気まぐれカード解説vol.32《邪帝遺跡 ボアロパゴス》【デュエプレ】
皆さんこんにちは、はじめましての方ははじめまして、保留状態です。
ふと思い付いたカードを紹介していく記事。今回のカードは《邪帝遺跡 ボアロパゴス》です。
※この記事において、「TCG」と表記しているものは紙のデュエルマスターズを差します。「デュエプレ」と表記しているデュエルマスターズプレイスとは便宜上区別しています。
※画像の出典はデュエプレのカードはデュエプレの公式ホームページにあるカード検索のもの、紙のものはデュエルマスターズの公式ホームページにあるカード検索のものです。
《邪帝遺跡 ボアロパゴス》はLEGEND OF PLAY'S 2024に収録されたカードです。
《邪帝斧 ボアロアックス》が龍解することでこの姿となり、クリーチャーを手札から召喚する度にマナからクリーチャーを出せるという、とんでもない効果を持っています。
TCGとは龍解条件が緩くなっており、ターンのはじめにドラグハートのコストも含めてバトルゾーンのコストの合計が30以上になるとクリーチャー面になります。
ウエポン面やクリーチャー面も語ることが多いですが、今回はフォートレス面に焦点を当てていきます。
クリーチャーの踏み倒しは見た目こそ派手ですが、デュエプレ独自のバトルゾーンの枚数制限により、その出力はTCGより低くなっています。
《邪帝斧 ボアロアックス》を《ボアロパゴス》に龍解させるためにコストの合計が20マナになるようにクリーチャーを出さないといけないため、その時点である程度のクリーチャーを出す必要があります。
【イメン=ブーゴ】なら《龍覇 イメン=ブーゴ》から《音感の精霊龍 エメラルーダ》を出して《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》をSBで出すことで20コストにしたり、《龍覇 サソリス》から《次元流の豪力》を出して6マナサイキックを出して隣に誰かクリーチャーがいることで20マナを達成できるようにします。
この瞬間、バトルゾーンにはクリーチャーが4~5体並んでいるので、《ボアロパゴス》の出力は低いです。クリーチャーを召喚して、《ボアロパゴス》でクリーチャーを踏み倒して、そしてまたクリーチャーを召喚して…とはいきませんから。すぐにバトルゾーンが満杯になってしまいます。
そんな制約がありながら、プレイヤー達の研究により、狭いバトルゾーンでうまくやりくりして《ボアロパゴス》をうまく使おうとしました。
例えば《霞み妖精ジャスミン》。出してすぐにバトルゾーンからいなくなるため、バトルゾーンを占有せずに済みます。
また、既存のクリーチャーの上に重ねて出るためバトルゾーンを減らさないどころか、場合によっては減らしてくれる進化クリーチャーもその恩恵を受けています。
特に《豪勇者「猛攻の面」》は《ボアロパゴス》龍解のために並べたクリーチャーを攻撃時能力やマナ武装で過剰なまでのバフをかけることができる上、破壊されてもマナに送られるようにするため、一度破壊されても《ボアロパゴス》で復旧が容易になるようにしています。
こうして《龍覇 サソリス》と一緒に使われることが多かったですが、《サソリス》がスタン落ちしたため自然単で組むタイプは崩壊したと言えるでしょう。
しかし、まだ《龍覇 イメン=ブーゴ》が残っているので、今後新たなデッキが生まれるのか、開発が期待されています。
さて、今回このカードを取り上げたのは他でも無い、ループでの活用について考察するためです。
TCGだとこのカードを使ったループデッキがいくつも考案されてきました。しかし、デュエプレにおけるループは実践的ではありません。
最大の原因は、ループの手順省略ができないことです。
TCGだとループの手順はプレイヤー間の意思疎通により、ループの手順が省略が可能な場合があります。
しかし、デュエプレだとそんなことはできません。
アプリ内で処理が行われる関係上、プレイヤーがループが発生したからと言って手順の省略はできないのです。
例えば、一連のループにより7マナ使用した結果8マナ使用可能マナが回復するループにがあったとしましょう。この場合、1回ループするごとに1マナ使用可能マナが回復される状態が発生します。
TCGだと無限に1マナ回復することを証明すればその手順を省略して好きな数カードを使えますが、デュエプレだと1マナ回復する手順を何回も繰り返さなければなりません。
たった1つの勝利のために、長い手順を繰り返す必要があるのはゲーム上よろしくありません。同一手順を繰り返しているとループミスが発生する可能性がありますし、相手をひどく待たせることにもなります。ループが終わるのを待っている相手からしたら、ゲーム体験としてはよろしくないでしょう。相手がカードゲームに慣れているとは限りません。
このような事情からか、デュエプレではループに対して慎重になっています。
7分30秒程度でゲームを終わらせることを目的としているデュエプレでは、決着に長時間かかるループは敬遠されがちです。ソリティアでも規制がかかったことがある程です。そのため、ループできないようにあれこれ手が打たれています。
無限ループができそうな能力の発動に対してはターン1制限がかけられるケースはデュエプレだと多く見られます。
ターン1制限がつけられなかったものの、後付けでターン9制限が設けられることもあります。
自然単においてもかなり慎重な調整がされています。
名称ターン1やアンタップしてマナに置けないカード達のカードの実装だけにとどまりません。何かの間違いでループしたとしても勝てないように保険をかけています。
マナから山札にカードを戻すタイプのデッキの回復を与えていませんし、無限に使うことでゲームに勝てる《曲芸メイド・リン・ララバイ》などの自然単で解決するフィニッシャーも実装されていません。しかも、マナゾーンのカードに複数触れるようになるカードすらいません。
ループとは1枚で複数のカードに作用するのが大事ですから、危険なカードは大体調整がされています。
改めて、《ボアロパゴス》を使ったループと向き合いましょう。
《ボアロパゴス》を使う場合に必要になるのは、
・手札からバトルゾーンにクリーチャーを出し続ける手段
・マナからバトルゾーンに出したカードをマナに置く手段
・使用可能マナを回復させる手段(不要な場合もあり)
この3つが想定されます。
今回は例として、最初にるーたんさんがアップしていた「ニルトループ基盤」(以下、基盤)を、2つ目に筆者がビルド杯に投稿したレシピを出しておきます。
1つ目は、《ボアロパゴス》の起動条件が手札からクリーチャーを召喚することなので、手札から常にクリーチャーを出し続けることができる方法を考えなければなりません。
ADなら基盤でも採用されているように、《海底機兵シーカイ》を使うのが最適です。出た時に自分で手札に戻るから、マナがある限り何度でも出すことができます。1マナ軽減すれば1マナで出せますからね。
しかし、NDだとこれが難しいです。似た役割を果たせた《アクア忍者 ライヤ》がいなくなったから、バトルゾーンにあるクリーチャーを手札に戻すのに一手間かかるので、かなり苦戦します。手札に戻すためだけに、呪文の《龍脈術 落城の計》を使わないといけないのです。
ビルド杯のレシピでは、その問題を《武家類武士目 ステージュラ》で解決しています。
出た時にマナから《霞み妖精ジャスミン》を4枚回収することで、手札から出すクリーチャーを用意しています。
《ジャスミン》を大量に使うとなるとデッキアウトが心配になりますが、なぜかデッキアウトによる敗北を1ターン防いでくれるカードが実装されたので、その条件はクリアしました。
2つ目は、バトルゾーンに出したカードを何とかしてバトルゾーンから退場させる手段です。バトルゾーンにクリーチャーをたくさん出したとしても、それらをもう一度使えるようにしないといけません。
元々は踏み倒したクリーチャーを破壊する《早撃人形マグナム》と、破壊されたクリーチャーをマナに置く《豪勇者「猛攻の面」》がその役割を担っていましたが、現在は《早撃人形マグナム》はスタン落ちしています。
代替手段が必要になりますが、目をつけたのが前回紹介した《邪魂転生》。
たった3マナで好きな数クリーチャーを破壊できるカードなので、《ボアロパゴス》から出したクリーチャーを《邪魂転生》でたくさん破壊し、《「猛攻の面」》で墓地ではなくマナに送ることで再度マナから出せる構えがとれます。
3つ目は基盤だと《統率するレオパルド・ホーン》と《クリクリ・イガラーズ》を合わせて使えば0マナでマナが回復するので、必要ないケースもありますが、今回は必要だとしておきます。
基盤だとコスト軽減により1マナで出した《シーカイ》に反応して《ボアロパゴス》で自然のクリーチャーを踏み倒し、それが破壊されて《「猛攻の面」》でマナに置かれることで1マナ回復するので、簡単に無限ループが成立します。
しかし、ビルド杯のレシピではその手順が非常に難解です。ループ証明の問題にできる程です。
答え合わせは以下の通りです。
ここまで色々書いてきましたが、もしかしたら別の形もあるかもしれません。ADだと革命2で1マナで出せる進化クリーチャーこと《革命目 ギョギョウ》を使うことでループする手順があるため、色々ありそうです。さて、どこまで簡略化されるのか?
《ボアロパゴス》建立は《サンナップ》の登場により、0マナで3マナのクリーチャーを出せるようになったので、バトルゾーンに何も無くてもできるようになっています。そのため難易度は高くありません。
環境の速度が上がったら《ボアロパゴス》が使われなくなる可能性はありますが、他の手順は難しいので、結局ロマンで止まりそうです。自然単ループを異次元なデッキにした実績のある《ベイB ジャック》はあてにならないし。
というわけで《邪帝遺跡 ボアロパゴス》の紹介でした。
筆者はTCGで成立していたデッキがデュエプレでも再現できないか試行錯誤するのが好きなので、《邪帝遺跡 ボアロパゴス》が登場してから常にループできないか、色々考えていました。
簡単なループは成立しますが、それだとちょっと美しくないと思っていました。できればループは自然単で成立させたいと思っていました。しかし、自然単で組むより他の文明を混ぜた方が何かと都合が良くなるため、完全な自然単は諦めた方が良さそうです。
軽い連絡ですが、少し思うことがあったので、ビルド杯の振り返りは次の大きなメンテナンスの時に出します。
この記事を楽しんでいただければ幸いです。
またどこかでお会いしましょう。
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