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答えは意外とすぐそこに……


何がきっかけかは忘れたが、ピカソの絵について話していたときのこと。

個人的にはキュビズムではない絵が好みで、その中ではあの絵が好きなのだ、ということを言いたかった。しかし、その絵のタイトルがわからない。そのとき持ち合わせていた「不確かな」情報は、


『裸の人々(絶対複数)が、全身で踊っている。外で。』


だった。そして、たぶん晩年の作品だった気がする……と時代も特定していた。

それに対し、母も「ああ、あれね」と返してくれ、何一つ確かなものが無い中で二人の脳には共通の一枚があった。

はずだった。



しかし、先ほどの情報をもとに検索してみると、その絵は一向に姿を現さない。キュビズム以前にも範囲を広げてみたが、結果は同じ。更に、母が思い浮かべていてたのは別の絵(『浜辺を走る二人の女性』)だったということが判明。母のは正真正銘ピカソだったが、もしや私のは違うのでは……では、誰?


何でその絵を知ったかは定かではないが、可能性が高いと思われる美術の教科書(中学)を引っ張り出した。パラパラとめくり、後半に差し掛かるところで、ああ、あった……いや、違うぞ? とまたしても腑に落ちない事態に。

その絵の作者はアンリ・マティス。作品名は「ダンスⅡ」だった。マティスだったのか? それにしては私の記憶よりも色が赤っぽいし、生々しい。もっとシンプルな線と色合いだった気がするのだけど、それが見つからない以上、私の幻想説もあり得る。夜も更けていたこともあり、捜索はここで中断してしまった。


一週間後。
たまたま書店に行った際、面陳されている本たちの中に件の絵がひょっこり現れたのである。なんという偶然。本の名は『モダン』(原田マハ、文春文庫)だった。

この絵の名前は? 作者は? と本編前や本編後のページをサラッと確認させていただくも、記載は見当たらない。本書は短編集なので、その中のどれかがこの絵に絡んでいるはずと絵の説明部分を探して見ると、五人の女性が云々という文を発見。それはピカソの『アヴィニョンの娘たち』だった。

ん? と思われた方もいると思うが、『アヴィニョンの娘たち』はキュビズムの起点となった絵であり、私の幻想(仮)とは真逆だ。しかし、その名前を見つけたときは『アヴィニョン~』の全体図を忘れており、「これだ!」と解決宣言をしたのだった。


*****

ピーンポーンパーンポーン

帰宅後、改めてググって間違いに気が付き、書名を用いた再検索でやっとマティスの『ダンス』であることが判明したことをお知らせいたします(Ⅱがあるなら、確かに無印の存在もあったよな……)。
最後に、『モダン』についてですが、感謝も込めて後日購入させていただきたいと思います。


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三谷乃亜
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