誘発受けてもなんのその!焔聖騎士でアドリブ展開【上級編】
焔聖騎士。それは「先行番長」「テーマ内1枚初動どこ?」「オジエ以外に通常召喚権切るの弱すぎる」と言われるシンクロ/リンクテーマ。
この記事では焔聖騎士のアドリブ展開・後手捲りを行う上での注意点を記述する。この記事単体で意図を伝えるために、【中級編】と多少内容が被る部分もある。ご了承して頂きたい。
また、この記事で解説するのはあくまでアンジェリカ初動を目指す純構築焔聖騎士を回す際に必要な知識であるため、これと違う思想(60枚戦士族GSや3軸への出張)によって組まれた構築ではあまり活かせないと思われる。
それでもいいという方。焔聖騎士の深淵へ足を踏み入れる準備はお済みだろうか?
さあ、ここからが本番だ。
関連記事:
イゾルデ初動で大暴れ、焔聖騎士で戦おう!【初級編】|zaty
イゾルデ初動はもう古い!?アンジェリカ初動焔聖騎士で戦おう【中級編】|zaty
筆者実績:
マスターデュエルSeason32, 最終レート1702【焔聖騎士】
日本選手権2024予選突破【罪宝焔聖騎士】
展開ルートを考える前に
まず最初にひとつ。
ここからの項で記述するのは焔聖騎士というテーマを完全に使いこなすためのものであり、「基本展開以外の発展形をある程度使えればよい」という方は"アンジェリカの出し方5選"の項まで飛ばして頂いて構わない。MDのマスター1に行く分にはそこだけ見れば十分である。
さて、焔聖騎士でアドリブ展開を行う時、最終的に考えるのは「最終盤面に立てる制圧をどの組み合わせにするか」である。その選択肢は大半の場合「シャルル大帝A・シャルル大帝B・ゴッフェニ・バロネス・墓地咎姫・制圧装備・リトルナイト」となり、この中からできるだけ多くの、質の良い妨害を立てたい。
しかしこれらの妨害から何を選ぶのか、最良の組み合わせから順に脳内で試していくのは非常に効率が悪い。実戦的なやり方では「どのS・L素材を盤面に並べることができるか」を先に把握してから、それを組み合わせて最終盤面を形成することとなる。
そして「どのS・L素材を盤面に並べることができるか」を把握するためにあるのがここからの項。アドリブ展開を考えるための準備である。
デッキに触れる効果を把握しよう
デッキに触る。それはデッキ内のカードを手札に加えたり、墓地へ送ることで手の届きやすい所に引っ張り出す行為。
焔聖騎士において「デッキに触る」という行為は非常に貴重なものである。なにしろモンスターでその効果を持つのはたったの3体、魔法では(増援や聖杯の継承を除けば)2枚しかない。その数少ないチャンスを使ってどのモンスター・装備魔法へアクセスするのかが焔聖騎士展開の鍵となる。
まずはデッキに触れるカードを把握しよう。
《焔聖騎士-オジエ》
・召喚・特殊召喚成功時に炎戦士・聖剣を墓地へ送る。
《聖騎士の追想 イゾルデ》
・L召喚成功時に戦士族を手札に加える(同名カードがターン使用不可)。
・装備魔法をコストに好きな戦士族を特殊召喚する。
《聖剣を巡る王姫アンジェリカ》
・特殊召喚成功時に博物館を手札に加える。
・対象にとられた時に炎戦士を墓地へ送る。
《大聖剣博物館》
・聖剣カードを手札に加える。
《『焔聖剣-デュランダル』》
・炎戦士(レベル5以下)を手札に加える。
以上の5枚である。見ての通り、直接盤面に出力できるのはイゾルデのみ。手札に加えるのは4つ…と見せかけて、実質的にはデュランダルの効果1つしか存在しない(イゾルデは言わずもがな。アンジェリカと博物館は数珠繋ぎになっており、モンスターを手札に加えられるのはデュランダルのみであるため)
誘発を受けるなどして途中からアドリブ展開を開始する場合、まずはこの効果群の中でどれがまだ残っているのかを把握したい。墓地に送るカード1枚で妨害数が一気に変わることもあるのだから。
モンスターを盤面に出力する効果を把握しよう
デッキに触ることができるだけでは「何をデッキから引っ張り出せばいいのか」が分からない。そこで次に必要な知識はレベル1/4の、チューナー/非チューナーモンスターを場に出力する方法である。
以下に記すのは場のモンスター数を増やす効果を持つカードをその性質ごとに分類したものと、その使用条件。できれば覚えてほしいが、最初の内は「こういう効果が欲しい!」という時にこのリストを見て最適なものを選択してほしい。
・手札の自身を特殊召喚
《焔聖騎士-リナルド》:場に戦士族・炎属性
《焔聖騎士-オリヴィエ》:手札or場に戦士族・炎属性or装備魔法
《焔聖騎士-テュルパン》:自分の場に装備魔法を装備したモンスター
《キリビ・レディ》:場に戦士族
・墓地の自身を特殊召喚
《焔聖騎士-テュルパン》:自分の場に装備魔法を装備したモンスター
・デッキから他者を特殊召喚
《聖騎士の追想 イゾルデ》:場にイゾルデ+デッキに装備魔法
(《昇華騎士-エクスパラディン》:手札orデッキにチューンナイト)
・手札から他者を特殊召喚
《焔聖騎士-リッチャルデット》:手札or墓地のリッチャルを除外
《『焔聖剣-ジョワユーズ』》:装備モンスターを墓地へ送る
・墓地から他者を特殊召喚
《焔聖騎士-リッチャルデット》:リッチャルを通常or特殊召喚
《賜炎の咎姫》:場に咎姫
《『焔聖剣-デュランダル』》:装備モンスターを墓地へ送る
《大聖剣博物館》:場に博物館+場に戦士族
これで(ほぼ)全てである(実際には《超量士レッドレイヤー》などもあるが、採用が少ないカードは以後この記事では省略する)。だがこの視点だけでは少々使いにくいこともあるため、別の方法で分類し、色々と組み合わせたものを下に記す。基本的に上のものほど条件が緩かったりその後の制約が緩かったりで使いやすい。
・レベル1チューナー
《焔聖騎士-リナルド》:手札にリナルド&場に炎戦士
《焔聖騎士-オリヴィエ》:手札にオリヴィエ+手札・場に炎戦士or装備魔法1枚
《賜炎の咎姫》:場に咎姫+墓地にリッチャル
《聖騎士の追想 イゾルデ》:場にイゾルデ+デッキに装備魔法1枚&リッチャル
《レベル1withテュルパン》:場に非チューナーレベル1を出す手段+墓地にテュルパン
《焔聖騎士-リッチャルデット》:手札or墓地にリッチャル+手札にリナルドorキリビ
《『焔聖剣-ジョワユーズ』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にジョワユーズ+手札にリッチャル
《『焔聖剣-デュランダル』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にデュランダル+墓地にリッチャル
《キリビ・レディ》:場にキリビ+手札にリッチャル
(《チューン・ナイト》:エクスパラディンを通常or特殊召喚+手札orデッキにチューンナイト+使用後EXからの展開に制約)
・レベル1非チューナー
《キリビ・レディ》:手札にキリビ+場に戦士族
《聖騎士の追想 イゾルデ》:場にイゾルデ+デッキに装備魔法1枚&リナルドorキリビ
《賜炎の咎姫》:場に咎姫+墓地にリナルドorキリビ
《『焔聖剣-ジョワユーズ』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にジョワユーズ+手札にリナルドorキリビ
《『焔聖剣-デュランダル』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にデュランダル+墓地にリナルドorキリビ
《焔聖騎士-リッチャルデット》:リッチャルを召喚or特殊召喚+墓地にリナルドorキリビ
(《チューン・ナイト》:エクスパラディンを通常or特殊召喚+手札orデッキにチューンナイト)
・レベル4チューナー
《焔聖騎士-リッチャルデット》:手札or墓地にリッチャル+手札にレベル4炎戦士
《賜炎の咎姫》:場に咎姫+墓地にオリヴィエ
《聖騎士の追想 イゾルデ》:場にイゾルデ+デッキに装備魔法4枚&オリヴィエ(オジエ特殊召喚+オジエでテュルパン落とし+テュルパン装備も可)
《大聖剣博物館》:場に博物館+場に戦士族+墓地にオリヴィエ
《レベル4withテュルパン》:場に非チューナーレベル4を出す手段+墓地にテュルパン
《キリビ・レディ》:場にキリビ+手札にオリヴィエ
《『焔聖剣-ジョワユーズ』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にジョワユーズ+手札にオリヴィエ
《『焔聖剣-デュランダル』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にデュランダル+墓地にオリヴィエ
《焔聖騎士-リッチャルデット》:リッチャルを召喚or特殊召喚+墓地にオリヴィエ
・レベル4非チューナー
《焔聖騎士-テュルパン》:手札・場にテュルパン+場に装備魔法
《焔聖騎士-リッチャルデット》:リッチャルを召喚or特殊召喚+墓地にオジエorテュルパンorモージ
《聖騎士の追想 イゾルデ》:場にイゾルデ+デッキに装備魔法4枚&オジエorテュルパンorモージ
《賜炎の咎姫》:場に咎姫+墓地にオリヴィエ
《大聖剣博物館》:場に博物館+場に戦士族+墓地にオジエorテュルパンorモージ
《キリビ・レディ》:場にキリビ+手札にオジエorテュルパンorモージ
《『焔聖剣-ジョワユーズ』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にジョワユーズ+手札にオジエorテュルパンorモージ
《『焔聖剣-デュランダル』》:場にモンスター(L素材等で墓地に送る手段アリ)+場にデュランダル+墓地にオジエorテュルパンorモージ
以上だ。上記のものをそのまま丸々覚えるのか、各カードの効果とカードプールを覚えて組み合わせをその場で考えるのかは自由だが、「レベル4の非チューナーが欲しい!」となった時に現在の手札・墓地で何が実行可能なのかを即座に割り出せるようになるのが理想である。慣れるまではこの表を用いるのも良いだろう。
展開ルートを考える
ここまでの知識は展開ルートを構築する上での前提である。それに対して今から記すのは展開ルートを作る際の考え方のコツ。楽しいアドリブ展開の始まりだ!
おおまかな展開パターン
実際にどのカードを使うかはその場面に応じて決める必要があるが、焔聖騎士の展開にはいくつかの大筋が存在する。まずはその大筋を見ていこう。
・アンジェリカ→大帝A→イゾルデ→咎姫→大帝B
相手が誘発の打ち所を見失っている間に大帝を立てて泡影ケアをし、博物館で出した騎士帝と適当な戦士を使ってイゾルデを作り手札や墓地を整えていく、かなり理想的な展開。
状況によっては大帝A+騎士帝でイゾルデを作ることもある。
・アンジェリカ→イゾルデ→咎姫→アンジェリカ蘇生→大帝
アンジェリカから入ったはいいが対象にとる手段が不足している時の動き。博物館でサーチしたデュランダルでサーチしたリナルドやキリビを使ってイゾルデを作ることとなる。イゾルデでテュルパンやオジエを出してからアンジェリカを蘇生することでアンジェリカの②効果を使いやすくなる。
手札や墓地に自己ss可能なモンスターがいないと誘発受けの良さはイゾルデ初動とほとんど変わらない点に注意。
・アンジェリカ→イゾルデ→咎姫→導ローラン→大帝
アンジェリカ②に妨害を食らった際の展開ルート。博物館→デュランダル→リナルドorオリヴィエ…で盤面の戦士を増やし、アンジェと合わせてイゾルデをL召喚。そこから咎姫でリッチャルを蘇生し、そのままレベル4を蘇生、導ローランにしてから博物館でレベル4を出力するといった流れとなる。
最終盤面にアンジェリカが残らないため、相手ターンの咎姫で対象にとるモンスターに注意。
・イゾルデ→オジエでリッチャル落とし→咎姫→アンジェリカ→大帝
特に言うことなしのイゾルデ初動基本展開。制圧装備を落としたい人向け
・イゾルデ→デュランダル落としリナルド出し→オリヴィエ出し→咎姫→アンジェリカ→大帝
これまたイゾルデ初動基本展開。装備魔法を素引きしすぎたりイゾルデを出すためにリッチャル使用済みといった手札事故な人向け。
以上となる。目標にしたい流れは
①ゴッフェニでモンスター効果の誘発をケアする
②大帝で泡影をケアする
③イゾルデで制圧装備を落としつつ墓地を整える
④咎姫で騎士帝を蘇生し、大帝にする
なのだが、誘発を食らったり手札が悪かったりすると少しずつ妥協していくことになる。イゾルデの役割は「装備落とし」→「レベル4落とし」→「アンジェリカを出すための初動」…と、苦しい手札になればなるほど重要度が上がっていく
最初に出すのはアンジェリカとイゾルデどっち?
焔聖騎士の展開において最初に考えることは、イゾルデやアンジェリカを出せるか否かである。そもそもどちらも出せない手札ならばそのままターンエンドしてお祈りだ。
だが初動が揃っている時、最初に目指すべきは何だろうか?
この記事を読んでいる方なら、優先的に出したいのはアンジェリカであることはご存じだろう。アンジェリカの効果を誘発で止められてもアンジェリカを素材に出したイゾルデで貫通できるからである。(逆にイゾルデを止められるとアンジェリカを出すこともできない)
故に基本的にイゾルデを出すのは"イゾルデを経由しないとアンジェリカを出せないから仕方なく行う展開"である。
アンジェリカを出せる手札というのは手札にレベル4があり、更に自己ssできるレベル1(オリヴィエ含む)が手札にあることを意味する。レベル1の確保のためにデュランダルを使うのも良いだろう。リッチャル+テュルパン+ドロバなどの変な初動も存在するが、初期手札からアンジェリカを出せるかの見極めはさほど難しくないだろう。
じゃあ手札にアンジェリカの素材揃ってるしとりあえずアンジェリカ…とする前に、一旦待ってほしい。先ほど私は基本的に先イゾルデは弱いと言ったが、何事にも例外は存在する。
それはイゾルデ②をうららで止められても貫通でき(アンジェリカを出せ)、逆にアンジェリカ①を止められると最終盤面が一気に弱くなる手札の時である。イゾルデ初動に+テュルパンを素引きしている時やイゾルデの素材にリッチャルを使う時など、様々なパターンが存在する。
貫通札があるなら別にアンジェリカ初動でも誘発受けは同じじゃない?と思われるかもしれないが、それが割と違う。イゾルデ②を止められるのは「レベル1or4を出す機会の喪失」だが、アンジェリカ①を止められるのは「レベル1and4を出す機会の損失」だからだ。博物館は1枚からデュランダル→リナルドと繋げた上で装備状態のレベル4をssできるため、これが通るか通らないかでは最終盤面が大きく変わってくる。
実際に貫通できる手札なのかの判断は各々のアドリブ展開力に依存するが、先イゾルデが正解の時もあるということだけ覚えておくと役立つかもしれない。(具体例:リッチャル+リナルド+テュルパンの手札はリッチャル+リナルド=イゾルデから入るのが正解)
なお、オジエ+リッチャルや博物館+装備魔法+手札誘発など、たまにイゾルデの出し方すら分かりにくい手札のことも多い。一見無理に思えても諦めず考えてみよう。詳しい話は”この手札、イゾルデ出せる?”の項に記載する。
さて、アンジェリカを出すためにオジエを通常召喚したり、なんやかんやでアンジェリカを出した時、焔聖騎士を使い始めた人は大きな壁に直面することとなる。次はアンジェリカやオジエの効果で墓地に落とすカードについて考えていこう。
墓地に落とす炎戦士は何がいい?
焔聖騎士の展開をどこまで伸ばせるのかを分ける大きな要素は、墓地に落とす炎戦士の選択である。ゴッフェニを落とせば単純に1妨害が増える他、テュルパンを落として博物館効果を温存できれば大帝やバロネスが増えたりと、先を見据えた墓地落としに成功すればリターンは計り知れない。
しかし我々に許された墓地落としの機会はアンジェリカとオジエの効果の2回だけ。オジエの通常召喚から入れていなければアンジェリカの1回だけであることも珍しくない。その僅かな機会を何に使えば良いのだろうか。
焔聖騎士で墓地に落としたいモンスターと言えば主にテュルパンやゴッフェニ、一部状況ではモージでデッキ内装備魔法回復&ドローしたり、リッチャルを落として手札のレベル1をチューナー化出力、オジエ限定だがデュランダルを落としたいこともある。では何を優先して墓地に落とすべきなのかを考えていこう。
そのためにはまず、先に墓地の炎戦士を回収する手段にアクセスできるのかを把握しておく必要がある。具体的にはリナルド(及びそれをサーチ&ssできるデュランダルorイゾルデ), アルマス, ジョワユーズのいずれかだ。
博物館サーチをうららで止められるなどしてそれらの効果を使えなくなった場合、ゴッフェニを落とす必要性は薄く、その分をテュルパンにして展開を伸ばしたり、モージで1枚ドローにした方が良いだろう。逆に言えば墓地回収手段が発生した場合、ゴッフェニを墓地へ送る優先順位は非常に高くなる。
そうは言ってもまず一番に落としたいのは展開用パーツなのが人の心というもの。テュルパンも落としたい。テュルパンを落とすことにより発生する利点は途中で誘発を食らった際のアドリブ展開パーツ兼、上振れれば博物館のss効果温存による大帝の数+1体である。
オジエとアンジェリカの2回があるのだから両方落とせばいいだろうって?確かにそれも間違いではないし、実際に両方落とせることは多い。
……では、どちらを先に落とすべきなのだろうか?
結論から書かせてもらうと、条件さえ整っていればゴッフェニの方が優先度は高い。なぜなら仮に2回目の墓地落としを泡影などで止められた時、先テュルパン落としでは大帝2体の魔法無効2回なのに対して先ゴッフェニ落としの大帝+ゴッフェニなら魔法とモンスターどちらにも無効を構えられるからである(ただし紙の2本目以降など、相手のデッキが分かった上で魔法2回の方が有効だと判断したのなら大帝≒テュルパン優先でよい)。
なお、テュルパンはイゾルデの効果でデッキから出すことで疑似的な墓地落としが可能であることに対し、ゴッフェニはイゾルデで出すことができない。この後イゾルデを出すことができそうなのであれば、ゴッフェニの優先度はより高くなる。
テュルパンなら誘発ケアやアンジェリカを対象にとる手段になる場面もあるが、そもそもゴッフェニなら誘発で展開が止まっても1妨害保証されているため問題は少ない。先述のものと合わせ、ゴッフェニを回収する手段を既に確保できていて、かつ博物館で特殊召喚できる非チューナーレベル4がいるならゴッフェニを落とすのが丸いだろう。
ただし、この先でゴッフェニを回収する手段を確保できる予定でゴッフェニを落とすことは非常にリスキーだ。たとえば手札がオジエ+デュランダルの時、意気揚々とゴッフェニを落としてからデュランダルでのリナルドサーチにうららが来た場合、展開は完全にストップする(仮にテュルパンを落としていれば、デュランダルへのうらら後にテュルパンを自己蘇生させてイゾルデから展開可能)。上記の条件を満たしていない場合は素直にテュルパンを落とすことをおススメする。先ほどの例なら後々ゴッフェニを落として回収することも可能であり、途中で誘発を受けるなどしてゴッフェニ回収が成立しなくても大帝1~2体を立てることができる可能性が高い。
なおゴッフェニとテュルパンの片方を素引きするなどした場合、墓地落とし効果が1つ余ることとなる。その場合に落としたい上振れカードは基本的にモージだ。デッキ内装備魔法を回復しつつ1枚ドローし、相手ターンに装備状態のモージをコストに使うことでもう1枚ドローすることができる。この1ドローで誘発を引き込めることも少なくない。
ただし手札にレベル1炎戦士が余る場合のみ、モージでなくリッチャルを落とすこともある。これはリッチャルの墓地効果でレベル1をssし、騎士帝と合わせてバロネスにすることが目的である。博物館を1枚素引きしたときなどによく行われ、場合によっては大帝A+大帝B+バロネスといった盤面を形成できる。かなり先の展開を見通して落とすこととなるため、ちゃんと手札や効果が余るかに注意して落としたい。
アンジェリカを出しました!…それでここからは?
じゃあアンジェリカ①での博物館サーチからのアルマスサーチも通ったし、②で落とすカードはとりあえずゴッフェニ!……ではない。焔聖騎士の最終盤面に立てたいモンスターの優先度はあくまで「大帝A>ゴッフェニ>バロネス>大帝B」であるため、そもそも大帝が1体も出せなくなるならゴッフェニへアクセスしている場合ではないのだ。
前の項では1回目の墓地落とし効果の優先順位について考えたが、アンジェリカの後にオジエを出す場面は非常に少ない。アンジェリカの効果は最終盤面を構築する上での最終調整と言っても過言ではないだろう。この1枚で素引きリカバリから上振れ展開まで、様々なことが可能となる。
この項では先アンジェリカではなく、展開の最後の最後に出すアンジェリカで墓地に落とすカードについて考えていく。
ゴッフェニがダメならテュルパンを落とすべきなのかと問われれば、これも一概にそうとは言えない。テュルパンのss条件を満たすために場に装備を準備し、さらに大帝Aを出すための装備を確保すると、大帝Bを出すための装備魔法が足りないことがあるからだ。
ギアブレードの登場以降はこんな事態に陥ることも少ないが、イゾルデで制圧装備を落とすためにギアブレードを諦めざるを得なかったりでこういった場面は稀に発生する。こんな時にとることのできる手段の代表例は以下の4つだ。
・博物館でオジエを出す
まだオジエの効果を使っていない場合特に有効な手段。
アンジェリカでオジエを落とし、博物館でオジエをss。オジエでゴッフェニを落とし、博物館でサーチしていたアルマスやジョワユーズの効果で墓地のゴッフェニを回収…という流れとなる。大帝+ゴッフェニの盤面となり普通に強力。
オジエの効果使用済みだとそもそも成立しない。
・テュルパンを手札から出す
まだデュランダルの効果を使用しておらず、リナルドの手札から特殊召喚を使用済みの場合に有効な手段。
アンジェリカで適当な炎戦士(ドローできるモージがおススメ)を落とし、そのままそのモンスターを装備化。博物館でサーチしたデュランダルでテュルパンをサーチし、そのまま自身の効果で特殊召喚。導ローランとテュルパンで騎士帝をS召喚…といつもの流れだが、墓地からテュルパンをssした場合と異なり今回はテュルパンが墓地に存在している(勘違いされがちだが手札からの特殊召喚では除外されない)。すると最後に騎士帝へテュルパンを装備して大帝Bを立てることができる。モンスター無効が立たなかったりと欠点もあるが、デュランダルをテュルパンのために使うのは意外と強い。
・リナルドを手札から出す
まだリナルドの特殊召喚を使っておらず、デュランダル使用前or墓地にリナルド+リナルド回収手段アリの場合に有効。つまりはイゾルデでリナルドを出していたり、リナルド通常召喚にデュランダル装備などの初動をしていた際に用いる手段。
アンジェリカでテュルパンを落とし、いつもの動きを開始。途中で博物館でサーチした焔聖剣の効果でリナルドサーチor墓地から回収をこなし、自身の効果でリナルドをss。最後に余っていた騎士帝と合わせてバロネスにする展開ルート。テュルパンを出す条件を満たすために使った装備がリナルドに変換され、大帝Bは出せないのにバロネスは出せるという珍しい状況となる。
・アルマスの変な使い方をする
場に咎姫等のモンスターが存在し、墓地に装備になれる非チューナーレベル4焔聖騎士がおらず、アルマスの効果をまだ使用していない場合に有効。
アンジェリカでテュルパンを落とし、導ローラン以外の自身のモンスターにアルマスを装備してテュルパンの条件を達成。いつもの動きで装備状態の騎士帝をssした後、アルマスの効果を発動。適当な焔聖剣を騎士帝に装備する(この際騎士帝の効果で咎姫を破壊するなどしてEXゾーンやリンク先を空ける)。最後に大帝BをL召喚すれば完了だ。
ゴッフェニを落とせば大帝Aすら立たず、テュルパンを落としても装備魔法が絶妙に足りなさそうな時に用いる。いざこの場面に対面すると混乱しやすく、モージを落として1ドローして博物館でモージssになりがち。
以上だ。状況に合わせてアンジェリカで落とすカードは柔軟に調整していきたい。
イゾルデで落とす装備、本当にそれで大丈夫?
イゾルデの②効果を発動する際、デッキから装備を落とすことができる。焔聖騎士におけるイゾルデの役割は展開の補助だけでなく、制圧装備を落とすこともあるのだ。だが装備を落とす前にちょっと考えてほしい。本当にその場面で制圧装備を落として大丈夫だろうか?
イゾルデの効果で墓地に落としたいことがある装備魔法は基本的に3種類。デュランダル、制圧装備、ギアブレードだ。
イゾルデでレベル4を出すならまとめて全部落とせるため問題ないが、展開の都合でレベル1を出す時はここから1つしか選べない。果たして何を落とすべきなのだろうか?
デュランダルを落としたいのはイゾルデ初動でリナルドを出す基本展開。この展開ルートは「このルートを選ばざるを得ない」手札の時に実行するものであり、余裕がないことを意味する。この展開ルートに入った時点でデュランダル落としは確定だ。
残る制圧装備とギアブレードだが、リッチャルを出す時のコストで落とすこととなるだろう。どちらを選択するかの基準はただひとつ。展開用の装備魔法が足りるかどうかだ。
焔聖騎士の展開では ①アンジェリカを対象にとる ②テュルパンの特殊召喚条件を満たす ③大帝BのL召喚条件を満たす と最低2枚、できれば3枚の装備魔法が要求される(大帝Aの条件は導ローランで自動達成される)。
これを満たすための効果は ①手札から装備魔法発動 ②墓地のレベル4焔聖騎士 の2つがあり、②は墓地に落とせたレベル4焔聖騎士の種類まで使うことができる。
最終的に博物館の効果でレベル4をssしなければならないかどうかを含めてイゾルデの時点で判断し、装備魔法が足りているなら制圧装備を落とし、不足するならギアブレードを落として展開用に使用することとなる。
焔聖騎士を何度も回し、手札に残る装備や墓地の焔聖騎士の枚数を予測する技術を身につけよう。
なお、制圧装備の中でも《天子の指輪》は大帝に他の装備がついていなければならないため、他の制圧装備より落としていい条件が厳しくなる。ほとんどの場合は騎士帝が装備されて条件を満たせるが、バロネスを出そうと思っている時は一呼吸置いてから落とす装備を選択すること。
この手札、イゾルデ出せる?
アンジェリカ初動にできない場合の最後の砦がイゾルデ初動。誘発を受ければ即座に止まるが、相手が誘発を持っていなければ最終盤面はとんでもないことになる。
……ところでこの手札、そもそもイゾルデ出せるんですか?
イゾルデを出すための条件は非常にシンプル。場に戦士族を2体並べることだ。現状戦士族のまともな手札誘発は存在しないため、基本的には焔聖騎士を通常召喚し、その後戦士族を手札から特殊召喚することで達成される。
そうやってパッと見て分かるイゾルデを出せる手札なら誰も苦労はしないだろう。この項では分かりにくいイゾルデの出し方について考えていく。
・オジエを通常召喚しても手札から自力で出せる炎戦士がいない
手札がオジエ+オジエなど、一見オジエを通常召喚しても何も起きなさそうな手札。オジエでリッチャルを落とし、その墓地効果で手札の炎戦士をssすることでイゾルデとなる。
リッチャルの効果が使用済みとなるため、イゾルデ初動の中でもデュランダル落としリナルドssのパターンくらいしかできなくなることに注意。
・オジエ+リッチャル
リッチャルはリッチャルの効果で出せないため、先ほどのものと違った動きとなる。
リッチャル通常召喚→リンク1(リンクリやアニマなど)→リッチャル墓地効果でオジエss→オジエでテュルパン落とし→リンク1+オジエ=戦士リンク(剛炎orリトルナイト)→オジエを戦士リンクに装備→テュルパン自己蘇生→戦士リンク+テュルパン→イゾルデ
適当な戦士リンクと無理やり出した戦士族でイゾルデにするパターン。これまたイゾルデ後の動きはデュランダル落としのリナルドss……となるのだが、テュルパン使用済みにつき博物館でレベル4非チューナー(この状況ではモージ1択)を特殊召喚することになる。最終盤面は大帝1体のみとなるだろう。
・場に適当なモンスター+博物館+適当な装備魔法
博物館でデュランダルをサーチし、手札誘発を通常召喚。デュランダルでテュルパンをサーチし、適当な装備を手札誘発に装備し、テュルパンを自身の効果でss。手札誘発+テュルパン=戦士リンクにし、テュルパンを墓地から装備。博物館効果でテュルパンをssし、戦士リンク+テュルパン=イゾルデ。イゾルデ効果でリッチャルを出してその効果でテュルパンss……といった流れ。
デュランダルのサーチ先をオリヴィエにしても同様にできそうに見えるが、リッチャルの効果でオリヴィエを蘇生してもチューナーしかおらずアンジェリカを出せないためNG。序盤で博物館を使う必要があるため、戦士族縛りとつき合う必要がある。
・その他
上記のものも含め、難しい初動というのは要するに「戦士族リンク2を経由することでイゾルデになる」展開。誘発を通常召喚して手札の何かをssして剛炎にしたら手札/墓地からもう1体出せて…の流れを発見できるか否かにかかっている。
ただしこの場合、その後に出すイゾルデでどう動くのかも含めて考える必要がある。博物館を使えば戦士族縛りがついて咎姫が出せなくなり、墓地に非チューナーレベル4がいなければイゾルデでリッチャルを出しても何も起こらない。"アンジェリカの出し方5選"を参考にその後の動きを考えてからイゾルデを出してほしい。
ゴッフェニっていつ出せばいいの?
ゴッフェニは着地して装備魔法が場に存在するようになった時点で罠以外の誘発を全て防ぐことができ、主にニビルケアとして用いられる。しかし逆に言えば着地してから装備魔法を装着するまでに一瞬の隙があり、下手に出すとニビルで全滅してしまうことも珍しくない。ならゴッフェニはどのタイミングで出せばよいのだろうか?
まず最も分かりやすいのは、4回目の召喚でゴッフェニを着地させること。主に「オジエ+リナルド」初動の時に実行可能であり、①オジエ②リナルド③アンジェリカ④ゴッフェニwithオジエ…となる。博物館でサーチしたデュランダルを即座に使用してゴッフェニのコストに充てた上で墓地のオジエを使ってしまうため、アンジェリカを対象にとる手段に欠けるのが難点。
自分が【中級編】で提示した基本展開ではデュランダルでキリビをサーチしてアンジェリカ+キリビ=イゾルデとし、イゾルデでテュルパンと制圧装備を墓地に供給してから咎姫で改めてアンジェを蘇生して動いている。うらら等をゴッフェニでケアした上で、万が一泡影を打たれても手札にギアブレードが来ていることからイゾルデ+ゴッフェニ=咎姫から大帝まで約束されている。個人的にニビルケアをするためならこのくらいのリスクは十分に背負っていいものと考えているが、どうしても泡が怖い場合は次のやり方となる。
疑似的なニビルケアができるもうひとつの手段は、場に装備がある状態で着地させること。ただしこれは2つ条件を両方満たしている場合にしか使えない。
・条件1:ゴッフェニ着地後、ゴッフェニへ装備させるものがある
・条件2:仮にゴッフェニの特殊召喚にチェーンしてニビルが落ちてきてもリカバリ可能である
上記2つを満たしていれば、騎士帝を大帝にする直前などでゴッフェニを特殊召喚して諸々をケアできる。条件2はかなり厄介だが、最悪リカバリ先が「ゴッフェニ+装備魔法」の布陣になるだけでも問題ない。どうせニビルが落ちるなら同じことだ。
そして最後に、展開の終わりでポンとゴッフェニを出す。誘発ケアが一切できない反面、展開に用いる装備魔法に余裕ができて最終盤面をちょっと伸ばせることもある。ぶっちゃけそんなに悪くない。
以上より、現実的なことを言えば「オジエ+リナルド初動」の時を除くとゴッフェニでのニビルケアはかなり厳しいものだ。その上でうまく着地できそうな状況を見逃さず、積極的にニビルケアしていきたい。
上振れ展開について
大帝Aを基本的な理想盤面とすると、焔聖騎士の上振れ展開には「大帝B・ゴッフェニ・バロネス・リトルナイト・制圧装備」が存在する。それぞれ「博物館のss効果&装備魔法が余った時・アンジェリカorオジエの墓地肥し&アルマスorジョワユーズorリナルドの墓地回収が余った時・博物館のss効果&手札からssできるレベル1チューナーが余った時・シンクロはできないがモンスターが2体余った時・イゾルデで落とす装備に余裕がある時」に構えることができ、手札によってそれらからどれを選ぶかに焔聖騎士のアドリブ展開力が問われる。
とりあえず目指す上振れはゴッフェニだろう。上振れとは言うものの相手からの妨害をオジエやアンジェリカに打たれない限りはほぼ確実に立てることができる。
次いで考えるのは制圧装備。イゾルデでレベル4を出せば自動的に達成できる他、イゾルデでリッチャルを出す時のコストにも制圧装備を使える。
たま~にある例外として、導ローランを正規にS召喚することになった時、S召喚成功時効果でエンドフェイズにデッキから落とすことができる。アンジェリカ②を止められた時にイゾルデで貫通する時はイゾルデのコストにギアブレードを用い、エンドフェイズに導ローランで制圧装備を落とそう。
その次に考えるのは博物館効果を温存したまま大帝Aを出すことができるか。そこから場にレベル1チューナーを確保できるならバロネス、できないなら大帝Bを追加で立てることとなる。
レベル1チューナーを出す方法は4つ。手札からリナルドss、手札からオリヴィエss、墓地のリッチャル効果で手札のリナルドorキリビss、ジョワユーズ②やデュランダル②効果で手札,墓地のリッチャルssだ。前者2つは分かりやすいが、それ以外のやり方はイゾルデやアンジェリカで墓地を整えつつリナルドやアルマスで手札を整えることで達成することとなり、かなり展開の先を見通した動きが必要となる。展開途中で咎姫が邪魔となるため騎士帝の効果で破壊しておくこと。
大帝Bを出すためには装備魔法を余らせる必要があるが、それはさほど難しくない。だが、大帝Bを出す装備を確保するためにイゾルデの効果で落とす装備を制圧装備→ギアブレードに変更するのは推奨できない。魔法罠無効を1つ立てるよりも制圧装備の方が有効な場面が多いからだ。
なお、博物館を2枚以上採用した構築の場合、博物館素引きによって「大帝A+大帝B+バロネス」という盤面も作ることが可能である。しかしレベル1チューナーを確保するというのは想像よりはるかに難しいものであるため、無理にバロネスを狙わずに大帝A&Bで諦めることも必要だ。仮に最強盤面を狙う場合は先アンジェリカを諦め、イゾルデから入る方が達成しやすいだろう(誘発受けの良い展開を諦めることになる)。
上記のどれも達成できないがモンスターが余った時、リトルナイトを出すことができる。マスカレーナを採用すれば相手ターンにアンジェリカと合わせてリトルナイトにすることもできるが、そもそもこの状況に陥ることがほとんどないため、マスカレの採用に踏み切るほどではないだろう。
アンジェリカの出し方5選
ここではアドリブ展開で使いがちな、主にイゾルデを用いたアンジェリカの出し方をいくつかご紹介する。イゾルデ使用済みでも手札からの自己ssや原罪宝などで疑似的な再現も可能。
アンジェリカ②使用済みの時に導ローランを出す時なども含め、アドリブ展開のお供にどうぞ。
①基本展開(リッチャルでレベル4を蘇生プラン)
イゾルデでオジエをssし、オジエ効果でリッチャルを落とし、咎姫でリッチャルss&オジエss。オジエ+リッチャル=アンジェリカ
既に非チューナーレベル4が墓地にあるならイゾルデで直接リッチャルをssするなど、戦士族縛り下でも展開できる。
②基本展開(咎姫でオリヴィエ蘇生プラン)
イゾルデでリナルドをssし、デュランダルを経由したりでオリヴィエを手札に確保&ss。咎姫でオリヴィエを蘇生してリナルド+オリヴィエ=アンジェリカ
ちょっと苦しい時に使いがち。これすらできない時、一気にアドリブ展開の難易度が上がる。
③墓地リッチャル活用プラン
イゾルデ②でリッチャルとリナルドの墓地にない方を出し、そのまま咎姫へ。咎姫でリナルドを蘇生し、リナルドで墓地のレベル4orデュランダルを回収。デュランダルならばオジエ等をサーチし、墓地のリッチャル効果でチューナー化しつつss。リナルド+レベル4=アンジェリカ
デッキ内の装備が少なくてもオジエをssできる数少ないルート。他にも素引きしたモージを墓地に落としたい時や、戦士族縛りがついた状態で動く時にも(後者はイゾルデでリナルドを出す時限定)。
④デュランダルの②活用プラン
イゾルデでデュランダルを落としつつリナルドss&デュランダル回収。デュランダルをリナルドに装備し、そのままイゾルデ+リナルド=咎姫。デュランダル墓地効果でリナルドss, 咎姫でオリヴィエss。リナルド+オリヴィエ=アンジェリカ
上記のものは一例に過ぎず、要するに「咎姫の素材にデュランダルを装備」「デュランダルと咎姫の蘇生で5シンクロ素材を揃える」ことが重要。ドロバ下やデュランダルのサーチ先の自己ssを使ってもどうにもならない時に。
⑤博物館活用プラン
具体例はあまりない(そもそもが博物館素引き前提だし墓地状況や戦士縛りにもよる)が、例えば……咎姫でリナルド蘇生、リナルドにオジエ装備、博物館でオジエss、オジエにテュルパン装備、リナルド+テュルパン=アンジェリカ
他にもエクスパラディンで装備したレベル1や4をssなど(テュルパンはイゾルデで出したり咎姫で蘇生したり)、活用幅は無限大。戦士族縛りに気をつけつつ頑張ろう。
アドリブ展開の心得
誘発を受けた上での展開ルートもある程度は記述し、ほとんどの場面は網羅したと思うが、焔聖騎士を使っていればいつかは自力でアドリブ展開をすることになる。その時に意識したいことをこの項で述べる。
・レベル4をどう確保するか
アンジェリカを立てるためには1+4をする必要があるが、初期手札にレベル4がない場合、一気に展開ルートは絞られる。その状況でデッキ内のレベル4にアクセスできるのはイゾルデとデュランダルしか存在しないからだ。
イゾルデを出すためにデュランダルを使うならばイゾルデでレベル4を出すしかなく、装備魔法を引きすぎたりイゾルデの効果を止められるなりでレベル4を出せなければデュランダルでレベル4を確保するしかない。その際は後に必要なのが非チューナーならばテュルパン、チューナーならばオリヴィエをサーチする。その場に合わせた最適な選択を。
また、既に墓地にレベル4を落とせていたとしても、それを場に出力するのは意外と難しい。レベル1達は自身の効果で簡単にssできるのに対し、レベル4を並べる手段には頭を悩ませることとなるだろう。
"モンスターを盤面に出力する効果を把握しよう"の項で一通りの効果は述べたが、現実的に利用可能なのはリッチャル②での蘇生、テュルパンの自己ss、博物館でのssの3つくらいだろう。大帝を出すためにはここから2つの効果を通さねばならない。無理ゲーにもほどがあるだろ。 今回の記事ではあまり述べていないが、エクスパラディンは装備を素引きしすぎた時のイゾルデで出して実質レベル4をssしたのと同じにできる。博物館があれば装備したレベル4をそのままssでき、(戦士族縛りに目を瞑れば)非常に強力。
・レベル1も確保しなければ
優先的に考えるのはレベル4だが、もちろんレベル1も確保しなければならない。手札に既にあるならば良いが、墓地にしかないならばどうやって墓地から回収するのかを考える必要があるし、どちらにもないならばイゾルデで出す他ないだろう(オジエでレベル1を落とすのはリッチャル落としの基本展開以外非常に弱い)。
実はレベル1はチューナー/非チューナーを自分で選べないことが多いため、レベル4の出し方を見つける→レベル1の出し方を見つける→レベル1がチューナーか非チューナーか判断する→出すレベル4を決める…という流れとなることが多い。
・要するに
手札・場・墓地にレベル4と1(チューナーと非チューナー)をどうにか一組でも揃えればなんとかなる。そのために使うカード(デュランダル、オジエ、イゾルデ)を意識し、「○○を用いなければ揃わない」を見つけたらそれに合わせて場に並べる方法を考える。
戦士族縛りに注意しつつレッツアドリブ!!
妨害の切り方
先行制圧が決まってもまだ勝ちではない。重要なのはどこに妨害を切るかである。相手によってどこに妨害を打つかは違うのだが、全体を通して言えることがいくつかある。
重要なのは3点。
・魔法罠ゾーンを1枠空けておく
・制圧装備を過信しない
・最重要は大帝の維持
魔法罠ゾーンが開いていなければ墓地のローランを装備することができず、半フリチェ破壊という妨害がひとつ減ってしまうことを意味する。可能なら先行の時点で1枠確保しておきたいが、泡影や墓穴を伏せればそんなスペースはないだろう。よって、仮にゴッフェニより先に大帝の効果で魔法を無効にするとしても、手札の装備でなく場の装備魔法をコストにして、できるだけ早く魔法罠ゾーンを1枠確保することを推奨する。
また、制圧装備…特に天子の指輪の扱い方にも気をつけたい。相手が打った適当なサーチ魔法を天子の指輪で止めてしまうと、その後の一滴や超融合を止められなくなる。あくまで天子の指輪は一滴/超融合を止めるカードだと割り切り、積極的に大帝で魔法の発動を無効にしていこう。
なお、シルバーアーマーも少々注意が必要で、リトルナイト②のように2体以上同時に対象にとる効果は発動できてしまう。シルバーアーマー自体には耐性がないことも含め、実は脆い。
最後に意識したいのは妨害を打つ目的。相手に展開させないのが一番ではあるが、初動だけを止めていては貫通されることもある。そんな時に最も大きな指標になるのが「大帝を突破できるモンスターの着地を防ぐ」「大帝を突破できるモンスターを即座に除去する」ということである。
ほとんどの場合大帝には対象耐性や効果破壊耐性がついており、その打点は4000にも登る。こんな耐性ガチガチのモンスターを突破できる手段なんて各デッキに1~2しか存在しないのだ。炎属性リンク系ならジーランティスをシャルルで破壊すれば突破手段はなくなるし、ライゼオルだってヴェルズビュートを即座に破壊されたりアーゼウスの着地を防がれてはたまらない。
とにかく大帝を維持できればあなたの勝ちだ。
後手捲りを考える
よくあるキルプラン
まずは相手の妨害関係なく目指したいルートから。
最もシンプルな動きは「イゾルデ→オジエss→オジエでゴッフェニ落とし&ギアブレード回収→咎姫でゴッフェニss→ギアブレード装備」で合計11700ダメージ。ゴッフェニの攻撃1回分の余裕があるため、ゴッフェニで攻撃しつつモンスターを1体装備吸収することで壁モンスター2体までならキル可能。
要するにギアブレードとゴッフェニが揃えば大体どうにかなると思ってもらって良い。ギアブレードはイゾルデ②効果のコストで墓地に送れるため、②効果自体が止められても手札に回収できることに留意。
キルを通すために
もちろん素直にイゾルデを出しても効果が通るわけがなく、ギアブレードが手札に加わって終わりだろう。そのため、実は先行の時とやることはあまり変わらない。先にアンジェリカで妨害を踏んだ上でイゾルデを出すのが重要だ。(ただし、既にゴッフェニを手札に加え終わったなどで明らかにアンジェリカを出す必要がない場合、先イゾルデでニビルをケアすることもある)
アンジェリカは対象にとる効果を躱すことができる上に効果が2つあり、単純に妨害を踏むモンスターとして非常に強力である。
アンジェリカから目指すのはゴッフェニの回収とイゾルデの成立のみであるため、最悪博物館での戦士族縛りはついても問題ない(咎姫はあまり重要ではない)。戦士縛りがついた状態でゴッフェニを回収するためにはイゾルデにアルマスを装備させて剛炎の剣士をL召喚するなどがある。
まず何をサーチする
後手で聖杯の継承のサーチを行う場合、優先順位の最上位に上がってくるのは博物館だ(無論手札や状況によることに注意)。
博物館は1枚で2回分の手数になることができ、デュランダルでモンスターをサーチしつつ装備状態の焔聖騎士の特殊召喚も狙えるようになる。また、相手目線でも博物館へ無効効果を打ちたくなるため、モンスター効果へ無効破壊を打たれて盤面が減らされるリスクの軽減もできる。
後手で使いたいカード筆頭のゴッフェニを出すためのコストを墓地に溜めることにも繋がったり、試合が長引いた時の継続リソースになったりと、相手からの妨害があること前提の時の博物館は非常に強い。
また、デュランダル等でモンスターをサーチする時の優先順位は「オジエ>オリヴィエ>リナルド>キリビ」だ。(これまた状況による。相手に盤面除去カードが存在しないならオリヴィエの優先順位は一気に下がるし、モンスター効果無効破壊があるならテュルパン>オジエにもなる)
詳しくは下の項でも述べるが、とにかく盤面の戦士を途切れさせないことを重視すること。盤面が空でも特殊召喚できるのはオリヴィエが唯一と言っていい。
アンジェリカへ辿り着くまでの過程
焔聖騎士の弱点は「着地狩り」「盤面除去」である。通常召喚したモンスターを破壊されるだけでかなり詰みに近づくが、その反面アポロウーサや泡影のような効果無効であれば突破しやすい。
着地狩り/盤面除去への対抗策となるのはオリヴィエ/ゴッフェニ/リッチャルの3体だ。これらは場に戦士族がいなくても特殊召喚することができ、特にオリヴィエは使用条件が緩く、後手におけるサーチ先の有力候補である。自身のssを使った後は装備化することでゴッフェニ等を相手の泡影から守ることもできる。
相手に盤面除去効果があるのが確定している時は、オジエの通常召喚でリッチャルを墓地に送ることも有力だろう。
※ただしそれは即座にオジエが除去されてもリッチャルの効果からカバーできる時に限った話。リッチャルで貫通できない時はゴッフェニを落とし、相手の知識不足によりチェーンを組まないリナルドのssが通ることを祈ろう。
フリーチェーンの盤面除去がなく、効果無効だけがある場合、重要なのはリナルドである。発動しない効果でのssであるためこれを防ぐ手段はほとんどなく、そのままサクリファイス・アニマやリトルナイトで妨害を踏むことができる。
また、墓地効果でチェーンを隠すことも重要な技術だ。アンジェリカの素材にするモンスターに焔聖剣を装備することでチェーン1アンジェリカ, チェーン2焔聖剣②効果…となり、バロネスのような無効破壊からアンジェリカを守ることができる。素材にモージを使うことでチェーン2にモージの墓地効果を入れることもできるが、そのためには事前に墓地へ聖剣や炎戦士を貯める必要があることに注意。
小技として相手のモンスターに焔聖剣を装備して戦闘破壊することもある。焔聖剣②効果で展開を伸ばしつつ相手のモンスターを除去できるため、上手くやれば非常に強力。マスカレーナ(及びそのリンク素材になりそうなのや咎姫で爆破されそうなやつ)に装備することで相手の動きを牽制できたりする。特にジョワユーズがおススメ。
ゴッフェニの使い方
後手でとにかく重要なのはゴッフェニだ。異常に緩い召喚条件から繰り出される3000打点+殴りつつの対象にとらない破壊でもない除去+モンスター効果無効は、他のテーマにない焔聖騎士の大きな強みと言える。
ゴッフェニを特殊召喚する時に重要なのは、事前に場に装備魔法を準備すること。相手モンスターに適当な聖剣を装備させるでもいいし、自分のモンスターに焔聖騎士を装備させるでもいいが、ゴッフェニが着地した瞬間からモンスター効果無効効果を発動するためのコストが存在することが重要である。
この動きを徹底することで、マスカレーナやフェンリル、アーゼウスなど、こちらの盤面に干渉するモンスターを拒否できるようになる他、ニビルケアにもなることがある。
相手の場にルルカロスやバロネスのようなモンスターが存在する場合、そもそもゴッフェニのss効果が通るとは思い難い。そういう時に強いのはジョワユーズの②効果。
イゾルデを立てつつチェーン2でジョワユーズを使えばイゾルデを無効破壊から守りつつゴッフェニを着地させることができ、ジョワユーズに無効破壊を使って来たらゴッフェニ自身の効果でssすれば良い。
なお、わざとゴッフェニの効果に無効破壊を使わせた上で咎姫で蘇生するプランもある。
また、どうしても盤面への着地に失敗した時、最終手段として剛炎の剣士での自爆特攻による蘇生も存在する。この動きではキルをとれるか怪しいが、①ギアブレード装備の剛炎で攻撃 ②ギアブレードで2回攻撃付与 ③剛炎で自爆特攻し、ゴッフェニ蘇生 ④ゴッフェニで2回攻撃……とすることで盤面を処理し切ることは可能だろう。
テュルパンの装備効果を使おう
後手で超融合を打った時やサイフレームγを使った時、自身の場にはレベル6の非チューナーが存在する。これをただのリンク素材にするなんてとんでもない。
こういう時には
①オジエでテュルパンを落とす ②オジエにテュルパンを装備 ③オジエ+レベル6=バロネス
とすることで1妨害踏めることが確定する。
もちろんバロネスで終わりではなく、墓地のオジエをバロネスに装備すればテュルパンが自己ssでき、そこから手札にリナルドやオリヴィエがあればアンジェリカも成立することとなる。なんなら伏せを1枚割ってバロネス+テュルパン=イゾルデにするだけでも割と強い。
キルとれるか怪しい時
ゴッフェニの回収に墓穴を打たれた時など、ワンキルに届くか怪しくなることもあるだろう。そんな時は慌てず騒がず落ち着いて、シャルル大帝で制圧すれば良い。仮にこちらの展開も微妙になって大帝1体以外の妨害が立てられなかったとしても、リソースの少ない相手に突破されるほど大帝は弱くないのだ。
相手ターンにモージでデッキリソースを回復しつつアンジェリカで墓地リソースを稼ぎ、エンドフェイズに墓地のデュランダルをシャルルへ装備し……
焔聖騎士は持久戦に優れたテーマだということを思い知らせてやろう。
最後に
この記事では純構築な焔聖騎士におけるプレイングについてを色々と記述してきた。最初は難しいアドリブ展開がうまく行かず、墓地咎姫しか妨害が残せないこともあるだろう。時間切れで負けることもあるだろう。だが、そこで諦めないでほしい。
焔聖騎士に限ったことではないが、全ては経験による知識の蓄積である。「こういう時はこうすれば上手くいったな…」という経験のひとつひとつがあなたのアドリブ展開を支え、勝利への礎となる。
さあ、知識は揃った。あなただけの展開を見つける挑戦の始まりだ。
ところでこの記事、私が提示したデッキの回し方を説くばかりで、焔聖騎士のデッキを組む上で何が重要なのかは一切話してこなかった。混ぜ物や装備魔法の採用枚数、採用したい誘発など、自分で焔聖騎士デッキを組もうとするとまた違った知識が必要になるだろう。
それらに関する話は【構築編】にて。また会おう。
疑問・質問があれば気軽にTwitterやコメント欄へどうぞ
イゾルデ初動で大暴れ、焔聖騎士で戦おう!【初級編】|zaty
イゾルデ初動はもう古い!?アンジェリカ初動焔聖騎士で戦おう【中級編】|zaty
【構築編】……まだないよ