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第3回 行動経済学(サンクコストバイアス、選択のパラドックス)
こんにちは。
最初の挨拶を考えるのに30分かかり、あきらめてしまった雑学くんです。
今回の第3回行動経済学では、「サンクコストバイアス」と「選択のパラドックス」というものについて紹介していきます。
「サンクコストバイアス」と「選択のパラドックス」はかなりわれわれの生活に結びついています。
これらの特徴を知ったうえで、自分の生活やビジネスに生かすことが出来れば、今より良い意思決定が出来るかもしれません。
サンクコストバイアスとは?
まず初めに、サンクコストバイアスについて紹介していきます。
サンクコストバイアスは(埋没費用バイアスやコンコルドの誤謬)ともいいます。
サンクコスト(埋没費用)とは、お金や時間を既に使ってしまい、回収不可能になった費用のことです。
ここからはサンクコストバイアスの罠にかかってしまった例を紹介します。
コンコルド効果という名称は、過去に英仏で共同開発が進められた超音波旅客機コンコルドから来ています。
コンコルドは赤字になると見込まれていたにもかかわらず、開発が進められました。しかし、その負債の大きさから開発は中止に追い込まれ、さらに開発会社は倒産したのです。また、商業的にも成功する見込みのないまま、2000年まで運航は継続されました。
このように、これまで投資したお金や時間を無駄にするのが惜しいあまりに、採算がとれないと分かっていながらも、さらに投資してしまうというのがサンクコストバイアスによる影響です。
身近なもので言うと、ギャンブルが典型例です。
パチンコなどで赤字が続いているにも関わらず、なんとしても黒字になるまでパチンコを打ち続けようとするのもサンクコストによるものです。
いくら打っても赤字が膨らむだけなのに。。。
また恋愛においてもサンクコストバイアスが影響します。
例えば、「この人と付き合っていてもダメだ」と分かっているにもかかわらず、これまでにかけた時間やお金のことを考えて、ずるずると関係を続けてしまい、次に踏み出せない状態となること。
Twitterのナンパ界隈で有名な中星マインドも、女性にご飯や服などをおごらせることによって、サンクコストをかけさせろというのが教えです。
またブラック企業に勤めていたり、転職したいと思いながらも、なかなか転職に踏み出せないのも、これまでに会社にかけてきたコストを考えた結果、無意識に現状維持という選択をしている可能性は非常に高いです。
このように人はこれまでにかけたコスト(時間、お金)をなんとしても取り返そうとする心理が働いています。
このようなバイアスは時に間違った意思決定につながってしまい、人生を悪い方向へ導いてしまいます。
先程のコンコルド社の経営人も採算が取れないと分かっていたなら、直ぐにでも投資をやめ、赤字が膨らむのを防ぐべきでした。
ひどい彼氏や彼女と付き合っているならさっさと分かれて新たな出会いを求めて方が良いでしょう。
サンクコスト効果を一言で言ってしまえば「もったいない」から続けるです。
しかし、人生は一度しかありませんし、いつ死ぬか分かりません。
かけてきたコストがもったいないからという理由で、現状に満足していなかったり、これ以上続けても無駄なことをやり続けるのが本当の意味でもったいないのです。
つまりもったいない精神がもったいないのです。
日々、意思決定をする際にもこの「もったいない」に囚われていないかを意識していきたいです。
選択のパラドックス(ジャムの法則)
続いては、「選択のパラドックス」というものについて紹介していきたいと思います。
選択のパラドックスはジャムの法則とも呼ばれており、ベストセラーになった名著「選択の科学」の中で紹介されていた理論です。
選択のパラドックスとは、選択肢が多ければ多いほど、一つに決めきれないという人間の性質のことです
選択肢が多いことは、一見すばらしいことのように思えます。
しかし、我々が活きている現代は選択肢が多いあまりに、自分のやりたいことがわからず人生の迷子になっている人がかなりいると思います。
このことも選択のパラドックスで説明できます。
人間は与えられた選択肢が多いとストレスを感じてしますのです。
「選択のパラドックス」はコロンビア大学ビジネススクールの教授「シーナ・アイエンガー」が著書「選択の科学」で説いています。
【実験内容】
6種類のジャムを並べたテーブルと、24種類のジャムを並べたテーブルの2つを用意し、それぞれのテーブルでジャムの試食と販売を行うとどうなるか?
【結果】
6種類のジャムを並べたテーブル→試食に来た人数の30%の人がジャムを購入した
24種類のジャムを並べたテーブル→試食に来た人数の3%の人がジャムを購入した
選択肢が多いと人間は幸福を感じるという考えからすると、24種類のジャムが並んでいる方がお客さんは買ってくれそうな気もします。
しかし、結果的にはジャムの種類が6種類と少ないほうが、結果的には10倍の割合で売れています。
この実験から、選択肢は多ければ多いほどいいわけではなく、あまりに選択肢が多いと、逆に選択できなくなるということが分かりました。
ジャムの実験による結果でこのことが分かったので、このような状況のことを「ジャムの法則」と言ったりします。
このように選択のパラドックスはマーケティング戦略などでも多用されているので、ビジネスマンの方々は知っておいて損はないはずです。
またこの理論は恋愛においても応用できます。
先日このようなツイートがタイムラインに流れてきました。
https://twitter.com/koumikudayo/status/1258058338304004096?s=20
芸能人の横澤夏子さんが現在の彼氏さんに告白する時に、3つの選択肢を提示したそうです。
この告白方法の素晴らしい点は、2つあります。
一つ目は、選択肢を提示したことです。ちなみに選択肢は多すぎてもだめです。
人は選択肢を与えらると何らかの選択肢を選ぶ傾向があります。
例えば、家事などをお願いする時も、「洗濯物干して」というより、「食器洗いするか、洗濯物干すのどっちがやりたい?」と二つの選択肢を提示しながらお願いすれば、どちらかしてくれるはずです。
もうひとつは、極端な選択肢を二ついれたことです。
まだ付き合っていない人ですから、結婚は現実的にあり得ないでしょうし、二度と会わないという選択も選びにくいはずです(告白するくらいですから、いい雰囲気なはず)。
この二つの極端な選択肢を入れることによって、自分が望んでいる「付き合う」という選択肢に誘導したのです。
横澤夏子恐るべし。。。
ちなみにこの手法はマーケティングでも取り入れられています。
顧客にサービスや商品を売るときに、三つの価格帯(プラン)を提示すると、圧倒的な確率で真ん中の価格を選ぶのです。
つまり、あえて高い値段や低い値段を設定し、それらをおとりに使うことによって真ん中を選ばせているのです。
自由とは幸せな事に思えますが、選択肢に振り回され人生の迷子に陥ってしまう可能性があるのです。
選択肢に振り回されず、正しい意思決定をするには、自分の価値観や軸をしっかりもち、それに沿って意思決定をする必要があります。
株式会社刀のマーケター森岡毅さんも著書「苦しかった時の話をしようか」の中でこのように綴っています。
やりたいことがわからないのはなぜだろう?どんなものがあるのか、それらのオプション(選択肢)を知らないからわからないのだろうか?つまり、社会にどのような職業選択の可能性があるのか、その一つ一つを知らないから、自分にとってやりたいことがわからないということなのか?確かに自分にとってどのようなオプションがあるのか、ある程度は知らない限り最終決断はできない。しかし多くの人の悩みの本質はそれではないと私は確信している。仮に、世界中に存在するすべての職業オプションを頭に入れて、興味を持った順番に何百種類かピックアップし、理解するためのオリエンテーションを得る時間が許されたならば、君のやりたいことは見つかるだろうか?私はそうは思わないのだ。まずます迷って君の悩みはもっと深くなるだろう。これは就職や転職に限らず、商品の選択や、結婚相手を選ぶ場合でも同じだが、オプションが多すぎることはむしろ、人間にとっては厄介なストレスだ。これは脳の構造の問題だから心理なのだが、判断に相乗的に負荷が増すので悩みによるストレスが強くなるのだ。つまり、君の悩みの本質はオプションを知らないことではない。問題の本質は、君が世の中のことをまだよく知らないからではなく、君が自分自身のことを良く知らないからだと気づけば、解決への扉が開くだろう。問題の本質は外ではなく、君の内側にあるのだ。やりたいことが見つからないのは、自分の中に「軸」がないからだ。 引用:苦しかった時の話をしようか
このように、自分の中で軸を待つことが人生を過ごす上でいかに重要かわかります。
自分の軸の持ち方については、森岡さんの著書「苦しかった時の話をしようか」で詳しく紹介されています。
興味がある人はぜひ読んでみてください!