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0メートルの旅と私と人生と

人生が変わった運命の1日と呼ばれるものがある。

人生は選択の連続で、日々の行動、出会いによってその後が大きく変わったりする。

私には忘れられない1日がある。

それは2019年5月11日のことだった。

検索エンジンのヤフーを見ていたら、1つの記事を発見した。
「ねとらぼ」の記事がヤフーで紹介されて、そして私は釘付けになった。


バカは高いところが好きというが、僕はもちろん好きだ。さらにいうと、高いところから飛び降りるのが好きだ。鳥のように飛びたいとかそういうのじゃなくて、ただ高いところから落ちていきたい。僕の身体は地球の引力には到底逆らえなくて、物理法則の言われるがまま墜落していく。そういう大きなものに、この身を委ねる快感がたまらないのだ。

空に命綱1つで飛び込んでいく衝撃的な写真と、ぐいと引き付けられる最初の書き出し。

私はこの記事が本当に大好きで何回も何回も、その日のうちに繰り返し読んだ

ヤフーのコメントは絶賛の嵐だった。ヤフーの絶賛コメントを見ていると私が感じた感動を全く知らない誰かと共有できているような感覚で、普段はそんな事をしないのにヤフーに書かれた膨大なコメントの1つ1つを追うように読んだ

この記事を書いた人は【岡田悠】さんという会社員の方で
専門のライターさんや作家さんで無いことにも凄くビックリした。

もうその日のうちにTwitterをフォローして、
岡田悠さんが書いた他の記事が無いかをすぐに探した

どうやら、noteというサービスで【岡田悠】さんがいくつか他の記事を書いているらしい。岡田悠さんの他の記事を見た。凄いどれも文学的でそしてユーモアに溢れていて
めちゃくちゃ面白い!!!岡田悠さんの新作が他にもみたい!

あの日の焼きそばと「PV=C/(r-g)」 

2019年5月25日に待望の新作をnoteで読むことができた。

結果的にこのエッセイは「社会人1年目の私へ」というコンテストで審査員賞を受賞することになるのだが、読んだ時の感動といったら、どのように表現して良いかわからない。
1つ言えるのは私はこのエッセイを読んで、こんな素敵な誰かを感動させるような、
誰かに影響を与えられるような記事を書きたくてnoteをはじめたということだ。

作ったnoteには、自分が今まで他のブログサービスやSNSで書いた内容を改めて書き直したり、全くどこにも書いていない内容を書いたりして記事を作ったりした。
会社の人や周りの友人の何人かは読んでくれて反応が面白く、更新をしていたけど
はじめて3ヶ月4ヶ月ぐらいしたら、もうnoteを続けていくモチベーションが無くなりつつあって自分の飽きっぽさに呆れていた。

私自身の仕事の中で重要視していた、自信があった社内コンテストでも大賞が受賞できずにもう気分はどん底だった。

秋の寒さは例年以上により厳しく感じていて日々の無力感がとにかく強かった。

そんなある日に岡田悠さんのTwitterで「noteのつづけ方」というイベントを行うという告知があった。これだ!!!
すぐに申し込みをした。

【noteイベント】「noteのつづけ方3」2019/11/18

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憧れの岡田悠さんについにお会いできて写真も撮らせていただいて、
イベント中やイベント終了後には「岡田悠さんのここが素晴らしい」と参加者の何人かで語り合っていたら、岡田さんも交えて近くの中華屋さんにみんなで食事会まで行くことができた。
思い出に残る凄くステキなイベントだった。

だいたい人は一度会えば、その人がどんな人なのかがわかることができて
私は岡田悠さんと実際にお会いできて人柄にもひかれて益々ファンになった。

ある日、岡田さんが本を出したいと呟いた。
昨年2020年12月のことだ。

私も岡田悠さんの本が読みたいと本当に願った。

それから何日かした『2019年12月17日
岡田さんが勤務している会社が新規上場する日に下記のイベントがあった。

もちろん私は参加した。恥ずかしながらこのイベントをきっかけで『開高健』さんを知ることになる。作家 開高健の魅力がわかるイベントだった。

ビギナーズKAIKO! 渋谷でまるごと開高健 

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イベントでは開高健の本の中で岡田悠さんは開高健の旅のエッセイ本である
『地球はグラスのふちを回る』を好きだとして紹介をしていた。

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旅は男の船であり、港である
(開高健 著:地球はグラスのふちを回るより抜粋)

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心はうつろなまま文化と出会えないまま、そういう旅をしてしまう危険は逆に多くなった。

これは、だめ。いかんな。新鮮な驚きが生まれてこないもの。驚く心がなかったら、旅の意味はほとんどないものね。別種の文化と接することとは、驚くことなんだ。

驚く心、見る目を持ちなさい。
少年の心で、大人の財布で歩きなさい。

(開高健 著:地球はグラスのふちを回るより抜粋)


『地球はグラスのふちを回る』の中から印象的な文章と「旅とは何か」開高健が考える旅。岡田悠さんが感じて考える旅を登壇者として紹介していた。

旅と思えばそれは旅だ


岡田悠さんのCakes連載のタイトルは『旅と思えばそれは旅だ』である。
岡田さんらしいタイトル。

2020年は怒涛の年で、
結婚の発表、南極への新婚旅行
岸田奈美さんへの返書のようなnoteも話題になった

冬がはじまるよ~Google Homeで、槇原敬之が聴こえたら~


結婚式を自粛したら、突然Zoomで式が開催された話

この話はNHKの番組(首都圏情報ネタドリ!)で取り上げられたり

痛快TV スカッとジャパン」で再現ドラマを交えて
フジテレビでのゴールデンタイムで放送されたりもした。(2020年6月22日(月)放送)

そして非常事態宣言で緊迫していた4月30日にはエアロバイクで日本縦断の旅に出た。

エアロバイクをGoogleマップに連携して日本縦断の旅に出ます

『旅と思えばそれは旅だ』の岡田さんのCakes連載のタイトルのように
「リアルな旅も室内での日本縦断旅行も『旅と思えばそれは旅だ』」と
楽しむことができるのが岡田悠さんの魅力なのだと思う。

そんな岡田さんが本を出版するという。

しかもそれがダイヤモンド社さんからで
担当編集者が「今野良介さん」というからよりビックリだ。
11月の寒さに震えながら私は久しぶりにツイートをみて文字通り絶叫した
あるいは、寒さじゃない何かで震えていたのかもしれない。

昨年からの願いが現実になった瞬間だった。
しかも「今野良介」さんが編集者で。


さきほど書いた岡田悠さんのイベント「noteのつづけ方3」に参加した後に
前向きな気持ちになった私は何冊かの本を購入した。
その中で私が『人生が変わった』と感じることになる本と出会う。

その本が「今野良介」さんが編集者
「読みたいことを、書けばいい。」(田中泰延さん:著)である。

この感動は、きっと私にしかわからない
勝手に私の中で最高のドラマとして解釈されていれば良い事だと思う。

ただ、私の中で待ち望んでいた大ファンのライターさんの初著書
大好きな編集者さんによって発売される感動は何物にも代えがたい。

それは本当に絶叫するレベルの感動で
本当に素晴らしいことなのだ。

この本との出会いにも本当に感謝したい


『0メートルの旅』は岡田悠さんの定義する「旅とは」という魅力が充分に詰まった1冊だ。
本の手触りから章ごとに異なる紙質や紙の色、フォントまでも異なる。
ページ数が手書き風のフォントになっている章もある。

今野さんは「今年中にどうしても出版したかった」と呟いていた。
世の中の状況がこんな状況だからこそ、「旅とは何か」を問いかける意味
が非常に大きなものであると私は解釈した。

人生も旅も不確定要素があり、予定通りにいかないことが多い。
特に今年ほど「予定通りにいかない」不確定要素が大きい年も無いだろう。

どんなアクシデントにもその偶然の出来事の連続に
自分なりの解釈を行い『楽しんでいく』という姿勢や気概が大事なのではないか。

だけど、常にそんな前向きな気持ちになれることばかりではない
特に残酷なまでに現実は厳しい状況を作ることがある。それが今この状況だ。

そんな時でもせめて本の中では。本から現実に飛び出して、
少しでも前向きな気持ちで「旅はつらいことばかりじゃないから

人生もつらいことばかりじゃないから。

この本のページの紙質、紙の色、フォントのように
人生もページをめくれば章が変わって、新しい物語が違う状況ではじまることもある。

そんな全ての解釈は、自分が人生を。人生を旅に置き換えて。
この人生の旅をどのように楽しんでいくかという凄く重要な考え方に繋がると感じた。

全ては自分の解釈だ。


この本にも書かれている重要なシーンだと私が考えている場面

岡田さんが最初の旅で訪れたモロッコにて荷物を盗難にあってしまう。


目を覚ますと1時間以上が経過していた。幸い寝過ごしてはいないようだ。ガイドブックを取り出そうと、棚に乗せたバックパックに手を伸ばしたところ空をつかんだ。冷たい予感が背筋に走る。慌てて立ち上がって確かめると、そこにあるはずのバックパックはなくなっていた。防犯のため幾重にも巻きつけておいたチェーンは見事にすっぱり切断されている。盗まれたのだ。
あれだけバックパッカーに憧れた僕は、早々にバックパッカーではなくなった。
駅員に喚いて、そしたら怒鳴り返されて。次の駅で警察に駆け込んで、そしたら軽くあしらわれて。なすすべもなく困り果てた。幸い貴重品類はポシェットに忍ばせていたものの、着替えもガイドブックも全て失った。
(0メートルの旅 P57より抜粋)


最初の旅でこんなに悲惨な体験をした岡田さんが以降、70か国を訪れるほどに旅の魅力に取りつかれていく。

全ては自分の解釈だ

現実に起こること。自分自身が感じて考えること。
これは別物なのだ。

現実に起こっていることは変えることはできないけれど
自分の捉え方や考え方、解釈のすべては変えることができる。


もっと人生という旅を自由に楽しもう!!!

そんな力強いメッセージを本からもらうことができる素晴らしい本だ。

このnoteを読んでくれているみなさんに岡田悠さんの旅の中で
どうしても紹介してしておきたい印象的な一節があるので紹介したい。


 Everyday Do Something That Reminds You You’re still ALIVE.
 (毎日、自分が生きてると感じることをやるんだ)

あの日みた、この言葉に励まされて、私も日々を過ごしている。解釈の中で自分自身の人生をデザインしていく。私は生きているように生きるのだ


もう少し子供が大きくなって、自分の人生や旅について考えている時に
この本を子供に紹介するのが本当に楽しみだ想像するだけでワクワクする。

本からどんな言葉を聴いて、どんな考えを持つだろうか。
そんな私の中の0メートルの旅はいつに出発できるだろうか。
本という旅行券を手に幸せにその日を待つ。


人生や旅について語りあえるその日まで。

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石澤大輔
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