![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153020358/rectangle_large_type_2_8a6f796eba7736bc8ee8b64737e23739.png?width=1200)
イゾルデ初動はもう古い!?アンジェリカ初動焔聖騎士で戦おう【中級編】
焔聖騎士。それは「先行番長」「イゾルデにうららで死」「アドリブ展開難しすぎ」と言われるシンクロ/リンクテーマ。
この記事では現代遊戯王(2024年9月)における最先端の純焔聖騎士の構築、及びその展開ルートを紹介する。既にテーマ内カードの名前や効果を知っている前提で話を進めるため、正式なカード名の表記は行わず、略称・俗称を用いさせて頂きたい。(例:シャルル大帝→大帝、焔聖騎士-リッチャルデット→リッチャル)
また、この記事はあくまで一人の手により書かれた主観的なものであるため、これが焔聖騎士の最も強い形であると断言することはできないことに留意すること。
関連記事:
イゾルデ初動で大暴れ、焔聖騎士で戦おう!【初級編】|zaty
誘発受けてもなんのその!焔聖騎士でアドリブ展開【上級編】|zaty
筆者実績:
マスターデュエルSeason32, 最終レート1702【焔聖騎士】
日本選手権2024予選突破【罪宝焔聖騎士】
アンジェリカを出そう
この項で話すのは今回の構築/展開のどこが強いのかという理論の話であるため、そういった小難しい話が面倒で「とりあえず展開と構築を知りたい」と言う方は展開例の項まで読み飛ばしていただいて問題ない。しかしここには誘発貫通ルートの話が多少絡んでくるため、後からでも読んでいただけると幸いだ。
アンジェリカとは
![](https://assets.st-note.com/img/1725414131-cVb2vN0WfAgyLBqC6XDiehUa.png?width=1200)
《聖剣を巡る王姫アンジェリカ》
シンクロ・効果モンスター
星5/炎属性/戦士族/攻1200/守2400
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「焔聖騎士帝-シャルル」のカード名が記されたカードまたは「オリファンの角笛」1枚を手札に加える。
(2):フィールドのこのカードが攻撃・効果の対象になった時に発動できる。
デッキから戦士族・炎属性モンスター1体を墓地へ送り、このカードをエンドフェイズまで除外する。
その後、デッキ・EXデッキから「ローラン」モンスター1体を特殊召喚できる。
《聖剣を巡る王姫アンジェリカ》は素材指定のない5シンクロであり、この1体のS召喚が成功すれば《シャルル大帝》の成立までが確約される、現代焔聖騎士における最重要モンスターである。多くの人はイゾルデが最も強いと考えているかもしれないが、それはとんでもない勘違いだ。
仮にイゾルデの効果が通っても、その後アンジェリカの効果が止められれば大帝を出すことはできない。逆にイゾルデの効果が止められても、アンジェリカの効果が通れば大帝を出すことができる。【初級編】で紹介したようなYouTubeでよく見る動きは要するに「イゾルデ=アンジェリカを安定して出すための道具」として扱っているに過ぎないのだ。
ではここで発想を逆転させよう。アンジェリカを出すためにイゾルデを使う必要がなかった場合、誘発受けはどうなるのだろうか…?
アンジェリカ初動が重要である理由
イゾルデ初動の焔聖騎士がイゾルデ(2)への泡影うらら1枚で止まって0妨害エンドになってしまうことは、皆さんご存じのことと思う。それに対しアンジェリカは、S召喚が成立した時点で誘発1回の貫通がほぼ確約されているのである。
簡単に理屈を言えばイゾルデを素材にアンジェリカを出すことはできないが、アンジェリカを素材にイゾルデを出すことはできる、ということに尽きる。2つのデッキへ触る効果を武器とし、基本展開から逸れてもなんとかイゾルデに繋げて誤魔化せるのがアンジェリカの強みと言えるだろう。
具体的な話をしよう。まずアンジェリカを出すためには1+4のシンクロ算をする必要があり、焔聖騎士でこれを行うということは、レベル4の焔聖騎士が素材として墓地に送られることになる。つまりアンジェリカ(2)効果を発動するためにアンジェリカを対象にとる手段が存在する、ということだ。
この状態でS召喚したアンジェリカに対し、想定される誘発は大きく分けて2つ。泡影/ヴェーラーによる効果全無効か、うららによる(1)と(2)の片側無効である。
一番こちら側に都合が良いのは(1)に対する泡影/ヴェーラー。これらは対象にとる効果であるため(2)効果をチェーン3で発動することができ、(2)を勝手に発動させてもらえた上でアンジェリカが除外されて(1)効果も通ることになる。つまり泡影/ヴェーラーでは(1)をスルーして(2)を止めることしかできないのである。
逆に一番面倒なのは(1)に対するうらら。実はこれだけは確定貫通はできない……のだが、大半の場合は貫通して最低限墓地咎姫、手札が良ければ大帝まで繋げることができる。細かいことは省くが、アンジェリカを対象にとる手段や自己特殊召喚可能な戦士族が追加で1枚存在すれば貫通となり、それはこのデッキにおいて非常に容易なものである。
最後に泡影/ヴェーラー/うららで(2)が止められた場合。これは(1)でサーチした博物館からデュランダルを経由してテュルパンなどをサーチし、イゾルデからなんやかんやで大帝の成立が確約される。
色々と話したが、焔聖騎士がアンジェリカを初動にした場合は増Gとγ以外のほとんどの妨害を貫通できる、ということだけでも覚えておいてほしい。これは後手捲りに関しても言えることであり、アンジェリカさえ成立すれば2妨害は踏めると思って良いだろう。
また、別にイゾルデ初動の動きができない構築になっているわけではないため、レベル1しかいなかったりチューナーが引けなかった時は相手が誘発を引けていないことを祈って【初級編】で紹介した通りの展開をするのも良いだろう。渋々といった顔でイゾルデ初動をすれば相手はブチ切れ間違いなし!
アンジェリカをどうやって出すのか
アンジェリカは素材指定がないことから、一応は《原罪宝-スネークアイ》からの《TGロケット・サラマンダー》等、様々な方法で出すことができる。しかし先述のアンジェリカ初動をする理由をお読みになった方ならご存じの通り、そのやり方で出すアンジェリカは弱い。(2)効果のトリガーとなる、アンジェリカを対象にとる手段がないからだ。
よってこの項では純焔聖騎士における「どんな手札の時ならアンジェリカを初動にできるのか」を話すこととする。なお、この組み合わせを確保するためにデュランダルを使用することは問題ないが、先行では通常召喚するレベル4をデュランダルでサーチできないことに注意すること。
・レベル4非チューナー+レベル1チューナー
これが最も基本的な初動となる。具体的には「オジエ, テュルパン, モージ」+「リナルド, オリヴィエ+コスト」の組み合わせである。レベル4を通常召喚し、その後レベル1を特殊召喚することでS素材が揃う。オリヴィエのコストは墓地から装備化した焔聖騎士モンスターでも良いため、「オジエ+オリヴィエ」は2枚初動と言える。なお「オジエ+リナルド」が最も理想的な初動だ。
また「オリヴィエ+コスト+デュランダル」も初動となる。先にオリヴィエを特殊召喚することでデュランダルの装備先を確保し、オジエ等のレベル4をサーチして通常召喚を行う。大抵の場合、コストとは素引きした制圧装備が該当する。
・レベル4チューナー+レベル1非チューナー
要するに「オリヴィエ+キリビ」である。オリヴィエを通常召喚し、キリビを特殊召喚することで成立。オリヴィエの自己特殊召喚効果を温存したまま展開することから、後々オリヴィエを墓地から回収することでバロネス用の1チューナーを確保できることが特徴。
一応「ドロバ+リッチャル+レベル4焔聖騎士」も緊急時の初動として申し分ない。
・レベル4非チューナー+レベル1非チューナー
要するに「オジエ+キリビ」である。オジエの効果でテュルパンを墓地へ送り、キリビを特殊召喚。テュルパンを装備することでチューナー扱いにしてS召喚を行う。
イゾルデを先に出す手札
イゾルデは出せるがアンジェリカを出すことができない、そんな手札も多いだろう。また、リッチャルが絡んだ時は「無理すればアンジェリカ先出しできる」といった手札にもなるかもしれない。だがそんな時には落ち着いて、イゾルデを出してほしい。イゾルデは決して最終盤面が弱くなる初動ではないのだから。
・レベル1しかいない
「リッチャル, リナルド, キリビ」の中から2体が手札に来たパターン。リッチャルがイゾルデの素材になればオジエやアンジェリカで墓地に落とすカードに余裕ができ、最終盤面にゴッフェニが立つこともあるだろう。
・レベル4しかいない
「オジエ+レベル4非チューナー焔聖騎士」や「オジエ+装備魔法」、「リッチャル+レベル4焔聖騎士x2」などが該当。オジエの効果で墓地にリッチャルやテュルパンを墓地へを送るなど、要するにレベル4が2体場に出る初動。リッチャル、テュルパンの効果をここで使用した上でイゾルデ初動になるため、後の動きの自由度が低い。
・チューナー/非チューナーしかいない
「リナルド+オリヴィエ」や「リッチャル+オリヴィエ+コスト」、「テュルパン, モージ」+「キリビ」が該当。諦めてイゾルデを出すこと。
・とても分かりにくいがイゾルデを出せる手札
「博物館+装備魔法+手札誘発」「リッチャル+オジエ」などが該当。具体的な展開方法は省略するが、要するに剛炎の剣士等の戦士族リンクを経由してからイゾルデを出すアドリブ展開。前者に関しては戦士族縛りがつくことを考慮し、デュランダルのサーチ先をテュルパンにすること。
・その他注意事項
「リッチャル+キリビ+テュルパン」などイゾルデ初動+リッチャルの場合、無理をすれば先にアンジェリカへ繋げることも可能なこともある。そんな時は基本的にリッチャルを通常召喚し、手札にレベル4を温存したままイゾルデにした方が誘発受けが良くなる。いつでもレベル4を出力できるという安心感は大きい。
アンジェリカ初動展開例
基本的にオジエ+リナルドでニビルケアしつつ展開することに全力を注ぎたい。テュルパンを素引きした時など、多少の下振れ/上振れも発生する。
オジエ+リナルド
①オジエを通常召喚し、ゴッフェニを墓地へ。
②リナルドを特殊召喚し、ゴッフェニを回収。そのままアンジェリカをS召喚し、博物館サーチ。
※ここにうららが来た場合は装備状態のオジエをコストにゴッフェニss、アンジェ+ゴッフェニ→イゾルデ、イゾルデでテュルパンss、イゾルデ+テュルパン→咎姫でアンジェ蘇生、テュルパンでアンジェを対象にとりモージを墓地へ送り、モージ装備化によりテュルパンss、導ローラン+テュルパン→騎士帝、導ローラン装備で大帝……という流れで大帝+墓地咎姫+制圧装備の盤面となる。
③博物館でデュランダルをサーチし、デュランダルでキリビをサーチ。
※テュルパン素引きならオリヴィエ、オリヴィエ素引きならテュルパンサーチ。キリビssの際、代わりにテュルパンコストでオリヴィエをssし、そのままテュルパンでアンジェを対象にとってアンジェの効果起動。テュルパンを自己ssして騎士帝をS召喚&大帝L召喚。博物館で出力した騎士帝+オリヴィエでイゾルデにして墓地や場を整えていく。
④デュランダルをコストにゴッフェニを特殊召喚し、墓地のオジエをゴッフェニに装備(4回目の召喚でモンスター効果無効破壊を構え、ニビルケア)
⑤キリビを特殊召喚し、アンジェリカ+キリビでイゾルデをL召喚。イゾルデのサーチ先は自由だが、今後使うことのないオジエやリッチャルがおススメ。
⑥イゾルデの効果で制圧装備やギアブレードを含むコストを落としつつ、テュルパンを特殊召喚。ギアブレードを回収。
※ここに泡影が来た場合は咎姫のL素材にゴッフェニを用い、ギアブレードでアンジェを対象にとり、アンジェで墓地に送ったレベル4を博物館でssすることで騎士帝を作る。
⑦イゾルデ+テュルパンで咎姫をL召喚し、咎姫でアンジェリカを特殊召喚。
⑧テュルパンでアンジェリカを対象にとり、アンジェリカ効果でモージを墓地へ送り、導ローランを特殊召喚。モージ効果で装備魔法を戻して1ドロー。
⑨テュルパンを墓地から特殊召喚し、導ローラン+テュルパンで騎士帝をS召喚。
※テュルパンのss条件はゴッフェニに装備したオジエで達成しているため、ここまでの過程でゴッフェニ効果を使用した場合はゴッフェニにモージを装備すること。
⑩導ローランを装備した騎士帝で咎姫を破壊し、そのまま大帝をL召喚。
⑪博物館効果で騎士帝を特殊召喚し、騎士帝にギアブレードを装備。そのまま2体目の大帝をL召喚。
⑫一体目の大帝にモージを装備させ、エンドフェイズへ。大帝へ墓地の制圧装備とオリヴィエを装備し、アンジェリカが帰還。
展開終了
最終盤面:
・モンスター効果無効破壊 x1 byゴッフェニ
・魔法罠無効破壊 x2 by大帝
・半フリチェ破壊 x1 by大帝&導ローラン
・墓地咎姫
・制圧装備
※相手ターンにモージを墓地へ送ることにより1ドロー可能
オジエ+デュランダル
この初手でもデュランダルでリナルドをサーチすればオジエ+リナルド初動のように最速でゴッフェニへアクセスする動きは可能だが、その場合デュランダルにうららが来た時点で詰みとなる。そのため、以下の動きをすることでどこにうららが来ても最低限の妨害を構えるようにしたい。
①オジエ通常召喚、テュルパンを墓地へ。
※ここにうららが来た場合はリナルドをサーチしてデュランダルを回収しながらアンジェリカへ
②デュランダルでオリヴィエをサーチし、テュルパン(装備)をコストに特殊召喚。
※デュランダルにうららが来た場合は墓地のテュルパンを特殊召喚し、イゾルデへ。イゾルデはリッチャルを特殊召喚し、騎士帝の素材は博物館で出力したレベル4を用いる。
③オジエ+オリヴィエでアンジェリカをS召喚。博物館をサーチ。博物館でアルマスをサーチ。
※ここにうららが来た場合は2択。どちらが正解というのはないが、なんやかんや耐性でゴリ押せる2の方が強いと考えている。
1:アンジェ効果でゴッフェニを落とし、テュルパン+導ローラン→イゾルデ、ギアブレードコストにリナルドss&ゴッフェニ回収、イゾルデ+リナルド→咎姫、咎姫+適当な炎→剛炎の剣士、剛炎に導ローラン装備、ギアブレードコストにゴッフェニss&ギアブレード回収(墓地咎姫+モンスター効果無効破壊)
2:アンジェ効果でモージ落とし、テュルパン+導ローラン→騎士帝、導ローラン装備して大帝、大帝にモージ装備、エンドフェイズにデュランダル&オリヴィエ装備(墓地導ローラン+魔法罠無効破壊+大帝に対象耐性&戦闘破壊耐性)
④オリヴィエでアンジェリカを対象にとり、アンジェリカ効果でゴッフェニを墓地へ。
※ここにうららが来た場合はテュルパンss、アンジェ+テュルパン→イゾルデ、ギアブレードをコストにリッチャルss&ギアブレード回収、イゾルデ+リッチャル→咎姫、咎姫でリッチャルss、リッチャルでオジエss、リッチャル+オジエ→導ローラン(S召喚時効果発動)、オジエ装備化&博物館でss、導ローラン+オジエ→騎士帝、導ローラン装備で大帝、エンドフェイズに導ローラン効果を解決して制圧装備コストにゴッフェニサーチ、大帝に制圧装備&オリヴィエ装備(墓地導ローラン+墓地咎姫+魔法罠無効破壊)
⑤アルマスを導ローランに装備し、テュルパンを墓地から特殊召喚。
⑥導ローラン+テュルパンで騎士帝をS召喚。アルマス効果でゴッフェニを回収。
⑦導ローランを騎士帝に装備し、デュランダルをコストにゴッフェニを特殊召喚。オジエをゴッフェニに装備(先に導ローランを装備することで最低限のニビルケアとなる。相手が効果を知っていれば特殊召喚にチェーンしてニビルを打たれるが、モンスター効果無効破壊は妨害として残る)
⑧騎士帝から大帝をL召喚し、博物館で騎士帝を特殊召喚。
⑨大帝+騎士帝でイゾルデをL召喚。L召喚成功時のサーチ先は自由だが、オジエやリッチャルがおススメ。
⑩イゾルデ効果でギアブレード&制圧装備を含む4枚をコストにモージを特殊召喚、ギアブレードを手札に回収。
※泡影を打たれたら⑪の素材にゴッフェニを用いる
⑪イゾルデ+モージで咎姫をL召喚。モージ効果で装備魔法とテュルパンをコストに1ドロー。
⑫咎姫で騎士帝を特殊召喚し、騎士帝にギアブレードを装備。騎士帝効果で咎姫を破壊。
※最後に泡影や墓穴をセットする予定なら騎士帝に装備するのはモージにし、ギアブレードは最後まで手札に抱える。
⑬騎士帝を素材に大帝をL召喚し、モージを大帝に装備(⑨~⑬の手順により、墓地に制圧装備と咎姫を構えることができる)
⑭エンドフェイズ、大帝に制圧装備&オリヴィエを装備し、アンジェリカが帰還。
展開終了
最終盤面:
・モンスター効果無効破壊 x1 byゴッフェニ
・魔法罠無効破壊 x1 by大帝
・半フリチェ破壊 x1 by大帝&導ローラン
・墓地咎姫
・制圧装備
※相手ターンにモージを墓地へ送ることにより1ドロー可能
その他アンジェリカ初動
基本的に「オジエ+デュランダル」初動と同じ動きとなるが、デュランダルの効果を温存できていることから上振れになったり、墓地のレベル4焔聖騎士が少ないことから下振れになったりする。ゴッフェニを盤面に追加できる余裕があるかないかの違いが最も大きいだろう。
全ての動きは記述しないが、「オジエ+デュランダル」初動でアルマスの効果でゴッフェニを回収していた所を、デュランダルでリナルドをサーチ、リナルド特殊召喚でゴッフェニを回収できるため、イゾルデの素材は騎士帝+リナルドにすることができる。要するに最終盤面に大帝やバロネスが1体増える。
ただし、アンジェリカやオジエの墓地送り効果が余らなかった場合は最終盤面にゴッフェニが立たない。オジエ・アンジェリカ効果で墓地に落とす炎戦士の優先順位は、慣れない間は「テュルパン>ゴッフェニ>モージ」が良いだろう。実際にはもう少し細かい優先順位の条件があるが、展開不可能になる致命的なものではないためこの記事を参考にする段階で気にする必要はない(詳しくは【上級編】で)。
今回の記事では誘発を受けた場合のケア展開をいくつか記載したが、逆に上振れ展開・素引きによる誘発貫通展開に関しては一切触れていない。それを行うためには焔聖騎士関連カードへの深い知識と、最終盤面を形成するために必要なカードを導くための思考が必要であり、【中級編】で扱うには過分だと判断したためだ。
本記事で紹介する構築のデッキを扱う上で、最低限必要な知識は既に示せたと思う。その上で「もっとうまく展開できるはずなのにやり方・考え方が分からない」「後手の時にどう動けばいいのか分からない」という方は【上級編】の記事をお読みいただきたい。
構築例
以下に2つの構築例を挙げる。どちらの構築の方が強いのかは結論が出ていないが、どちらもMDにおいてマスター1へ到達している構築とほぼ同一である(実際に到達したデッキから、その時の環境へのメタカードを汎用的なカードに修正)。
どちらを使うのかは個人の好みであるが、今回の記事では前者の構築を前提とした解説が多いため、前者をおススメしたい。
純焔聖騎士
![](https://assets.st-note.com/img/1725520040-RSLkPyqe1pzlhfZIbgHWBY67.png)
増援に加えて聖杯の継承も存在するため、「オジエ+リナルド」は見た目以上に揃いやすい。自由枠が少なく見た目以上にカツカツである。EXデッキの採用理由に関しては【初級編】参照。
制圧装備の枠は《ダストンのモップ》を採用。《天子の指輪》と違い他の装備魔法なしでも装備でき、多少アドリブ展開しやすい。もちろん他の制圧装備へ変更しても構わない。
Season32においてレート1702を達成した41枚デッキから《マジックカード「死者蘇生」》を抜き、EXデッキの《リングリボー》を《灼熱の霊使いヒータ》に入れ替えた構築。
前者に関してはかなり趣味で採用していたカードな上にアドリブ全振りカードのために抜き、後者に関してはMDのユベルがイヴリースロックとかいう気色悪い強力な戦法をとってきたことへの極端なメタであるため、汎用性のあるカードへ変更。もちろん修正前の構築を用いたり、超融合の枠を一滴等の後手札へ変更しても良いだろう。
財宝焔聖騎士
![](https://assets.st-note.com/img/1725521356-rqQBDwyZ25tnGC91KRmvczF3.png)
アニマの方がいいと思う。
今回紹介していない「エクスパラディン+ディアベル」初動のギミックを取り込み、その副次作用で装備魔法の枚数を削って事故率を下げることにも成功している(装備魔法の採用枚数理論に関してはここでは省略)
ディアベルスター&原罪宝のギミックが単純に手数として強力であり、途中でニビルを打たれてもニビルトークンをコストに原罪宝を打って展開できるようにリンクスパイダーを採用している。ディアベルによって《ヴァレルロード・S・ドラゴン》を出す上振れ展開も可能だが、あまりにも出す機会がなかったため不採用に。
この構築でも制圧装備を何にするかは自由であるが、そもそも不採用にするなど、これ以上装備魔法を削るのはやめた方が賢明だろう(増やす分には問題ない)
・エクスパラディン+ディアベル初動とは
ディアベルssef原罪宝セット, エクスパnsefテュルパン装備, ディアベル+エクスパ→バロネス, テュルパン装備化, 原罪宝(コストテュルパン)efリッチャルss, リッチャルefテュルパンss, リッチャル+テュルパン→アンジェ, アンジェef博物館サーチ, バロネス破壊ef対象アンジェ, アンジェefゴッフェニ落とし導ローランss, 博物館efデュランダルサーチ, デュランダル装備, テュルパンef自己ss, デュランダルefリナルドサーチ, リナルドef自己ss&ゴッフェニ回収,リナルド+テュルパン→イゾルデ, イゾルデefオジエss, オジエefモージ落とし, モージef1ドロー, オジエ+導ローラン→騎士帝, 導ローラン装備騎士帝→大帝A, 博物館ef騎士帝ss, オジエef騎士帝に装備, オジエ装備騎士帝→大帝B, ゴッフェニef自己ss, ギアブレードef手札に回収, モージef装備, アンジェリカ帰還, 大帝ef制圧装備&オリヴィエ装備……END
なお、ディアベル+デュランダル初動も可能だが、最終盤面はバロネス+大帝+ゴッフェニorバロネス+大帝+制圧装備+リトルナイトとなる。アンジェリカで墓地に落とすカードがゴッフェニとリナルドのどちらにするかで分岐。
よくある質問
デッキ内に装備魔法がない
イゾルデでレベル4を出すと博物館のサーチ先がなくなる、逆に博物館を使うとイゾルデでレベル4を出せなくなるなど、装備魔法を素引きして頻繁に発生する事態。そのケア方法は2通り存在する。
・イゾルデで出す戦士族をレベル1にする
・モージの効果で墓地の聖剣をデッキに戻す
上記のどちらかを実行する必要があるが、前者は制圧装備へアクセスできなくなる恐れがあり、後者はテュルパンやゴッフェニへのアクセスが封じられる恐れがある。その場の状況に合わせて最適な選択をすること。
増G打たれたらどこで止まるべき?
焔聖騎士にとって最大の天敵、増殖するG(並びにフワロス)。それを弾けず、ドロバも引けていなかった時、どうすれば良いのだろうか。
相手がGを打つタイミングによって対応が変わってくる。リナルドがチェーンを組まない特殊召喚であるため、打ち所が分かりにくいからだ。
確実に引ける所(ゴッフェニ特殊召喚)まで待つ相手の場合、オジエでアンジェリカを対象にとり、アンジェリカ効果でモージを墓地へ送る(導ローランは出さない)。デュランダル・リナルド・オジエをコストにモージで1ドローし、ゴッフェニをモージに装備してエンドとなる。相手のドロー枚数に対して十分なリターンと言えるだろう。
上記よりも手前の場合、手札誘発が自分の手札にあるなら即座にストップ。ないなら動くべきと考えている。2ドロー(アンジェを出す直前G)までなら許せるが、3ドローでゴッフェニを立てるだけなのはさすがに弱い。その状況ならばいっそ、高打点&超耐性な大帝を立て、相手がそれを処理できるカードを持っていないことに賭けた方がマシだと思われる。3500打点の対象耐性・効果破壊耐性持ちを処理できるデッキは意外と少ない。
最後に
今回紹介した展開及び構築は、イゾルデ初動を捨てたことで展開の柔軟性を得て誘発受けがよくなった半面、1枚初動がなくなったことにより若干の初動率が低下し、使用するために必要な知識が増加している。しかし逆に言えば、この展開パズルこそが遊戯王の醍醐味ではないだろうか?
どのピースを使えば最適なゴールへ到達できるのか、そもそも最適なゴールは何なのか……イゾルデ初動にないこの悩みは焔聖騎士というテーマに深みをもたらし、今までにない体験となるだろう。
基本展開と、そこから派生する誘発受け展開は提示した。ここから先はアドリブの世界であり、一朝一夕では身につかないものだ。
それでも焔聖騎士を愛し、戦うことを諦めないあなたのために…【上級編】ではアドリブ展開と後手捲りの手段をトピックとし、焔聖騎士の全てを解きほぐしていく。
この【中級編】で満足いただけた方はそれで問題ない。十分にこのデッキを回せるだけの知識は記したと確信している。始めは苦労するかもしれないが、ぜひこのデッキを楽しんでいってほしい。
この先へ行きたい方。【上級編】でお会いしよう。
イゾルデ初動で大暴れ、焔聖騎士で戦おう!【初級編】|zaty
誘発受けてもなんのその!焔聖騎士でアドリブ展開【上級編】|zaty