ときめきの朝

今朝、朝刊の切り抜きをした。

こう書くとなんだか勉強熱心な人だが、切り抜いたのは四コマ漫画です。いや、それはそれで熱心なのかもしれない。毎日切り抜いているわけではないけど。これって熱心……？

熱心の定義については追々考えるとして（たぶん考えない）、朝刊の四コマ漫画で「これは切り抜きたい」というのがある。それは、主人公である女の子（小学生）の友達がフューチャーされた回である。

そのお友達の存在を知ったのはつい最近の事なので、細かい設定はよくわからないのだが、どうやらお金持ちの子らしい。フリルのついたワンピース、リボンで結われたトルネードなツインテール。そのリボンは上品な濃い紫色であり、いろんな意味での上流家庭みを感じさせる。「ホーホッホ」って笑うけど。

主人公はいわゆる『一般的』な家庭の子だが、その友達とはクラスメイトで仲が良いらしい。ちょっぴり高飛車な友達の態度も意に介していない様子で、良い意味で鈍感。そして何より、友達の「主人公好き」な感じがすごく可愛らしいのである。


一目見て今後の切り抜きを決意した回は、彼女がたった一人で行列に並んでいるところから始まる。その先にあるのはケーキ屋さんの季節限定ケーキ。無事に買うことができ、ご機嫌な足取りで向かった先は……

ティータイムのお相手は、もちろん主人公である。主人公も限定ケーキの存在を知っているらしく、大変な驚きようだ。それに対して彼女は澄ました顔なのである。そして一言、

「あら、そうなの？」

かわいいいいいいいいいいいい。

めっちゃ並んでたくせに！ すごくルンルンで帰ってたくせに！！  主人公の分もちゃんと買って、一緒に食べる気満々だったくせに！！


すみません、取り乱しました。しかし、そのくらいキュンキュンしてしまったのである。素直じゃないその好意が、第三者である読者にひしひしと伝わってくる。ずっと仲良しでいてくれ……と願わずにはいられないのだ。


今朝やっと彼女の名前を知ることができた。今後も「ひみこ」ちゃんの動向を見守っていきたい。

出典：青沼貴子『ねえ ぴよちゃん』（北海道新聞）