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【デュエプレ】クイックピック・クロニクルパック後期環境考察(後編3/3)

 カードプールについて詳細に解説します。
データは筆者が独自にカウントしたものです。そのため間違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。


水闇火(コントロール)

SR枠
R
UC
C以下
トリガー
特殊


一言コメント
名前の通り、しっかりコントロールしている。
手札破壊も除去も他のテーマと比べて格段に豊富で、在りし日の除去コントロールが楽しめる。リソースの薄さも《No Data》や《のろいとテラーの贈り物》などでカバーできるし、リソースが大事な環境だったので、8マナと重くて使えるか疑問視していた《ニコル・ボーラス》も強かった。最低限《ロスト・ソウル》として使えてバトルゾーンにいれば圧をかけられるカードが弱い訳がなかった。


水闇自然(アンチャンス)

SR枠
R
UC
C以下
トリガー
特殊

一言コメント
自然中心のテーマ。
《超神星ヴァルカン・アンチャンス》と言う、一見ふざけた名前のテーマをしている割には進化元になれるジャイアントが体感少ない。《電脳鎧冑アナリス》が見あたらないのは筆者が悪いのだろうか?
別のところでも語ったが、魔帝剣征のカードがいないのが本当に残念。覚えている方は多くないだろうが、この弾ではジャイアントデッキの要である《西南の超人》が再録されていたので、それが使えないのは悲しい。
切り札の方向性はサイバー同様、こちらもまとまっていないが、どの切り札もマナを貯めることが大切なのは共通でもある。それ故、マナを貯めて強いカードを叩きつけるだけでも戦えた。
マナをリソースに戦えるから、人気は無かった印象はあるがしっかり強いテーマだった。忖度込みでTier2に入れたい位だ。


水火自然(侵略者)

SR枠
R
UC
C以下
トリガー
特殊

一言コメント
特殊枠の内訳はあんまり変わっていないはずなのだが、強さが格段に落ちた印象がある。前の環境よりは通りが良いはずなのにだ。
その原因は共通枠のカードにある。特にリソース札がかなり消えたことが大きく、動きの再現性が低くなっていると推測される。《エナジー・ライト》や《熱湯グレンニャー》など、足りないカードを列挙するときりがない。
また、《熱血龍 パラスラッガー》のような一見無駄に思えたコマンドがいないことから、侵略しにくくなっていたのも原因かもしれない。
これらの事情から、このテーマが潜在的に抱えていた、進化クリーチャーが多すぎる問題がここで顕在化したと推測される。
しかし、強い時と弱い時の差が大きいテーマだから、強い動きを毎回やったら5勝できる。下バイクをたくさんとって毎回侵略を決められたら強いし。


闇火自然(フェニックス)

SR枠
R
UC
C以下
トリガー
特殊

一言コメント
最強のテーマ。
まず、今環境の中心で最強の《暗黒神羅凰ゼロ・フェニックス》がSRが、5枠しか存在しない関係上、1回につき6割で提示される。1枚もピックできない確率より3枚ピックできる確率の方が高い。
ピック段階でとりやすい《ゼロ・フェニックス》に対しては、サーチ手段が豊富でもある。UCに3枚、Cやトリガー枠に1枚と、安定している。
サーチして出した《ゼロ・フェニックス》の前形態こと《羅月デス・フェニックス》は条件付きで墓地から出せるので、破壊が有効に見えないし、除去してもリソースが減ってしまう。2段階に分けて行われるクリーチャー除去もクリーチャーを並べるデッキにとってはきつすぎる。
しかも、共通カードも含めて役に立たないカードが異様に少ない。闇か火のクリーチャーなら進化元にできるし、《豊潤フォージュン》や《コダマダンス・チャージャー》、《フェアリーの火の子祭》など、手札が減らないマナ加速3種を扱えるのでリソースもきれない。
結果として無駄が少ない最強デッキを安定して組めるようになってしまった。

おわりに

今回の環境は18弾から続いた、ND中心のテーマピックとは異なる環境だったが、残念ながら筆者にはその問題点の多さから、この環境に対しては否定的な意見が多くなった。1つだけ飛び抜けて強いテーマがある一方で不十分なテーマがあったことなどが1原因だが、1/3においてカードプールの前提条件に問題があると語ったことについても詳しく記しておこう。

どうして変則的なカードプールができたの?

今回設定された提示されるカード一覧ははっきり言って歪だった。

この説明の仕方だとExパックが混ざっているように勘違いしてもおかしくないと思う。

どうして歪なカードプールが成立したのか、推察していく。
理由としては、ADのカードを使いたい一方で、使うカードを最低限にしたいと考えていたからでは無かろうか?
まず、テーマ設定はクロニクルパックのカードが目玉になるようにしたいから、大体こんな感じになるだろう。このあたりは考えれば大元のテーマ予想はできる。
グレートメカオーをテーマにしたいから7弾と8弾を入れたいし、《超電磁トワイライトΣ》など、SRのサイバーが3枚もいるから14弾も採用。サムライのことも考えて10弾と11弾、《ボルメテウス・武者・ドラゴン》関連で9弾も採用したことで、一部ADのカードとNDのカードが使えるカードプールの大元が完成していたと考えれば筋が通っているだろう。
この過程で魔帝剣征が入っていないのはなぜだかわからない。

こうして決定したカードプールから各テーマごとにカードを割り振ることになるが、その結果テーマごとに差が生まれてしまった。カードプールを決める時点で意識されていたテーマはちゃんとしているし、コントロールはそれっぽいカードを入れておけば良いテーマになるが、そうでないものは困っていそうだ。聖霊王が顕著で、NDのパワーカードを入れてないことも相まって、悲しいことになっていた。

NDにいる、汎用性が高いカードが色々不在な理由はわからない。

一部のテーマのために設定された、微妙に限られたカードプールこそが、筆者が目の敵にしている要素だ。この問題はいかに解決されるのが望ましいか?

代案

ここで語ることは改善案の1つで、もしこうだったらより楽しいモードになったのかもしれないという妄想である。
それは、カードプールをもっと広くしても良かったのではないかと言うことだ。
テーマに沿ってパックを選定するのではなく、文字通り「今まで収録された全てのカードの中から選りすぐりのカードが登場」させても良かったのでは無かろうか。その方が、テーマ性をより強く目立たせることができると思っている。

今回だとテーマが100%いかせていないものがあった。聖霊王だと《聖霊王アルファディオス》や《聖霊王アルファリオン》がいなくて物足りないし、《聖騎士ヴォイジャー》のような優秀な足回りもいないし、《バルカディアス・チャージャー》もいて欲しかった。
サイバーだと《マーチング・スプライト》や《サイバー・N・ワールド》を使ってみたかった。2マナサイバーも不足しており、ビートを組みにくかった。カードプールが広がれば戦略ごとに動きを特化させたデッキが組めたのではないかと思っているが、どうだろうか?

そんなにカードプールを広げても良いのかと思う方もいるかもしれない。たくさんのパックを使うことになると、その分共通枠のカードが増える可能性がある。カードプールが今よりも広かった時代の話をちょっとだけする。

17弾以前のテーマピックはADのカードが含まれていた。「今まで収録された全てのカードの中から選りすぐりのカードが登場」しており、1テーマあたり140枚前後で構成されていた(現在は100~110前後)。共通パーツに毎回《悪魔神バロム》とかがいて苦しんでいた思い出もあった。どうして現在よりも多かったというと、どうやら特殊枠の枚数自体は現在とあまり変わっていないのだが、共通カードの枚数が多かったことで特殊枠の割合が低くなり、各テーマが持つ強みが出しにくいようになっていたようだ。
そのため、18弾でリニューアルしてNDのカードしか提示されなくなったことでテーマ性を発揮しやすくなるようにされた。

閑話休題。今回の環境も一部のパックから中途半端に選ぶことなく、全てのパックを対象にしていれば1テーマあたりに採用されるカードの数は多くなり、再現性が高くなりすぎることは無かったのではないかと考えている。
この環境の欠陥の1つは、《暗黒神羅凰ゼロ・フェニックス》や《バンブル》など、毎回同じカードを複数枚安定してピックできたことなどにより再現性が異常に高まってしまい、毎回同じ動きができてしまったことだ。SRやVRで提示されるカードの種類を増やすことでこの問題の解決を図ることはできなかったか。

次の弾からはテーマ環境は以前と同じような感じに戻るだろうし、ADのカードが大きく混ざる環境は多分1年後になると予想しているが、もしもその時が来るならば、より楽しい環境に整備して貰っていると願いたい。

毎度のことだが、提示されるカードの一覧作成にはクイックピック研究会の皆さんによる、Discordへのデッキリスト投稿が役に立っている。そのため、精力的に活動している方々に感謝を申し上げ、この環境考察の締めとさせていただく。

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