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ガソリンスタンドのジェントルマン
今が「春」だということに私は懐疑的でいる。なぜならまだ全然寒いからだ。
今年は例年に比べて桜の開花が早く、ゴールデンウィークは葉桜になりそうな予感、というかなる。お花見スポットにとってはせっかくのかき入れどきが……という感じだろう。
こんなに桜が早く咲いたということは春の訪れも早かったのかと思うかもしれないが、残念ながらそれには「否」と言わざるを得ない。なぜなら今も暖房をつけているから。むしろなぜ桜が満開なのかが理解できない。
あれか? 数週間前に突如として暖かくなったときに開花準備を済ませてしまったのか? そこから季節が後退したものの後には引けず、花を咲かせてしまったのではないか? そうだと言ってくれよ!こちとらまだまだ寒いんだよ!
とは言え、4月も後半戦。さすがに1日中灯油ストーブをつけている場合ではない。なので冬と同じ格好をしながら寒さに耐える。思い切ってダウンコートや手袋を身に着けてみたこともあった(※室内です)。夫は「我慢はダメ」と言ってくれているが、私の異常な寒がりのせいで光熱費が爆上がりするのは申し訳ないのだ。
結果的によく我慢することになるのだが、しもやけができたり(※室内です)お腹を壊したり肩が凝ったりと実害のオンパレードに。「そこまで暖かくないのに大手を振って暖房をつけられないこの時期が1番寒い」というのが私の持論である。
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今季最後と思っていた灯油を大事に大事に使ってきたのだが、気温的な春の訪れよりも先に底を尽きてしまった。そのあとは電気ストーブで凌ぐという選択肢もあったが、どちらかが体調不良になる可能性も捨てきれず、結局ガソリンスタンドでポリタンク給油してもらうという苦渋の決断をしたのだった。
ガソリンスタンドで灯油を入れてもらったことがなかったので、セルフではないところへ向かう。そもそも乗り気ではなかった灯油給油、さらに初めての店舗ということで、テンションは下降気味。しかし対応してくださったお兄さんが非常に良い人で、帰りには気持ちがほこほこしていた。「心も満タンに」の意味がやっとわかった気がする(別の会社だけど)。
そこは人気のところらしく、手が空いている人は皆無。なので恐る恐る給油中の店員さんに声をかけたのだが、合間に颯爽と来てくださりサクッと給油&お会計。ポリタンクも車に積んでくださり、帰りの誘導までしてくださった。流れるような、それでいて丁寧な対応に脱帽。帽子が何個あっても足りないでござる。
「ちょっと待っていてくださいね」「(ポリタンクの)蓋が閉まっているかどうか念のため確認してもらっていいですか」などちょっとした声掛けが嬉しい。忙しいのに言い方も全くぞんざいじゃなかった。
今まで出会ったガソリンスタンドの店員さんのなかで間違いなく1番だろう。あのお兄さんに会うためだけにガソリンスタンド行きたいまである。私はセルフユーザーだから無理なのだけど。
ちなみに、そのお兄さんはメガネを外したHIKAKINさんにどことなく似ていた。柔和な雰囲気と勝手な親近感のおかげで話しかけやすかったのかもしれないし、今回の出来事でHIKAKINさんの株もさらに上がったのだった(なぜ)。
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