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棒とパンとライフハック



あるパン屋さんで、棒に刺さったソーセージパンを購入した。

この形を見るのは初めてではないが、すごく久しぶりな気がする。懐かしい気もしつつ、でもこれが昔ながらの形なのかと言われると全く自信がない。どちらにせよ、ソーセージパン自体は高確率で選ぶ1つなので、今回も例の如くお持ち帰りしたのである。


パン自体はシンプルな味わいで、ソーセージも端から端まであるし、マヨネーズの量もちょうど良かった。飛びぬけた美味しさではないが、価格帯も含め安心してリピートしたくなるパンである。しかし、パン本体ではないところに予想外の加点項目もあった。それが棒なのだ。



棒に刺さっている食べ物といえば、フランクフルトやアメリカンドッグがすぐに思い浮かぶ。私はどちらにも、美味しさだけでなく、ワクワクが混じる感覚になる。普段あまり食べないので、その珍しさ故にワクワクしていたのだと思っていたが、今回のソーセージパンによって、それだけが理由ではないのでは、と思い始めた。



パッと思い浮かんだ説は2つ。1つ目は手で食べるよりもワイルドな食べ方になるということ。

個人の食べ方と感覚によると思うのだが、パンを直接持たずに棒を掴んで口に運ぶと、齧り付くニュアンスが強くなるのだ。中央の棒を避けなければならないというミッションが必然と発生するため、パンが落ちないよう左右交互に食べ進めることになる。その結果、わしわし食べる感じになるのかもしれない。例えるならギャートルズに出てきそうな骨付き肉。ソーセージパンだと形も似ているし(そうか?)。

2つ目は、単純に杖的なものが好きなのでは、という説である。

このアカウントの日常話初投稿は、ステッキが欲しい、という話だったところからもわかる通り、魔法使いの杖や光る剣などの細長い棒に今でも魅力を感じている。

これについてよく思い出すのは、2008年の別冊カドカワで奥田民生さんがあるコーナーで話していた一節。彼が茶目っ気たっぷりに言うには、男の子は釣りでもゴルフでもバットでも「根本的には棒を持ちたいんですよ(115頁)」。落ちている棒を拾って振り回していた延長線上にそれらがあるらしい。私も魔法使いの杖に似た木の枝を探していた子どもだったので、棒を持ちたい側の人間なのである。残念ながら釣りも球技もしないけど。




結果、「棒は持ちたい、食べ物は頬張りたい」という、前々から認識している我が性質の例が1つ加わっただけだった。しかし、ちょっと元気がないときは棒付きの食べ物を頬張ってみる、というライフハックができたのは良い収穫だったといえよう。口の中が切れないよう注意を払いつつ、ワクワクしながらお腹を満たしていきたい。






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三谷乃亜
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