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増殖する材料を静観してみる
編み物に、というか、おまんじゅう型マスコットの衣装づくりにハマって1ヵ月も経っていないと思うのだが、早くも難点を発見してしまった。
新しい毛糸がすぐに欲しくなり、それらが完成品よりも場所をとる。
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手芸だけでなく、物体を生み出す趣味について回る「材料・道具・完成品の保存問題」。編み物に関しては現状、材料についての悩みが多くを占めているが、歴が長いぬいぐるみ関係では完成品の置き場所問題が深刻になっていたこともある。
あるデザインのテディベア(フェルト製)にハマったときは、その色違いをほぼ毎日縫い続け、いつの間にか10個以上に膨れ上がっていた。部屋の平坦な場所はほぼ埋まっているのに、このベア達をどうすれば良いのか(何故作るか、とは自分でも思うが、それが趣味なのよ……)。
考えた結果、ダイソーのネット状バッグに次々突っ込んでフックに引っかけておくという「囚われベア」状態を作り出してしまったのだった(その後、いくつかは友人にお譲りさせてもらい、残りのベア達にも定位置を確保することに成功した)。
この「囚われベアー」は平和的な収束を見せたが、急にドサッと捨ててしまった事例もある。自分とのペアルックを作るなどして楽しんでいたぬいぐるみ用お洋服・靴(10着以上)は、1コーデ分を抜いて全て処分という潔すぎる結末を迎えた。
このように、増えすぎると突然ドサッと捨ててしまう危険性を孕む私なので、毛糸は大丈夫だろうか、という不安がよぎるのである。1個増えるだけで嵩がグンと増す毛糸を、この先増やしていっても良いのか。出費を重ねても良いのか……。
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おまんじゅう用衣装を作るには、毛糸1個分も必要ない。全然減らないと言ったら噓になるし、まだ新品を全ておまんじゅうに使ったことがないため正確なことはわからないが、3~4個は余裕で作れると思う。
しかし、ここで問題なのは、私が着る対象を現状3つしか持っていないということと、それぞれ顔のタイプが異なるということである。満足できない出来のものができたときは、ほぼ同じ材料で作るが、そうでない場合は『同じ服ばかり作ってもねえ……』ということになるのだ。それぞれに合う色、デザインで作りたいし、同じ子に同じ服を作っても面白みがない。
そして少し慣れてくると、『この衣装をモチーフにして作ってみたい』という気持ちも出てきて、それはつまり新たな毛糸が必要ということになる。すると、ついこの間買った毛糸が購入時の形からそこまで変わっていないのに良いのかそれは……という葛藤が生まれるのだ。
しかし、今後も編み物をやっていくという長期的なイメージが以前より湧いている今、毛糸が増えていく現象は未来への投資と考えても良いのかもしれない。
投資って言うほどのことでもないが、急に思いついたときにすぐ着手できるのは様々な毛糸があってこそ。上手に保存さえすれば、未来の自分が『あってよかった!』と思うのではないか。
今、毛糸が入っている小さな段ボールは、とりあえず用意した間に合わせだし、蓋が既に自分の役割を忘れている。少なくとも綺麗に整頓して蓋が閉まってくれるサイズのものにチェンジして、ある程度の増殖は見て見ぬふりをしようかな。
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