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金木犀とハンドクリーム
今年になって、金木犀の香りが非常にタイプなことに初めて気がついた。
秋になると「金木犀の香りが~」という話題をちょくちょく耳にする。しかし私はその花で秋の訪れを感じたことがない。というのも、外で嗅いだ記憶がないのだ。
調べてみると、金木犀は寒さに弱く北海道だと外で越冬ができないらしい。道内でも温室で栽培しているところはあるようだが、外を歩いていて金木犀の香りが……的な状況にはまず出くわさないということだろう。よかった、私に風流心がなくて感知できていないわけじゃなくて。
そういうことなので、今まで金木犀の話題にピンときたことがなく、時候の挨拶というか、季語の一つみたいなイメージだった。実感が伴わないので春だか秋だかもあやふやなままだったが、やっと「金木犀=秋」ということを覚えることに成功。そのためか、最近やたらと街で金木犀の香りがする商品を見つけられるようになった。
先日、雑貨屋さんにふらりと立ち寄った際、上から下まで黄色い棚を発見。近づいていみるとそこは金木犀の世界だった。オイルにフェイスパックにハンドクリームに……と、プレゼント、あるいは自分のご褒美にもよさげなアイテムがずらりと並んでいる。なんて楽しい空間に来てしまったんだ。
買い物をするつもりで来たわけではなかったので(ごめん、雑貨屋さん)、気持ちを落ち着けるためにとりあえず試し嗅ぎのオイルを鼻に近づけてみる。うむ、華やかで甘くて、非常に良い匂いだ。これが外で香っている地域があるなんて、羨ましいなあ。
ちなみに、香りだけでなくて見た目も結構好きだったりする。オレンジがかった黄色(黄色がかったオレンジ?)がいいのか、それとも奥ゆかしさと華やかさを併せ持つ姿形に惹かれているのか……。以前から好きな花にミモザやカスミソウがあるので、金木犀が好きなのも然もありなんという感じではある。
そんなタイプのデザインが施された、タイプの香りの商品たち。欲しくならないわけがない。しかし今後出費の予定(推し活です)があるため、衝動買いのハードルは普段よりも高い。1番買いやすいのはハンドクリームだが、いただきものだけで既に4本くらいある。自分でさらに増やしている場合ではない。
使い勝手が良さそうなのはオイルだが、お財布の紐が固い今、価格的にちょっと厳しい。試供品のハンドクリームを手に塗りつつ、棚の前で上下左右にふらふら動きながら熟考することしばし。
ここまで悩んでいたら買わないと申し訳ないような気持ちにもなってくるが、今回は我慢して退散することに。悩みすぎて身体は熱くなるわ香りが鼻に満たされすぎるわで若干混乱しつつ、しかし確実にリフレッシュはさせてもらった。
やっぱりあれだな、おしゃれなものや良い匂いに囲まれると無条件でウキウキしてしまうものだな。
こんな感じで香りのパワーを実感するたび、なんでもない日にも香水をつけようと決意する。しかし翌日になるとすっかり忘れてしまうのはなぜなのか。あとハンドクリームも毎日塗り忘れて指先のガサガサが進行しまくっているのだけど、みんなどうやってハンドクリーム塗ってるんだろう(?)。
とりあえず今書いたことで思い出せたので塗ったけど、毎日ハンドクリームの話をするわけにもいかないし……どうしたもんかしらね。
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