚れたけど、
相当注意深く探さないと見つからないし、何より家の声や様子がわかった。

最初は母親がいつものように自分を探していた気がする。
(よしよし、探しているぞ。見つかってない。ちょうどいいタイミングで飛び出してビックリさせてやろう!)

父親が帰ってきた。なんだか、様子がおかしい。
『家の中にはいない』ということに気づいたようで
家の近くの道などを探し始めている様子だ。

今思えば、このあたりで出ていけば良かったのだけど、
出たら『どうしてこんなことしたの!』となんだか怒られるような気がして
もう少し様子をみることにした。

あたりは暗くなってきた。
表情はよくわからないが、凄く焦っている気がする。
5時の夕方のチャイムは、ずいぶん前になった気がする。
そしてなんだか、猛烈に眠くなってきた・・・。

ふと目を覚ますと、子供ながらにヤバい状態だ。
とわかった。まず、自分を探している人が自分の両親だけでない。
すごく多くの大人が自分のことを探している気がする。

これはマズイ。どうしよう。今、出ていくべきか。
誰か知らない大人の人と一緒にいたことにしちゃおうか。

うん、絶対にそれはマズイ気がする。

取り乱している母親の声が聴こえる。
なんだか、どんでもないことをしてしまった気が気がしてきた。

誰かの大人の声で「けいさつ」という声も聴こえた気がする。

かくれんぼをしていて多くの人に迷惑をかけた罪で私は逮捕されてしまうのだろうか。

ここで更にもっと多くの人に迷惑をかけたり、
また嘘をついていたら、逮捕された後に罪が多くなって
一生牢屋から出られないような気がした。

もう自首してしまおう。また夜になって、とにかく寒いし。

私は、ひょいと穴から出て、土の泥だらけの洋服で静かに家の扉をあけた。

母親は泣いて喜んでくれていて
父親はマグマが爆発したように怒っていた。

懲りない私は、このちょっとした事件から1年後から2年後ぐらいの
家を新築に建て替える時に、完成して両親に引き渡し前の家に
友人たち10人ぐらいで忍び込んで、新築新居の中でかくれんぼを楽しんだ。

当然に家の中はめちゃくちゃ・・・。
この時は両親に勘当されるレベルでめちゃくちゃ怒られて、
もう家の中で友人を招いてかくれんぼをしないことを誓った。


こんな私だからわかるんだ。
たぶんこのアミメニシキヘビも
飼い主さんをビックリさせようとして、
ちょっとしたイタズラ心で天井裏に隠れていたんだけど、
どんどん騒ぎが大きくなって…。
飼い主さんに「ただいま」って言いづらい状態になって。

発見された今は、もうなんだか申し訳ない気持ちで…。
もう飼い主さんと一緒に暮らせないのは、残念だと思うけど
この騒動が終わって安心しているのはこのアミメニシキヘビなんじゃないかな。

私も小さいときに同じような経験したから、よくわかるよ。本当に。

いいなと思ったら応援しよう!

石澤大輔
サポートめちゃくちゃ嬉しいのですが【面白い】と思っていただいた場合は『フォロワーになる』『SNSなどで紹介する』『ハートマークを押す(note会員じゃなくてもOK)』が励みになります!読んでいただきありがとうございます!