気まぐれカード解説vol.31《邪魂転生》【デュエプレ】
皆さんこんにちは、はじめましての方ははじめまして、保留状態です。
ふと思い付いたカードを紹介していく記事。今回のカードは《邪魂転生》です。
※この記事において、「TCG」と表記しているものは紙のデュエルマスターズを差します。「デュエプレ」と表記しているデュエルマスターズプレイスとは便宜上区別しています。
※画像の出典はデュエプレのカードはデュエプレの公式ホームページにあるカード検索のもの、紙のものはデュエルマスターズの公式ホームページにあるカード検索のものです。
《邪魂転生》はクロニクルパックで登場したカードです。
クロニクルパックでは懐かしいカードの収録が行われ、《邪魂転生》もその1つです。
TCGからの変更点は、ドローの枚数が手札上限までになったことです。
闇文明に今まで無かった、クリーチャーを好きな数破壊できるカードです。
こうして破壊したクリーチャー1体につき2ドローできます。
1体破壊して2ドローするにしては、破壊するクリーチャーと《邪魂転生》の2枚を使って2枚ドローしているのでしょっぱいです。
できれば3体以上破壊して大量にドローしたいところです。
手札上限までしかドローできませんが、これはクリーチャーを大量に破壊してもその分ドローしなくても済むので、デッキ枚数にとらわれずにたった3マナで味方を全部破壊するカードとしても使えます。《神聖牙 UK パンク》で出したクリーチャーを《UK パンク》もろとも破壊して、《神聖牙 UK パンク》で全員復活させるのは楽しい動きです。
このカードの欠点は、ドローを《邪魂転生》だけに依存するとデッキが大きく歪む上に不安定になりやすいことです。
《邪魂転生》で破壊したいクリーチャーは小型で破壊された時に何かするカードが多いです。そのため、《邪魂転生》をプレイする前提でデッキに採用されるカードが多くなりがちです。
その結果、《邪魂転生》が引けた場合は問題無いですが、引けなかった場合は悲惨なことになります。そのため、強いデッキを組もうとすると、《邪魂転生》以外のドローソースを採用しなければなりません。
中盤以降の動きも課題です。
小型クリーチャーがたくさん入っているから、何かするにしても枠は多く無さそうです。いっぱいドローできたとしても、そこからどうやって勝つのか、構想力が問われます。
《神聖牙 UK パンク》の場合は序盤にドロン・ゴーするだけでなく、中盤以降に味方を大量破壊しているだけで強く、《邪魂転生》をいつでも強いカードとして使えます。
さて、今回の記事のトピックは、先日結果が発表されました、ぷちデッキビルド杯です。
ぷちビルド杯では審査員の依頼を受けまして、デッキの投稿だけでなく、入賞作品の選定もさせていただきました。
今までたくさんの作品の中から優れたものを選ぶ経験をしたことがあまり無かったため、今回は選定するにあたり、どんなことを考えていたのかを書き留めることにします。
まずは選者の嗜好について。デッキを選ぶのは人間なので、選ぶ人の好みもデッキ選定に影響することがあります。
筆者の好みは、「昔のもの」です。そのため、かつて環境で活躍したものの、下方修正によって滅んだデッキを現代に「うまくアレンジ」して投稿したデッキがあれば、大いに注目していたかもしれません。参加者目線だと、そんなデッキを投稿したとしても普通入賞するとは思えませんが。
しかし、かつての環境デッキのリメイクは非常に難しいです。
環境で活躍したデッキというのは、元々多くのプレイヤーによって試行錯誤された結果洗練されたものなので、完成度が非常に高いです。従って、その中に現代のカードを入れようとすると、元々持っていた美しさが崩れる恐れがあります。
アレンジに挑戦するには、まずは昔のデッキを堪能してどんなデッキなのかを理解し、そこから相性が良さそうなカードを入れては抜いてを繰り返すことになります。そこまでする位なら0から新しいデッキを作った方が簡単かもしれないですね。
結局、その観点から見て心に響くデッキが無かったので、別の審査基準を設けることにしました。
審査基準の1つは、能力の修正によって可能になったことをしっかりと活用しているのかです。
上方修正されたカードを使った、と言われても、そのカードが強くなった要素が生かせていなければ、別に強くなった意味が無いです。
例えば《ジェネラル・クワガタン》の場合は、出た時にデッキからドリームメイトをマナに置けるようになったので、そのマナ加速を上手に活用できているかでしょう。
《ジェネラル・クワガタン》で狙ったカードを確定でマナに置けるようにして、何度も復活できるようにしたり、破壊されやすい状況をうまく作っていたり、マナ加速の活用もうまくやっていたら筆者の中でノミネート(入賞作品候補に選定)しようかと思っていました。
似た基準としては、現代になってできるようになった要素がそのデッキにあるのか、見ていました。
具体的に言うなれば、下方修正された後に登場したカードと組み合わせているのかどうかです。
また、デッキとしての完成度は大きな注目ポイントでした。
具体的なポイントとしては、これを入れた方が良いのではないか、とすぐに思いつくカードが無ければ合格です。
そのため、アイデアはとても面白いけど、もっと面白くできそうだと思ったら、ノミネートこそしたものの入賞作品に選んでいませんでした。良くなる余地があるなら、そのデッキは1番にならないと思っていましたから。
この辺りは選者によって差がありました。
他にも、他人の選考と被らないようにするしたいと考えていました。
筆者の興味を引いていたのは《烈流神》を使ったデッキでしたが、他の方が出した候補とカードが被ったから、没にしています。
ここまでご覧になられて、考えすぎではないかと思うかもしれませんが、その通りです。考えすぎて何が何だか訳がわからなくなっていたので、色々とケチって大雑把にやっていました。1つ1つ、しらみ潰しにやる気力は無かったです。150個も投稿されているから、全部評価するのは大変です。
最終的にどんなデッキを入賞作品の候補に選んだのかですが、このぷちビルド杯では堅実なデッキが入賞作品に選ばれることが多かったので、あえてアイデアを評価して派手なコンボデッキを第一候補にしていました。しかし、使用したカードが被ったこともあり、第一候補は没になりました。
第二候補にしたデッキは、しっかりと上方修正によって可能になったことをやっていた上で、デッキとしての完成度も高かったものにしていました。
そのデッキこそが、入賞作品になった「魂の昇華NEO」でした。
このデッキのキーカードの1つが、今回紹介した《邪魂転生》でした。このデッキだと中盤で使うコンボパーツとしての役割が強いです。
《邪帝遺跡 ボアロパゴス》龍解のために並べたクリーチャーを《邪魂転生》で大量に破壊して手札をいっぱいにして、リセットされた盤面を《ルナ・コスモビュー》と《ボアロパゴス》を使って再生し、《超電磁マクスウェル Z》による呪文封殺も絡めて勝つデッキです。
上方修正された《統率するレオパルド・ホーン》は自分のクリーチャーが4体いれば0マナで出せるようになりましたが、これにより、《レオパルド・ホーン》を0マナで出しても《ボアロパゴス》でクリーチャーを出すスペースが確保できるようになりました。これが画期的だと評価しました。1体出せれば《鎧亜の咆哮キリュー・ジルヴェス》で味方が全員SAになりますから、その差はデカイです。
このデッキを選んだ理由の1つとして、《ボアロパゴス》とバトルゾーンの全体破壊ギミックをうまく活用していたことに惹かれたからでした。
と言うのも、デュエプレでは《ボアロパゴス》は盤面制限の枷がきつすぎて、満足にクリーチャーが展開できないので、色々工夫する必要がありました。
しかし、バトルゾーンからクリーチャーがいなくなれば、制限なんて無いようなものです。欲望に従ってクリーチャーをいっぱい出せるようになります。
筆者は過去にループのために《殺戮の羅刹デス・クルーザー》でバトルゾーンを全て破壊するデッキを使っていたこともありました。そのため、一旦作った盤面を壊すコンセプトを評価したいとも思いました。
後はコメントを書くことになりましたが、こちらは本家ビルド杯のものにかなり寄せていました。
前半にカードの紹介、半ばにデッキの動かし方、最後に評価点を持ってきた文章構成だけでなく、分量が1300字以上あることや「!」の多様まで、とことんオマージュしました。
というわけで《邪魂転生》の紹介でした。
裏話をもう1つしておきましょう。デッキ投稿についてです。ぷちビルド杯では選者が投稿したデッキは入賞作品に選ばれない決まりでした。そのため、いつも通りデッキを大量に投稿すると、審査されないデッキなのに他人のアイデアと被る事態が多発するのではないかと懸念していました。そのため、投稿数に制限をかけただけでなく、投稿時間も終了5分前と異常な動きをしていました。一部の人には審査員だとバレていそうでしたが、どうだったことやら。
直近のデッキビルド杯は派手なコンボデッキが評価される傾向が非常に強いので、ぷちビルド杯はその反動が来ていたように思えます。かなり派手なデッキが少なく、シンプルなアイデアで審査員を唸らせたデッキが入賞していました。
また、《ボアロパゴス》と全体破壊ギミックの組み合わせが好きなことは、最近だとその要素を含んだデッキを使ってマスターに到達したことで、改めて自覚しました。
この記事を楽しんでいただければ幸いです。
またどこかでお会いしましょう。
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