気まぐれカード解説vol.30《ロイヤル・ドリアン》【デュエプレ】
皆さんこんにちは、はじめましての方ははじめまして、保留状態です。
ふと思い付いたカードを紹介していく記事。今回のカードは《ロイヤル・ドリアン》です。
※この記事において、「TCG」と表記しているものは紙のデュエルマスターズを差します。「デュエプレ」と表記しているデュエルマスターズプレイスとは便宜上区別しています。
※画像の出典はデュエプレのカードはデュエプレの公式ホームページにあるカード検索のもの、紙のものはデュエルマスターズの公式ホームページにあるカード検索のものです。
《ロイヤル・ドリアン》はTCGだと登場当初から面白い挙動をするカードとして知られていました。
出た時に進化クリーチャーの一番上のカードをマナに置くのです。
進化クリーチャーが普通のクリーチャーに戻るこの動きはクリーチャーが進化する挙動と逆なことから、退化と呼ばれています。
退化したとしても、進化先の方が進化元より強いケースは多くありません。わざわざバトルゾーンにいるクリーチャーの上に重ねて出しているから、そんなことは普通あり得ません。
しかし、進化クリーチャーの中にはバトルゾーン以外のゾーンにあるクリーチャーを進化元にできる進化クリーチャーもいます。墓地進化やマナ進化などです。
そういったクリーチャーの進化元にとても強いクリーチャーを用意し、進化先の"カード"だけがバトルゾーンを離れると、とても強いクリーチャーが残るのです(出た時能力は使えないけど)。これを利用して、15マナで進化元を3枚も要求する超最強クリーチャーを4ターンで出すこともできました。
退化にはカード指定除去が使われることが多いですが、《ロイヤル・ドリアン》はそれらが登場する前に実装された、元祖退化クリーチャーでした。
自然文明で退化に使えたことから、【水闇自然墓地退化】で使われた実績もありますね。
そんな特殊なカードがデュエプレで実装されたらどうなったか、見てみましょう。
紙のアイデンティティー、消滅!
進化クリーチャーが進化元を残すことなくマナに置かれるようになってしまいました。進化クリーチャー限定の除去です。これでは退化できません。
《ロイヤル・ドリアン》がこの性能で使われたかどうかですが、確かに実装当時、環境で使われていた進化クリーチャーはいました。ただ、そいつらのためにこのカードをピンポイントで使うわけにはいかなかったです。
何なら、デュエプレだと退化の難易度が非常に高くなっています。先ほどカード指定除去を使うことで退化ができると書きましたが、デュエプレだとそうはいきません。デュエプレのカード指定除去はTCGで言うエレメント除去に該当するので、進化クリーチャーの一番上だけを処理するなんて芸当はできないのです。
それ故、進化クリーチャーが離れた時などに進化元を出すカードを使わないと退化はできません。
こうして誰にも使われることなく歴史の中に埋もれることになるかと思われましたが、実は《ロイヤル・ドリアン》にはデュエプレにおいて珍しい特徴がありました。
自分のマナに置かれるカードがアンタップなのです。
一見それが偉いように見えませんが、他の盤面にある自分のクリーチャーをマナに置く方々を見てみましょう。
ループさせまいとしているのか、アンタップで置かせてくれません。アンタップで置かせてくれるのは呪文だったり自分が多色だったり、コストが6以上だったりします。
5マナ以下だと何が良いかと言いますと、《邪帝遺跡 ボアロパゴス》の踏み倒し対象になれることです。
《ロイヤル・ドリアン》はコスト5以下であり、単色でアンタップで自分のクリーチャーをマナに置けるのです。
アンタップだと何がいいのか、みんな大好き、ループできます。
以下、軽いループ講座です。あくまでループの一例ですので、興味がある人は考えてみてください。
初期盤面
バトルゾーン
《邪帝遺跡 ボアロパゴス》1つ
《ロイヤル・ドリアン》1体
ドリームメイト、アーク・セラフィム、ワイルド・ベジーズのいずれか2体(上記《ロイヤル・ドリアン》を除く)
または1軽減
マナ
《ロイヤル・ドリアン》1枚
《クリクリ・イガラーズ》2枚、
《キングエンパイア》1枚
手札
《クリクリ・イガラーズ》1枚
手順(バトルゾーンに2体いるパターン)
1.2マナで《イガラーズ》を手札から出して《イガラーズ》を回収
2.《ボアロパゴス》の能力でマナから《イガラーズ》を出して《キングエンパイア》を回収
3.1マナで《キングエンパイア》を《イガラーズ》2体と《ロイヤル・ドリアン》を進化元にして進化。
4,《ボアロパゴス》の能力でマナから《ロイヤル・ドリアン》を出し、《キングエンパイア》をマナに
5.1~4を繰り返す
(軽減型なら1と3で支払うマナの数が変わるだけで済みます)
これにより、3マナ使って4マナ回復するループが成立しています。すなわちマナが無限に使えるようになるのです。
ループに《イガラーズ》を3枚も要求していますが、マナにドラゴンがあれば《ビクトリー・アップル》でも代用できますし、自然文明だからサーチも豊富です。
後は無限にマナを回復できるので、どうにかフィッシュしましょう。現在実用的な案はありません。無限に使うことで相手のデッキを0にする手段が無いのです。そのためしぶしぶ《「呪」の頂 サスペンス》を使うことになります。
というわけで《ロイヤル・ドリアン》の紹介でした。
ループに関与するとなると、遠い将来ナーフされる可能性がありますが、果たして。今ならマナからカードをデッキトップに送るカードがなかったり、マナ回収も少なかったりするので、全然大丈夫そうです。しかし、DCGならではの問題としてループ証明ができず、省略もできないため時間も手間もかかる欠点があります。そのためシェアが広がるかどうかは怪しいでしょうか。
この記事の大元は確か数ヵ月前に執筆したものでした。それを《S級原始 サンマッド》の発表に合わせて加筆して公開することにしました。
《アラゴト・ムスビ》などと合わせて無限マナ加速できると別の記事で説明しましたね。
そこからどうやってマナを回復させるかですが、今回紹介した《ロイヤル・ドリアン》が《サンマッド》をマナにアンタップ状態でマナに置けるから、それを利用して回復させる動きはありそうです。
自然単のループは成立しなくとも、トリガーを止めながら勝てるソリティアデッキが成立してしまいました。
【ワラシベイベー】です。
はじまりは《獣軍隊 キンコング》が大半の方にとっては些細に思われた調整を受けて実装されたことだと思います。そこからが研究が進み、思わぬところから《剛撃霊樹 タイタニス》と言う超強化パーツを入手したことと環境の低速化などにより、最終にも残るほどのデッキになりました。
あのデッキがここまで強くなるとは思っていませんでした。
環境の変遷によっては何かしらの調整が入る可能性はありますが、次の弾で《伝説の禁断 ドキンダムX》が実装されることで【レッドゾーン】系統が強くなるので、苦手対面が増えて【ワラシベイベー】の立ち位置が悪くなると予想しています。
この記事を楽しんでいただければ幸いです。
またどこかでお会いしましょう。
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