うちのねっこの話

うちには黒猫が一匹いる。


最近やってきたばかりの野良出身者（保護団体からの譲り受け）で、まだまだ遊びたい盛りのお年頃。去年までは、私が幼い頃からいたおばあちゃん猫がいたのだが、残念ながら亡くなってしまった。悲しんでいるのも束の間、「猫がいない悲しみを癒すのは猫である」という父の方針（？）で、新しい猫が迎え入れられたのである。


正直、私はしばらく受け入れることができなかった。しかし、新入り君と接するうちに、今までの子にはなかった「警戒心のなさ（来た当初は警戒心しかなかった）」「甘えん坊具合（来た当初はご飯すら食べようとしなかった）」などに可愛さを感じるように……。なかなか面白い子なんですよ。



「ひと狩りしたくなりがち」というのも彼女の特徴の一つ。

年齢もあるのだと思うが、しばらく若い猫を見ていなかったので驚くばかりである。遊び道具はもちろん、本の栞やガチャガチャのカプセル、侵入してきた虫などにも果敢に攻めていく。部屋の棚に飾っている私作の小さなぬいぐるみがリビングに落ちていた時はシンプルにイラっとしたが、そのくらいなんでもおもちゃにしてしまうのだ。



そんな彼女が今朝相手にしていたのは、テレビ体操（NHK）の女性だった。

今までテレビに興味を示さなかった彼女が初めて文字通り立ち上がった。それがまさかの体操。

メイン体操の前に行われるゆったりとした柔軟？ をされる女性の動作を一心に見つめ、今だ！ というタイミング（知らんけど）で猫パンチを繰り出す。
ほぼ静止しているけどちょこちょこ動作がある、という動きが闘争心を搔き立てられているのだろうか。なんともおかしく、なんとも可愛い。

動物番組などでしか見たことがなかった「テレビを見る猫」を家で目撃する日が来るとは思わなかった。これからも、いろんな意味で彼女の動向から目が離せない……！