あんた、それは摘んだらあかん|ヒガンバナ
大好きなおばあちゃんに、たった一度だけ叱られたことがある。
わたしは生まれてから小学3年生までを祖父母と二世帯で暮らした。
学校から帰っても、夜勤のある父親、パート勤務の母親はおらず、いつも遊んでくれるのはおばあちゃんだった。
お餅のつき方も、そら豆の剥き方も、魚の骨の取り方も、全部おばあちゃんがとなりで教えてくれた。
わたしなんかが、一生かかっても追いつけないくらい。
優しくて、強くて、魅力がいっぱいの、大好きなおばあちゃん。
あれは、たぶん夏休みの夕暮れどきだっ