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トラップがスケートリンクになった
新しいフライパンを買ったのだけど、使いやすすぎて興奮しちゃった。
今までのは夫が持っていたのの引き継ぎで、もう加工が剥がれているのか確実にひっつく部分が存在していた。そこを経由しないように努めて炒めてみるのだが、そんなうまくはいかないもの。
卵はこびりつき、お肉はちぎれる。そしてお肉に片栗粉をつけた日には速攻でひっつきトラップに引っかかり、火が通った頃にはお肉はむき出しに、脱がされた衣はそれだけで集結して茶色い「もにょもにょ」という新たな具材に進化(?)するのだった。
そのため、卵を炒める系は別の小鍋で行ない、片栗粉まぶしお肉は諦めるなどしていた。しかしこの度、やっとフライパンを新調した。新年になって初めての買い替えかもしれない……いや、三が日のどこかで歯ブラシ替えたんだった。
向かったのは某ホームセンター。行けばわかるさと、ろくに調べずに行ったのだが、思いのほかプライベートブランド(PB)商品が大半を占めていて若干焦る。メーカーで比較しようと思っていたのに。
PB商品のなかでも価格の幅や見た目に違いはあるが、性能的には一体どう違うのか……とパッケージを注意深く見てみると、耐摩耗試験の回数に目が留まった。50万、100万、150万とバラつきがあり、価格も比例していた。
こびりつきをいち早く解決したいので、摩耗は大注目したいところ。そしてなるべく長く使いたいので、50万だと心許ない気がする。実際50万ってすごい数字なのだけど、150万があると霞んでみえるからすごい。しかし、その150万になると価格がまあまあ上がるのだ。
……じゃあ、100万回にしましょうかねえ。
やはり中庸が安定である。高校(の倫理)でアリストテレスと出会ってから、幾度となく登場してもらっている二文字だ。
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新品PBフライパンの実力やいかに、と言いたいところだが、初回はまさかのスープ料理にしてしまい、よくわからないことになってしまった。気を取り直して2回目はシンプルな炒めものに。
これは素晴らしいぞ。野菜もひっつかないし、お肉もちぎれない。調味料も必要以上に焦げつかない。
ということで、満を持してお肉に片栗粉をはたく。レギュラー選手の鶏むね肉は固くなりがちなのが難点だが、片栗粉をまとわせると私の技術でも十中八九柔らかく仕上がってくれるのだ。プリプリとした食感も好きなので、もうウッキウキである。
いざ、フライパンへ投入。するとどうだろう、スケートリンクかのようにスーッと滑っていくのだ。どこに行っても引っかからない。粉がうすーくフライパンにつくことはあっても、ちょっと撫でるだけであっけなく剥がれてくれる。すごい。新しいフライパンってすごい。ストレスフリーな炒めものってこんなに楽しいのか……。
テフロンは急な温度変化や衝撃に弱いとのこと。なので、使った直後に水をかけたりガシガシ洗ったりしないよう気をつけながら、なるべく長く使っていきたい。
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