新入りのハチミツです

食卓テーブルに見慣れないハチミツが置いてあった。父がコンビニで買って来たらしい。

父は料理を滅多にしないが、たまに食パンでフレンチトーストを作ることがある。私も、ものすごい昔に作ってもらったことがある気がするが、確か美味しかったはず。滅多にないのにその記憶の保持ってどうなのよ、とさらに深掘りをしてみたが、むしろ作ってもらったことすら本当だったか不安になってきてしまったので中断することにする。とりあえず、今回のハチミツはフレンチトースト用であることは確実なのでそこは安心してほしい（？）。

完成したフレンチトーストにトロリとかけられるためにハチミツは我が家にやってきたのだが、ここで問題が一つ。

我が家には、既にハチミツがいるのである。

父が台所に滞在する用事は、珈琲を淹れるときと食器洗いが多くを占めている。そのため、どういう調味料がどこにあるのかを把握していなかったらしい。また、母が作る料理でハチミツが使われることもほぼ無く、存在感が薄くなっていたのも大きいだろう。なにせ、私もハチミツがあることを知らなかったから。

え？

ある日の朝、古参ハチミツの在処を初めて知った私は、まだ固くなっていない新人ハチミツをヨーグルトにかけたのだった。ほら、使いやすいうちに使わないと、古参が増えてしまうからさ……？