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孫としての振る舞い方~ティッシュに包まれたお小遣いの受け取り方~

こんにちは。
皆さん、おじいちゃんおばあちゃんは好きですか?普段から関りがありますか?
私は小さいころから比較的近い距離に祖父母がおり、学校から帰ればまずは祖父母宅へいき夕飯を食べ、19時20時頃に親が帰ってきたら自宅に戻るなんてことをしていました。
大学進学後は少し離れてしまいましたが、今でもゴールデンウイークやお盆、お正月などの長期休暇は帰省し、顔を合わせています。
比較的良好な関係を築いていたと思いますが、いつまで経ってもどのように振舞ったら良いのかわからない毎度のイベントがありました。
それが、【おばあちゃんからのお小遣い】です。皆さんも一度くらいはおばあちゃんからお小遣いをもらったことがあるのではないでしょうか。そして、そのお小遣いはなぜかティッシュに包まれていませんでしたか?

はい!包まれてました!

そして、おじいちゃんや私の両親には内緒という謎の一言も添えられていたと思います(私は添えられていました)。
おそらく小さいころに友達と遊びにいくからと言ってもらった数百円は笑顔で受け取っていました。ただ、大学進学以降会える数が少なくなるとその金額が徐々に増え、最近は1万円になりました。おばあちゃんは交通費と言って渡してきますが、私が帰省しても往復で2500円程度なのでめちゃくちゃ余ります。こんなに交通費はかからないと思いつつも、返すなんて失礼だし、どういう態度・顔・気持ちで受け取っていいのかずっとモヤモヤしていました。
ようやく自分の中で答えが見つかったので共有したいと思います。

結論

早速結論ですが、【笑顔で受け取る】です。シンプル!!!
おばあちゃんと何度もやりとりをする中で、何度もモヤモヤしながら出した答えです。以下、結論に至るまでのプロセスを書きました。

小学生~高校生

この頃は比較的笑顔で喜んで受け取っていました。お年玉がいつまであったか覚えていませんが、ありがとう!と素直に受け取っていました。まだまだモヤモヤしていなかった頃です。おばあちゃんの気持ちを素直に受けとれていました。もちろんそんなに大きな金額ではなかったと思いますが、金額の大小は関係なかった気がします。

大学生~社会人3年目

この頃から離れて暮らし、会える頻度が急激に減りました。大学生の頃は長期休みは必ず帰省していましたが、社会人になると仕事がかなり忙しかったこともあり、帰省しないタイミングもありました。もらえる金額もこの頃から1万円になった気がします。大学生や社会人になりたての自分にとって1万円はかなり大きな金額で、嬉しい気持ちもありましたが申し訳ない気持ちが強くなっていました。それでも毎回帰りの線香をあげると、呼び止められてティッシュにくるんだお金をくれました。この頃は一度受け取りをやんわり断る姿勢を見せていました。私にとってはそれが、マナーのように感じられていました。

以下会話例です。
私:じゃあ帰るねー。
祖母:ちょっと、ほれ、これ。(ティッシュにくるまれたお金を差し出す)
私:大丈夫だよ。この前ももらったし、悪いよ。
祖母:いいから、ほら、早く。(時にはポケットにねじ込む)
私:ありがとう、、、(仕方ない感じを出し受け取るorねじこまれる)

はい。こんな感じです。
今思えば失礼なやつですね。申し訳なくなります。人の思いを仕方ないなあみたいな感じで受け取る。これでおばあちゃんがいい気持ちになるはずがありません。ごめんなさい。

それでもその時の自分はそう対応してしまっていました。いくら親族とはいえ大金をそう何度も受け取ることは良くないこと、お金をもらいに帰省していると思われたくないといった気持ちがあったのだと思います。
しかもそのお金は特になにに使うでもなく、普通の生活費の足しになっていました。交通費やスーパーでの買い物、携帯代なんかに消えていたと思います。非常に申し訳なかったです。
そんな期間を経て、私にも転機が訪れます。

社会人4年目

私は社会人3年目の終わりころに転職し、働き方が改善されたことで、体力的にも仕事のスケジュール的にも余裕ができ、しっかりと帰省するようになりました。相変わらずおばあちゃんはお金をくれますが、おばあちゃんにも少しずつ変化がありました。老いからくる軽い認知症ですね。自分の名前などは覚えていてくれました(今も覚えてくれています)が、短期記憶が明らかに衰えていきました。今さっき聞いたことをまた聞いたり、同じものを何度も渡してこようとしたりといったことです。ただ、おばあちゃんとしては「私はまだ元気だ」という思いが、会話から伝わってきていました。確かにこれといって病気もないし、日課のように散歩もしていました。私は帰省するといっても3ヶ月~4ヶ月に一度ですので、私には目に見えてその老いが感じられました。
そこで、ある出来事がおきます。いつものように帰り際に線香をあげると、お金をくれました。先ほどの、一回は受け取りを断る会話をしてお金を受け取り、帰る準備をしているとまたおばあちゃんがお金を渡そうとしてくるのです。まだ渡していないからと。さすがに悪いと思い、おばあちゃんさっきももらったよ、と明確に受け取りを拒否しました。本当に?と聞き返されましたが、本当だよと伝えました。結局この時は受け取らなかったのですが、明らかにおばあちゃんが悲しい顔をしたのが自分でもわかりました。私が受け取らなかったことが単純に悲しかったのかもしれませんが、自分が老いていることを突き付けられたことも悲しかったのではないかと思いました。

おばあちゃんを悲しませてしまったと悩んでいることを妻に相談すると、そんなの受け取ればいいんだよと一蹴されました。どうすればいいかわからなかった私にとっては、驚きのアドバイスでした。
でも確かにそうだとも思いました。例えば大学や会社の後輩にご飯を奢るといった機会があった時に、気持ちよくありがとうございます!と言われるのと、しぶしぶお礼を言われるのでは、奢った方の気持ちも変わってくるなと、自分に置き換えて納得できました。
受け取ることでおばあちゃんの生活に支障がないのであれば、気持ちよく受け取ることが孫としての役目なのではないか。それでおばあちゃんが喜ぶのであればwin-winだと思いました。
それ以降私は笑顔で受け取るようになりました。

現在

私は現在29歳で、おばあちゃんは90を超えましたが、今でもおばあちゃんはお金をくれます。私は笑顔で受け取っています。今年の初めに祖父が亡くなってしまい、気落ちしていないか心配でしたが、まだまだ元気そうです。私はおばあちゃんにもらったお金でおばあちゃんが好きないちごを買ってきたり、ケーキを買ってきたりしています。おじいちゃんにも生前好きだったかぼちゃプリン買ってきてお供えしています。そして、余ったお金は基本ためていて、日々の生活ではなく旅行にでかけたときや特別な外食の時など、思い出に残るものに使うようにしています。
あとは、なぜかやたらと家にあるみかんやビニール袋に入れた大量のキュウリ、6袋中2袋が食べられた柿ピーなどなどあらゆるものを受け取るようにしています。もちろんしっかり(時にはがんばって)食べきるようにしています。
それが今の自分の正解だと思っています。

まとめ

まだ私は孫がいないので、孫に対する気持ちはわかりません。それでも精一杯孫の立場からおばあちゃんの気持ちを考え、立ち振る舞っています。もちろん色々な事情があり、その都度必要な対応は変わると思います。孫破産なんて言葉もあるくらいですから、明らかにおかしな行動に対しては、時には毅然と対応することも必要かもしれません。
ただ、ある程度の援助は気持ちよく受け取ることが大事だと私は思います。少しでも援助できることがおばあちゃんにとっては嬉しいことであり、生き甲斐に近いものかもしれないからです。わざわざ遠くから来てくれた孫に少しでもお金を渡したいのです。孫の役に立ちたいのです。
そうなれば、お金を受け取ること、自分の役に立たせてあげること(何様)が孫の役目だと思います。
皆さんもこの年末はおじいちゃん・おばあちゃんに会いに行ってはいかがでしょうか。

ps:なぜお金がティッシュにくるまれているのかは謎のままです。そのまま渡すのは流石にはしたないが、封筒やポチ袋を用意するほどのことでもないといったような具合でしょうか。わかりません。おばあちゃんに聞いてもわからなさそうな気もします。逆の立場になり、気持ちがわかることを楽しみにします。

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