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音で言葉を認識してたらしい
「音の問題か」
そう言われたとき、自分でわかっていたはずなのに、より腑に落ちた感じがした。
私は、その言葉が持つ強さを、本来の意味ではなく「音」で判定しているところがある。
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今回の例で言うと、「無礼」と「失礼」。
冒頭の発言をした人は「無礼」をカジュアルに使うのだが、正直なところ、これが結構苦手だったりする。
親や友達をはじめ、今まで付き合ってきた人からまず聞いたことがない単語だから、単純に聞き慣れていないだけかもしれない。
しかし実際問題、すごくキツく言われているように感じてしまうのだ。対象が自分かどうかは関係なく。
それに比べると、「失礼」はダメージが比較的少ないし、私自身言いやすいのもこっちである。
……とはいえ、厳密に意味を考えても「無礼」のほうが程度は強い。例としてはビミョーだったかしら。
しかし、意味で強弱を判断しているにしては嫌悪感を抱くスピードが速すぎるのも本当のこと。もっと感覚的に受け取っているというか。ストライクじゃなくてデッドボールみたいな(まーた感覚的なこと言ってる)。
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「無礼」と「失礼」の感じかたの違い。これはバ行が問題だと思っていた。バ行って力が入るぶん、強く感じるから。
しかし、もうひとつの例が思い浮かんだとき、そっちじゃない気がした。
バ行がマズいというより、サ行が好きなのかもしれない。
その例は、「きもい」と「きしょい」——今回の文章、いつにもなくネガティブワードが多くて申し訳ない。
ご存じのとおり、それぞれ「気持ち悪い」「気色悪い」の略語であり、意味合いも異なる。
しかし普段はそこまで区別しておらず、その代わりに音で区別している節がある。
前者は嫌度が強く、自ら口にするのもはばかられた(最近は大丈夫になったけど)(なっちゃダメじゃない?)。一方、後者はそれこそカジュアルな雰囲気をまとって見える。
サ行は発音時に空気が抜ける。その結果、弱く感じられるのかもしれない。
こんなふうに音重視で受け取ってしまうと、相手が意図しない意味や強度で解釈してしまう。だから、ほんとはあまりよくないんだろうな。
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蛇足だが、「きもい」は言えるようになったものの、今でも口にできない単語がいくつかある。ネガティブワードでもないものも含まれるため、それがまた厄介。
そのせいで、以前友達とやったワードウルフで変な雰囲気になった。なんせ答え合わせができないのだ。言えないから。
そういう言葉はパソコンに打つのもちょっと嫌なので、シークレットにさせていただきたい。おまけみたいな部分でモヤっとさせてごめんね。
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