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私が求めていたエビじゃない……?


冬になると、スーパーで散見されるものの1つが鍋の素(液体)である。寄せ鍋、キムチ鍋、豆乳鍋、さらにはチーズ鍋など、一から作るのが大変そうなものも、具材さえ用意すれば簡単にできるのがありがたい。

先日、今まで見たことがない商品を見つけた。まだまだ雪は溶けそうにない季節、鍋の出演機会は確実にある。どれどれ、これは何鍋かなと近づいてみると、エビがメインの鍋だった。

私と母は、こういうエビ出汁を使った料理が好きである。エビ本体も好きだが、天ザルならエビ2本よりも、エビ1・シシトウ1の方がテンションが上がるタイプだ。あっ、でもデパ地下とかにある大ぶりのエビチリとかエビマヨは食べたい(?)

エビのトマトクリームパスタとか、オマール海老のなんちゃらスープみたいな字面を見ると食指が動き、実際に食べてみると好きな味に出会える確率が高いのだった。



しかし、ネックなのが価格。やはりエビはいい値段がするのである。しかし、鍋の素などは安価で手に入りやすい。これは買うしか無かろうて。

価格的にも好み的にも、具材はエビではなく鶏肉か何かになるが、そうすることでお肉の出汁も加わり、さらにパワーアップすること間違いなしだ。


ということで、ある日の晩御飯はエビ(個体)の入っていないエビ鍋となったのである。



ワクワクしながら、蓋を開ける。しかし、次の瞬間「あれ?」という風に、心の眉間に皺が寄った。



ブイヤベースみたいな香りがするぞ……?



正直、本物のブイヤベースの記憶が定かではないので想像の域を出ないのだが、この鍋の香りを嗅いだ瞬間思い浮かんだのはブイヤベースだった。少なくとも、オマール海老のなんちゃらみたいな香りではなかったのである。


原材料でこの特徴的な香りの根源を探ると、「蝦醤」「魚醤」「エビ粉末」が該当しそう。蝦醤(シャージャン)って字面、初めて見た(小エビを塩漬けにして発酵させた調味料らしい)。魚醤は色んな魚を使っているし、エビと混ざることでブイヤベースみを感じたのだろうか。


これもエビの香りで間違いないのだが、私が楽しみたかった香りじゃないし、なんなら得意でない方の香りだった。ナンプラーやニョクマムは好きでも、何故かブイヤベースは昔からそこまで惹かれないのである。

しかし、食べてみると味はだいぶ好みだった。幼い頃は香りがNGなら味もNG判定を出していたかもしれないが、今はそこを一旦抜きにして進むこともできる。それによって、美味しさの間口が広がり、香りについても、「これも美味しいやつなんだな」とイメージを上書きすることに成功したのだ。


結局、原材料を見ても答えを見出せなかったし、今後もフィーリングでエビ出汁系商品に挑戦していこうと思う。


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三谷乃亜
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