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暖房をつけるが勝ち


職場の人が言っていた、「暖房のスイッチを押したら勝ちなんだよ」が忘れられないでいる。


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このところ、野良猫が日向ぼっこする様子をよく目にするようになった。


一見微笑ましく思えるものの、その実は「暖を取る」ための手段であり、生命の危機を脱しようとしているに違いない。


かくいう私も、夏の間はあれだけ避けていた日光をありがたがるようになってきた。日傘で日陰を作っている場合ではない。黒い上着を身につけ、熱をさらに集めようとする本気っぷりである。



しかし困ったことに、家で日光の恩恵を受けるには限度がある。


幸いなことに時間帯によってはきちんと日が入る設計になっているものの、滞在のメインは朝と晩。


起きてすぐにカーテンを開けてもまだ薄暗く、帰宅後の傾きかけた太陽で「暖かさ貯蓄」をしようとしてもたかが知れている。先日なんて、長袖を4枚着てギリギリセーフな寒さというありさまだった。


厚手のパーカーや部屋着用フリースを導入すれば着ぶくれせずに済むかもしれないし、しもやけがチラつく足の薬指もニトリのNウォームスリッパならなんとかしてくれる可能性もある。なるべく早く検討し対応したい。




これは生命の危機を脱するため、というのももちろんだが、なんと言っても光熱費を抑えたいのである。


光熱費をケチっているがゆえに危機になっているとも言えるが、冬の暖房及びガス代には目を見張るものがある。もちろん悪い意味で。


夏は北海道も暑くなったとはいえ、クーラーは持っていないし扇風機も四六時中つけるわけでもないしで、電気代はそこまで跳ね上がらなかった。


しかし冬はそうもいかない。夏は暑くなっても冬は寒いままなのである。


理不尽ではなかろうか、と思っても仕方がないので、ソーラン節を踊ったりコンロで調理をして暖を取ってみる。しかしそれもたかが知れている。暖房のスイッチに手を伸ばさざるを得ない。


そんなとき勇気を与えてくれるのが、冒頭の言葉である。


「暖房のスイッチを押したら勝ちなんだよ」


***


職場で暖房をつけたか否かの話になったときのこと。


その場にいた私を含む4人のうち、なんと2人はまだつけていなかった。今つけてしまったら、もっと寒くなったときに大変だから、と。

私もその理論に納得するところはあるが、今の時点でもう耐えられなかった。しかしもう少し頑張ってみるべきだっただろうか……と自分の選択に自信がなくなってしまった。

そんななか、我々よりもグッと年上の先輩は、バンバンつけてるよ、と豪快に笑った。そして、これはむしろ「勝ち」なんだと――


それは翌月の請求書を見るまでの天下なのでは……という思いもよぎったが、私自身のためにも気づかなかったことにしたい。そういうこと考えたら負けだから。



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今日、設定温度を1度上げてみた。

さしづめ、レベルアップといったところだろうか。

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三谷乃亜
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